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居酒屋さすらい 1075 - 店内を包むグルーヴ感に酔う - 「元祖立ち飲み屋」(川崎市川崎区駅前本町)

2016-10-11 21:48:51 | 居酒屋さすらい ◆立ち飲み屋

競馬に競輪、そして遊郭。

国内きっての盛り場のくせに、意外と立ち飲み屋が少ない。

川崎はけっこう歩き回って店を探したのだが、見つかった立ち飲みは2軒のみ。

絶対そんなはずないだろうとボクは、京急川崎駅の周辺を散策した。

JRよりも断然怪しげな雰囲気の京急川崎。すると、いとも簡単に立ち飲み屋を見つけることができた。

しかも2軒、いっぺんに。

 

1軒目が「元祖立ち飲み屋」。そしてもう1軒が「フルミチ」。

前者はオープンしているが、後者はまだ開店前。

since 1970と書いてある。

店内を覗くとだいぶ賑わっている。

なんで、今までこの店に気づかなかったのだろうか。

ボクは店に入った。

 

玄人好みの店である。

コの字のカウンターにろくでなしらが仁王立ちしている。

その活気たるや凄まじい。

 

この雰囲気、赤羽の「いこい」に似ている。

ちょっと怖い店員。ろくでなしの野郎ども。

この店、なかなかの強者だ。

ボクはまず、「生ビール」(350円)をオーダーした。

 

「元祖立ち飲み屋」という店名にちょっとひっかかる。

「元祖」とは何だろうか。

立ち飲みというカテゴリーを切り開いたという元祖なのか。いや、立ち飲みは戦前からある。

それとも「立ち飲み屋」という店名において元祖なのか。

確かに「立ち飲み屋」という店はたまにある。

町田に同じ店名の店があり、もう10年ほど前に1度入った。恵比寿の店は「立呑屋」といった。漢字が違うので、同じ店ではない。

元祖というのはちょっと往生際が悪いと思う。

「うちはまがいものではありません」という差別化。

せっかくいい店なのだから、ここはどっしり構えているのがいいのではないだろうか。

 

「きつね煮」(130円)。

「明太スパサラ」(200円)。

「チーズ沢庵」(180円)。

なかなかおもしろいメニューである。

このメニューは東京にはない。値段もまずまずである。

メニューの数が多い。それだけでもう何を頼んでいいか、分からなくなる。

 

「きつね煮」を頼んだ。

お揚げ1枚である。しかも牛肉入り。

きつねと牛の幸せな邂逅。

うまい。

ビールを飲み干し「チューハイ」(300円)に。

 

小欄で常に言い続けてきたこと。

いい立ち飲み屋には独特のリズムが流れている。

それをボクはグルーヴ感と表現する。

最近好きな漫画に「とんかつDJ アゲ太郎」がある。

とんかつを揚げる音にDJとしてのリズム感を見出すという内容で、これはボクが考える立ち飲みのグルーヴ感に、通底するものである。

 

だから、いい立ち飲み屋は入った瞬間に分かる。

ドラムンベースのようなズシンとくる音が腹の底に響き渡る。ボクらはそのリズム感に酔い、そのグルーヴ感に乗せられて、注文をする。

 

「元祖立ち飲み屋」。

ただものではない。

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