一風呂浴びて、ハリーポッターの方に行ってみた。心なしか、人通りが多くなっている。外国人観光客もちらほら。入口はどこかと探していると裏門みたいなゲートに出た。係の人に尋ねると、やはり正門ではないという。正門の方へ向かおうとした時、視界に「◯◯飯店」の文字が見えた。その店。全然中華料理屋には見えない。そもそもお店っぽくないのだ。少なくとも町中華の装いではない。
その店、「与太楼飯店」という。
小腹も空いたし、どれ入ってみるか。
時刻は13時10分。昼の時間は過ぎたが、通常の飲食店なら、まだお昼の余韻を引きずっているものだが、「与太楼飯店」の店内にお客は皆無だった。お客がいない店に一人でいるとき、誰もが不安になると思う。
「この店は大丈夫か」と。
お店は古く、店奥に剥製が幾つか飾られている。テレビは大谷さんの試合を映していた。
かなりご高齢のお父さんがオーダーをとりにきた。
「炒飯」とビールを告げた。
すると、客席から男性が立ち上がり、厨房に消えていった。なんだ、客席に人がいたのか。
厨房から中華鍋をガコガコする音がしたが、ものの数分で「炒飯」とビールが出てきた。
あぁ、うまそうだ。
「炒飯」はしっとり系でもパラパラ系でもなくちょうど中庸。ご飯は硬めだから、自分好み。塩気も程よく、これはうまい。これはおやっさんのベテランの味。
こんなにうまいのに不思議なのは他にお客がいないこと。確かに、店内は若干くたびれている。椅子は壊れていて、テープで補修している。やはり、これは確かにマイナス要素だ。うちの息子なら、「無理」というだろう。
ハリーポッターが目的で来た若者が、「与太楼飯店」の暖簾をくぐるかは疑問である。だけど、この「炒飯」が示すように、きっと他の料理もおおいに期待できるだろう。しかし、オーダー係のお父さんも厨房のお父さんもかなり高齢で、心配だ。この「炒飯」の灯火を決してはいけない。
ネット情報ではこのお二人がご兄弟との情報もある。
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