たまに発生する接待という名の営業。接待する方もあれば、接待される方もたまにある。
精神的には疲れるけれど、ボクは嫌いではない。でも、印刷会社からの接待はちょっと嫌かな。だって、悲壮感が出ているから。
最近の印刷会社は相当疲弊している。それがあからさまに分かってしまうから、痛々しい。でもね、仕事を出す方としても、安ければいいってものでもない。
錦糸町にあるちょっと中心地より外れた酒場に案内された。
JRAの裏手。人通りも少なくなった小さな雑居ビル。階段は薄暗く、どこか不気味な雰囲気を漂わせる。
こんな人通りの少ないところにも酒場はしっかりとあった。
店の名前は「禅」。
飲食店なのに。しかも、錦糸町という欲望丸出しの街にあるのに。
この「禅」という全てを超越したかのような店名はある種驚きだった。ただ、同店の「食べログ」を見ていると、その謎も解けた。画像欄に突如として現れる子どもの画像。無造作に子どもの画像をアップしているというのも、ひとつの驚きだが、どうやら経営者の息子さんの名前をとって店名にしているようである。
外見とインパクトのある店名とは裏腹に、仕事は地道だった。
創作料理の数々は悪くなかったし、そのアイデアも面白かった。
近年の禅は完全に西洋化した、いわゆるマインドフルネスと呼ばれるひとつの営みに昇華したが、和食も同様のことが言え、西洋化した。
ただ、せっかくの料理がプレモルでは味気なかった。だから、ボクは最初から麦焼酎の水割りでアクセルをフルスロットルに踏んだ。
実はコース料理のひとつひとつをボクは覚えていない。それほど、急ピッチで酒を飲んでしまった。
これはブッディストとしては完全に失格である。
嗚呼諸行無常也。
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