「上州屋」を出て、もう一軒行こうとなった。松戸は全く知らないので、ついていくと、ちょっとしたバーに行き当たった。シャレオツなお店で、アメリカの地図を模したデザインの壁には、「kiss db」と書かれていた。
へぇ、アメリカンバーか。おもしろそうだ。
最初のドアはお店のドア、それを抜けるとウェスタンドア。
いいなぁ。この演出。
バッグバーのボトルが壮観だった。相当な銘柄のボトルが置かれている。ウィスキーだけでなく様々なボトルの数々だ。
席に座り、さて何を飲もうかとなった。自分はウィスキーが苦手だし、カクテルの種類も知らないから、自ずと選択肢は狭まる。
「モヒートあるかな」と思って、眺めていると、あった、あった。これにしよう。
すると、T川さんも、同じものを選んだ。
ところが、この、「モヒート」が、本当においしかった。ミントの葉がふんだんに入って、濃厚。この暑いさなか、ミントの爽やかさが、心地よい。
赤羽のモヒートしか知らない自分にとって、本当の「モヒート」はカルチャーショックだった。ラムがやや甘く、コクもあった。当然、酎ハイとは比べくもない。
T川さんも「うまいね」を連発していた。
つまみはお通しのポップコーンだけで充分。T川さんのアメリカ暮らしの話題で盛り上がった。T川さんは、大学を卒業後、すぐに渡米し、それから20年近く、アメリカで商売をした。その経験譚が面白くない訳がない。
バーで一日を終わるのも悪くないかな。
疲れきって、終わったその日を、静かなバーで、頭を空っぽにできるのなら。居酒屋と違って、騒がしくなく、暗がりの店舗で、心地よい音楽を聴きながら、静かに飲む。そんな一日の終わりが、こんな店だったら幸せだ。
2杯目は、「ヒューガルデン ホワイト」の樽生をいただいた。このバイスビールも、爽やかで夏にぴったりだ。
おいしい、「モヒート」を続けて飲んだら、そのおいしさが半減してしまう気がした。だから、「モヒート」は一杯だけで我慢した。
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