昼のアキバを歩いていて、発見した店。
秋葉原駅南のガード下。西に行けば電気街。その緩衝地帯にある店である。
しかし、立ち飲み不毛のアキバに、立って飲める店は確実に増えてきたと思う。
「アキバの酒場」、「万世橋酒場」、「百飲」、万世橋の南詰にある小さな店(店の名前を知らない)、最近では万世橋駅のmAAchに常陸野ブルーイング・ラボがオープンした。
そして、この「串吟」である。
立ち飲みを標榜しながら、座り飲みという店が多くなってきた昨今、半信半疑でこの店にうかがうと、正真正銘の立ち飲みであることに少しホッとした。
焼き鳥と串揚げという串ものの店である。
串もの系の立ち飲みはその多くが大衆型である。だが、同店は地鶏を扱っており、匠型に分類できよう。
店のお兄さんは皆さん若く、気合いの入った仕事をしている。
ここでは「角ハイボール」がメインドリンクなのだろう。店外の看板や店内でもハイボールを強く訴求している。+190円で「メガハイボール」が飲めるようだ。
サントリーということは、恐らく生ビールもモルツ系だろう。小欄で再三にわたって書いているが、鶏にモルツは合わないのである。ホップが強すぎるのだ。
だから、ボクは「ホッピーセット白」を頼む。ホッピーセット390円はかなり良心的値段といえる。
酒肴のメインメニューは「信玄どり」。
信玄どりとは、やはり武田信玄からきているのだろうか。
まずは「ねぎま」(160円)「ササミ」(180円)をオーダー。160円と180円はいい値段である。ただ注文は1本からOK。
さらに「信玄どり手羽先唐揚げ」(180円)を2個オーダーした。
「ササミ」には「わさび「ゆず胡椒」「梅しそ」「明太子」の味つけを選ぶことが出来る。これはいろいろチョイスできて嬉しい。
焼き台は炭火。兄さんの手際よく焼く手つきはこだわりの意志を持っているようにうかがえる。
塩をかけていく姿は武道の型のようでもある。
じっくり焼かれた「ねぎま」が皿で出てきた。
ポーションはやや小さい。これで160円かと少し恨みをいいたくなる。だが、口にしてみると、弾力のある、噛めば噛むほどに肉汁が広がることに感動を覚える。
まさに風林火山!
これはうまい。やっぱり、「プレモル」(多分)にしなくて良かったと心から思う。せっかくの肉の味が香りが強いホップで台無しになるからだ。
「手羽先」も良かった。やはり弾力のある肉で身が締まっている。
塩加減もちょうどいい。
ホッピーナカは190円。
これは若干高いか。だが、値段から推測すると、もしかしてキンミヤかもしれない。
串ものを平らげて、さて次は何にしようかと考えたときに気が付いた。
なんか、ワクワクしてこないのだ。
次は何を食べようかというあの嬉しさがこみ上げる気持ちがわいてこない。
何でだろう。
多分、酒場と一体になれていないんだろうな。
酒場にある独特のリズム感が、ここにはないんだろうな。
ボクはそう感じた。
焼き物は確かにおいしい。でも、あえて生意気なことを言わせてもらうと、「どう、おいしいだろ?」というなんとなく押し付けられているような空気が厨房の向こうから感じる。
態度がいいとか悪いとかっていう意味ではない。
酒場全体でグルーブするようなリズムが酒場の雰囲気を盛り上げていくと思うのだ。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます