なんだかんだ言いながらも、わたしは新井選手が好きなんだと改めて思いました。
あの一生懸命に走る姿や、体を崩しながらも無心にスイングする姿に笑ってしまったりしましたが、それもみんなひっくるめて。
松田元オーナーは「愚直」という言葉で新井選手を表しました。山本浩二氏は「がむしゃら」という言葉を使いました。
黒田博樹投手は「プライドを持たない」という表現で新井選手を評しました。みなさん、言い得て妙です。
2007年のFA宣言の事はもうここでは言うのをやめておきます。
今更手垢のついた言葉で蒸し返すこともないでしょう。
しかしながら、ようやく育った選手、とりわけ当時の山本浩二監督が多少のエラーに目をつぶってまでも育て上げた選手が、カープを去るということに、わたしは大きな衝撃を受けましたし、また絶句しました。
江藤智、そして新井貴浩までもが。ミスター赤ヘルの正当な継承者が、またもやFAで球団を去ることに、わたしはただただ落胆したのです。
あれからの8年はとても長く感じました。
阪神球団から自由契約となったあなたは、一体どこへ行くのだろうか。やっぱり、わたしは行先が気になりました。
しかしながら、松田オーナーの一言はカープファンの誰もが驚いたことでしょう。
いえ、それ以上にあなたが最も驚いたのかもしれません。
入団会見のときの写真は今でも覚えています。
強張った表情でバットを構えたあの表情には戸惑いがありました。その気持ち、とてもよく分かります。
自分がカープに戻ってきてもいいのかという戸惑いでした。
その後の活躍については今更いうこともないでしょう。
とりわけ、その立ち居振る舞いは本当に立派の一言に尽きます。
チャンスに打てなかった印象も、守備が下手くそなイメージはもうありません。
カープの若手選手は皆、あなたと黒田投手の背中を見て日々励んでいることでしょう。
FAをしたが、また古巣に戻った選手。いえ、「カープが好きだから」、戻ってこられた選手。
今はただただ安心しています。
ミスター赤ヘルの系譜は途絶えていません。
努力だけで勝ち取った2000本。本当におめでとうございます。
そして、この秋には、もっと笑えるように。
未だ経験したことがない頂点に立つことが次のあなたのミッションです。
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