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サクラタウンを出て、駅へ向かった。確か、東所沢の駅前に立ち飲み屋があったはずだ。まだ、17時前だが、果たして営業しているかどうか。スマホで開店時間のチェックをしたら、「食べログ」には「掲載保留」となっていた。
おかしいな。去年のクリスマスはまだ営業してたぞ。もしや、その4ヶ月間で、店が苦境に立たされ、畳んだのか。一瞬、そう思った。これは困ったな。まさか、秋津に行く訳にもいかない。あそこは東京都だから、この緊急事態宣言下、お店は営っていないはずだ。それならば、もう川口で降りるか。こないだ、何気なく調べたら、知らない立ち飲み屋がヒットした。そうか、最悪川口に行けばいいか。
そう思って、駅近くの「縁」に着いてみると、心配は杞憂だった。しっかりお店は営業していたのだ。
暖簾をくぐって店に入ると、常連と思しき老人一人が静かに飲んでいる。驚いたのはお店のスタッフ。ママと思しき女性と若い子が2人という布陣。いや、小さなスペースの立ち飲みってワンオペじゃないと経営は厳しいんじゃないか。いや、確かに秋津の「野島」は一人では無理だが、若い女性を3人も4人も使う必要はない。もしや、若い女性を数人置く、立ち飲みスタイルは、この地域独特のものなのか。まるで、立ち飲みのスナックのようだ。確実に、このお店のママさんはウォータービジネスの生え抜きといったところだろう。
まずは「ホッピー」セット、白をいただく。
すると、常連の老人は上がりの様子。お店のママが仕切りにお礼を言い、「明日から休みだからね」と念を押した。やっぱり、明日から休みなんだ。都内は既に、酒類提供自粛で、とうとうその周辺地域の蔓防地域も28日から酒類自粛。暗黒のゴールデンウィークが始まろうとしている。
さて、つまみはないのかなとメニュー表を裏返したりしてみたが、それらしきものがない。カウンターの向こう側にもメニューが書かれてなく、あるのはカウンターにある、スナック菓子か厨房の棚に置かれているカップ焼きそばくらいか。この雰囲気、どこかで見た。あぁ、西川口の「立ち飲みスナック やまだ」だ。これって埼玉の立ち飲みの伝統なのかな。
しばらく、つまみなしのまま、頭上のテレビを観ているとスタッフの若い女性が、黒板を壁にかけはじめた。17時が近くなり、営業に本腰が入り始めたか。あては一品料理で煮物、あえ物が主体だった。値段は280円から380円で、リーズナブルだ。
まずは小松菜と油揚げのあえ物からいくか、おっと「ハムカツ」も今のうち、頼んでおくのがいいな。
17時を過ぎると常連がやって来た。おとなしかった2人の若い女性スタッフは、ぽつぽつと彼に喋るようになったし、ママもその常連との会話を楽しんでいる。料理はうまいし、酒も悪くはなかったが、面白みに欠けるなと思っていたのは、お店の雰囲気が暗かったから。いや、もしかすると、お店の人、自分に警戒していた伏しもある。もしかして東京から越境して、わざわざ飲みに来たのかと。いや、確かに東京から来たのは確かだが、わざわざこのためだけに来た訳じゃない。会社の倉庫が東所沢にあり、自分はしっかり働いてきたんだ。訊かれもしないのに、自分から話すとますます怪しくなるだろうから、そのまま黙っていた。
「中、ください」という言葉以外は。
2杯目の「中」をオーダーすると、また常連らしき人が現れた。多分、今夜はしばしの別れを惜しむ客が大挙するのかもしれない。
黄金週間と書いてゴールデンウィーク。けれどステイホームで、しかもお店で飲酒出来ない大型連休って、果たしてゴールデンウィークと呼べるのか。
頭上のテレビで放映されている夕方のニュースに、神奈川県の知事が映り、こう言っている。
「我慢のウィーク」。
さて、これがしばしの飲み納めか。
和歌山でも、コロナの新規感染者が増えていますね。大阪も東京と同様、緊急事態により、隣県に行って楽しむという行動が見られるのですね。
わたしは法事で、一度だけ千葉県に越境しましたが、あとは隣町に行ったくらいで、ほぼ巣篭もりでしたよ。