気味の悪い黒い何かを見て、胸糞が悪くなり、店を出た。腹も満たされず、酒もまだ飲み足りない。ただ、満足感に包まれていても、燻っていても、行く店は決まっている。
「スパゲティハウス チャオ」。
名古屋飯と安定のクオリティ。名古屋が生んだ大傑作の「あんかけスパ」。尾張の終わりはもうここしかない。
まさかのこの月2度目の訪問。前回は激混みの行列だったが、今回は並ぶ客は皆無。入店していきなり席に通された。
オーダーするものははなから決まっている。
白ワインのハーフボトル(1,220円=税抜)と「シシリアン」(940円=税抜)のレギュラーをタッチパネルに入力した。もちろん、ワインは最初に出してとの指令も忘れずに。
お店には相変わらず、老若男女、様々な客がおり、中でも目立つのが、一人客のリーマンである。名古屋出張の帰りなのだろうか。おっさんとパスタが実にアンバランスだ。恐らく、自分も他人にそう映っているはず。
やがて、ワインが運ばれてきて、そして「シシリアン」も遅れて到着した。
修羅場から生還したサバイバーのような心境。
清潔な店内に思わず安堵する。
あんかけパスタはもちろんおいしく、お供のワインも断然いい。改めて感じる当たり前の幸せ。そこにもはや恐怖も不安もなかった。
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