仕事を終えて居酒屋に行く前のひと時、風呂を浴びてさっぱりすれば、どれだけ気持ちいいか。などと考え、銭湯通いをしてみることにした。
前日、蒲田温泉に浸かり、その後居酒屋で酒を飲んだが、やはり風呂に入ると心身リラックスするのは間違いないし、いかにも風流だ。
JR王子駅を出て、飛鳥山の勾配を登る。
少し登るだけで、背中が少々汗ばんでくる。
この日は七夕。だが、すっきりと夜空に星たちが煌々と煌いているわけではない。雲が垂れ込め、夜の帳も早く降りた。
頂きの方から都電がカーブを曲がってこちらに向かってきた。車内の灯りが闇を照らしている。
飛鳥山から王子駅前まで、都電荒川線は、道路に埋設された軌道を走る。クルマと並行して走る姿は、路面電車としての雄姿を一際強烈に見せ付けてくれるのだ。
その都電が現れたカーブを曲がれば、飛鳥山の西側に出、あとは、ほぼ平坦な街並みになる。
確か、交番を越えて、澁澤榮一さんの旧宅を過ぎた対面あたりに銭湯があったはずだ。
少し前、立ち飲みラリーを敢行している際に偶然見かけたのだ。
そうやって、歩いていくと古いいい感じの居酒屋を見つけ、まだ時間が早いのか、お客が一人もいないラーメン屋さんをすぎ、「サウナ」と書かれた青い看板の銭湯「ゑびす湯」に出たのである。
暗がりにぼうっと光る微かな灯りを頼りに下駄箱へ進み、「男湯」の暖簾をくぐる。
ガラリと音のする引き戸はまさしく正統派銭湯の伝統の重みだ。
そう、中央に番台を擁する本物の銭湯に入るのは、本当に久しぶりである。
「こんにちは」。
番台のお兄さんに挨拶をすると、お兄さんもにっこり笑って挨拶を返してくる。
かつて、わたしがまだ幼少の頃の銭湯は、確かに鍵付きのロッカーもあったが、脱衣所には衣服を入れる大きな籠があり、わたしもよく衣服を籠に入れて浴室に入ったものである。
そんな籠はもう跡形もない。
ロッカーに衣服をしまい、浴室に入った。
時刻は7時過ぎ。
お客はわたしの他に2人しかいない。
広い風呂。
ケロリンの洗面器と椅子をもって、蛇口の前に。
さきほど番台で買った小さな石鹸をタオルにこすりまず体を洗う。
石鹸は30円だった。
ペンキ絵は富士山。
お風呂の温度は44℃前後。
湯加減はちょうどいい。
暑い夏に熱い湯に浸かるのは実にいい。
先客も多くなく、実にゆったりだ。
身も心も洗われていく。
水はどうやら井戸から汲み上げている模様。
武蔵野台地の豊富な水の恵みを使っているようだ。
湯船の横にサウナがある。
体裁をみるとどうやら後付けのようにみえる。3人も入れば、いっぱいになってしまうような小さなサウナ。
湿式のサウナは今時珍しい。
3分間入ったが、さすがにばてた。
だが、出来うる限り汗をかいて、絞り出し、うまいビールに繋げたい。
さぁ、風呂から上がってどこへ行く。
決まっているじゃないか。
王子駅前の立ち飲み屋、平澤かまぼこ店さ。
風呂を出て、今度は飛鳥山を下る。
夜風が実に気持ちいい。
王子神社の木々をかすって、実に気持ちのいい風が吹き抜けていく。
あぁ、ビールが愛おしい。
前日、蒲田温泉に浸かり、その後居酒屋で酒を飲んだが、やはり風呂に入ると心身リラックスするのは間違いないし、いかにも風流だ。
JR王子駅を出て、飛鳥山の勾配を登る。
少し登るだけで、背中が少々汗ばんでくる。
この日は七夕。だが、すっきりと夜空に星たちが煌々と煌いているわけではない。雲が垂れ込め、夜の帳も早く降りた。
頂きの方から都電がカーブを曲がってこちらに向かってきた。車内の灯りが闇を照らしている。
飛鳥山から王子駅前まで、都電荒川線は、道路に埋設された軌道を走る。クルマと並行して走る姿は、路面電車としての雄姿を一際強烈に見せ付けてくれるのだ。
その都電が現れたカーブを曲がれば、飛鳥山の西側に出、あとは、ほぼ平坦な街並みになる。
確か、交番を越えて、澁澤榮一さんの旧宅を過ぎた対面あたりに銭湯があったはずだ。
少し前、立ち飲みラリーを敢行している際に偶然見かけたのだ。
そうやって、歩いていくと古いいい感じの居酒屋を見つけ、まだ時間が早いのか、お客が一人もいないラーメン屋さんをすぎ、「サウナ」と書かれた青い看板の銭湯「ゑびす湯」に出たのである。
暗がりにぼうっと光る微かな灯りを頼りに下駄箱へ進み、「男湯」の暖簾をくぐる。
ガラリと音のする引き戸はまさしく正統派銭湯の伝統の重みだ。
そう、中央に番台を擁する本物の銭湯に入るのは、本当に久しぶりである。
「こんにちは」。
番台のお兄さんに挨拶をすると、お兄さんもにっこり笑って挨拶を返してくる。
かつて、わたしがまだ幼少の頃の銭湯は、確かに鍵付きのロッカーもあったが、脱衣所には衣服を入れる大きな籠があり、わたしもよく衣服を籠に入れて浴室に入ったものである。
そんな籠はもう跡形もない。
ロッカーに衣服をしまい、浴室に入った。
時刻は7時過ぎ。
お客はわたしの他に2人しかいない。
広い風呂。
ケロリンの洗面器と椅子をもって、蛇口の前に。
さきほど番台で買った小さな石鹸をタオルにこすりまず体を洗う。
石鹸は30円だった。
ペンキ絵は富士山。
お風呂の温度は44℃前後。
湯加減はちょうどいい。
暑い夏に熱い湯に浸かるのは実にいい。
先客も多くなく、実にゆったりだ。
身も心も洗われていく。
水はどうやら井戸から汲み上げている模様。
武蔵野台地の豊富な水の恵みを使っているようだ。
湯船の横にサウナがある。
体裁をみるとどうやら後付けのようにみえる。3人も入れば、いっぱいになってしまうような小さなサウナ。
湿式のサウナは今時珍しい。
3分間入ったが、さすがにばてた。
だが、出来うる限り汗をかいて、絞り出し、うまいビールに繋げたい。
さぁ、風呂から上がってどこへ行く。
決まっているじゃないか。
王子駅前の立ち飲み屋、平澤かまぼこ店さ。
風呂を出て、今度は飛鳥山を下る。
夜風が実に気持ちいい。
王子神社の木々をかすって、実に気持ちのいい風が吹き抜けていく。
あぁ、ビールが愛おしい。
楽しんでいるようでなによりだよ。
しかし、44度前後とはさすが東京の銭湯。
俺にとっては熱湯甲子園。いや、スーパージョッキーでいう所の熱湯コマーシャル並みの温度だよ。
旅から帰ってきたか。
東京の銭湯は「熱い」って有名みたいだね。
自分も熱い風呂の方が好きだな。
実は、次週に紹介する銭湯は46℃だったよ。
46℃はさすがに厳しかった。
昨日、山口のかみさんの実家で風呂に入ったが、気温が高くて、蒸し風呂だったよ。
さすがに、15分しか入れなかった。
東京は、まだ涼しいんだな。