日暮里駅は部分的な近代化は進むが、パッチワークのように古い駅舎もまだあちこちに見られる。
とりわけ、駅の南側は階段は古く、西側の山の傾斜に支えられた屋根の支柱は時代を感じさせられるほどに古い。
そんな日の時代がかったホームに、やはり古い時代の遺物ともいえる立ちそば屋「大江戸そば」があった。
あった、と過去形にするのは、もはや今春で店が閉店になったのだ。
日暮里で酒を飲んだ帰りや草野球の帰り道に寄った「大江戸そば 日暮里店」はもうない。
階段の下のスペースに作られた小さな店舗は7~8人も入れば、満員になってしまう。
ボロい建物で、気にも留めてなければ、見過ごしてしまいそうな、そんな店だが、店舗に入ると、最新の食券機が迎えいれてくれる。
ボクは、ここで決まって「かきあげそば」を食べた。
出汁は濃いめ。
そば粉比率は低く、そばとしてのクオリティは低いが、手軽に食べられる便利さは貴重な存在だった。
駅にそば屋があるかなしか。
それによって、利用者の文化度が推し量れるような気がする。
人々の余裕がなくなっているのだろうか。
それとも、日本人がそばを求めなくなっているのだろうか。
もっとも、乗り替えのスピーディさが求められ、路線も相互乗り入れが多くなったこと、また外食の多様化も影響しているのだろう。
駅そばは俄然、減少を続けている。
日暮里駅というターミナル駅で、駅そばの灯りが消えたことにボクは危機感を持っている。
駅周辺の再開発と同じ文脈で語られるべき、問題のひとつだと認識している。
これは、閉店5日前に食べた「かきあげそば」。
日暮里の「大江戸そば」で、「かきあげそば」がダントツのいおまさだった。
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