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居酒屋さすらい 1046 - 「小島」の息子さん - 「大吉酒場」(所沢市小手指町)

2016-08-03 21:34:45 | 居酒屋さすらい ◆立ち飲み屋

「よしの」を出た後、アーケードの中を歩くと見慣れない店を見つけた。

「大吉酒場」。

どうも立ち飲みらしい。

たかだか50m程度のショッピングアーケードの中に立ち飲みが4軒。

 

早速、店に入ってみた。

空間は広いのだが、どこかがらんとした雰囲気。カウンターがメインで、ボクは先客2人の横に陣取った。

さて、何を飲もうか。

壁に掲げられたメニューを眺める。

短冊状のプラスチックボードに酒、酒肴がそれぞれ刻まれている。

変わったフォントで。

丸ゴシックなのだが、独特のクセがあるフォントは、かつて見たことがある。

そう、池袋の立ち飲み「小島」。それから十条のタイ風居酒屋「イサーン」。

 

ボクは「チューハイ」を頼みつつ、まだ若い店の主人に尋ねた。

「『小島』に店が似ていますが」。

すると、若い主人はこう言った。

「自分、『小島』の社長の息子です」

あぁ、やっぱり。

「でも、何故小手指に?」

すると、若い主人、笑顔を浮かべて頷くだけだった。

 

「小島」と同じように酒の種類が豊富でしかも全て安いときている。

これは重宝する店だ。

 

先客は60歳くらいの男女。2人とも近所から通っている風である。

おばちゃんに話しかけてみた。

「よく来るんですか?」

「毎日ね」。

「この辺りは立ち飲みが多いけれど、何故この店に来るの?」

「『なんじゃこりゃ』はね、飲み物が高い」。

あぁ、なるほどね。納得。

 

まさか、小手指最後の日に「大吉酒場」を知ることになろうとは。

いや、最後の日に知ることができただけ、幸せなのかも。

 

正面の壁にかかるテレビからは「笑点」。

そうか、今日は日曜日だったか。

しばし、先客らと「笑点」を見ながら、「チューハイ」を飲む。

「わっはっはっは」。

面白い。「笑点」て、こんなに面白かったっけ?

 

いやいや、久しぶりに腹から笑っているような気がする。

長い間、卒論で苦しんできたからな。

気持ちが解放されたんだって改めて思う。

 

もうこの町に来ないかもしれないって思ったけれど、たまにはここに来て、立ち飲みを巡ってもいいかも。

「大吉酒場」なら、池袋から30分程度電車に乗るくらい、たいしたことはない。

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