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叔母が引っ越しをしてからというものの、もう武蔵小山には来ないだろうと思っていた。
だが、それもひょんなことから、この街に来ることになった。
4年ぶりに訪れる武蔵小山の駅はだいぶ変わっていた。駅前の胡散臭さは相変わらずだが、駅がきれいになっていた。やがて、この街も大きく変わるだろう。駅前の再開発が行われるという。
「すたんど ちっぷす」も「晩杯屋」も「鳥勇」もやがてどこかに移転を余儀なくされるのだろう。
屋根付きアーケードの「ぱるむ」を通り、ネット情報で得た立ち飲み屋を探した。店は発見できたが、すでに閉店しているような雰囲気だった。そこで、ボクは踵を返して、駅に戻った。あのごちゃごちゃとした駅前に戻れば、適当な店を発見することができるだろう。
駅前の雑然さは、品川区は独特のものを持っている。例えば大井町。駅の隣の闇市の風情を残す町並みがあるのは、このムサコも極めて似ている。
路地の狭さ。こきたない店がずらりと軒を連ねる。久しぶりに「晩杯屋」にでも入るかと思い、歩いていると、一軒の店舗が目に止まった。「中華料理も悪くないか」、そう思いながら店に近づくと、この店は立ち飲み屋だった。小柄な女性がカウンターにもたれかかりながら、立って酒を飲んでいる。
「盛苑」。
なんと読むのだろう。「じょうえん」か。それとも「もりえん」か。
店に入って、赤いカウンターに陣取った。
片言の日本語の女性が「何する?」と聞いてきた。中国人特有のイントネーションである。
「生ビール」。スーパードライが300円。
「中華立ち飲み」。
中華最強説を唱えるボクにとって、この組み合わせはすごい。とうとうこの組み合わせが来たかと、心の中で叫ぶ。
立ち喰いのフレンチやイタリアンが、ものすごい勢いで店舗を増やし、連日超満員の盛況ぶりを見せている。だが、どうだろう。この「盛苑」の閑古鳥っぷりは。しなびたおばちゃんとボクの2人しか客がいない。店の汚さが問題なのだろうか。
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