雲の上には宇宙(そら)

 雪国越後にて、30年ぶりに天体写真に再チャレンジ!

さんかく じゃなくて ◎ だった M33銀河

2015年11月07日 | 天体写真(系外銀河)
前日4日夜の検証結果を受けて、翌日は睡眠時間2時間ほどで
再々度(もう何度目?)時間をかけて光軸調整をやり直しました。
( その光軸調整の内容については、記事の最後に載せておきました。)

その成果は、5日夜 移動性高気圧の通過の星空で確認する事ができました。
この夜はトラブル皆無で、初対象を含めて4タイトルも撮る事ができました。
その2タイトル目に撮ったさんかく座のM33銀河からお見せします。

M33  (さんかく座)
( 画像クリックで元画像の30%まで拡大表示 ) ノートリミング
( 上が北の方向 ) 
撮影DATA: 2015/11/ 4 23:11’~ Vixen R200SS+コマコレクタPH(合成f=760mm F3.8) 露出 20分×4枚+25分×2枚
 ISO 800 Cooled 60D (気温10℃ 冷却 -9℃)  ガイド鏡GS-60S タカハシ EM-200 Temma2M PHD2 ステライメージ7

銀河部分の50%トリミング画像です。
もうほとんど完璧に近い星像なのですが、元画像を見るとまだわずかな横ブレがあります。
今回の調整で斜鏡の位置は接眼筒中心より3.5mm主鏡側としたのですが、
R200SSの基本設計のオフセット値4mmが正解なのかも知れません。
( 製造や組み立て段階の誤差を想定して遠回りしてきたのですが・・)

今回の画像はガイドも完璧で、ほぼR200SSの性能限界に近づいたように思えます。
前のEM-200USDではモーター制御が旧世代で不安定だったことから、RAがDecの数倍振れていました。

M33銀河内にある巨大散光星雲NGC604付近のトリミング画像で、これまでの画像と比較してみます。

2012/9/17am
( 画像クリックで全体画像の20%表示 )
R200SS+コマコレクタ3 10分×8 ISO1600 Cooled60D
当時はガイドの流れが小さければ大成功と評価していました。

2015/9/12am
( 画像クリックで全体画像の20%表示 )
R200SS+コレクタPH 20分×4 ISO800 Cooled60D
高性能のコレクターPHに替えたのですが、星像のブレで つい先日まで思った成果がでませんでした。

そして、今回撮った画像です。
2015/11/ 4am
( 画像クリックで等倍表示 )
R200SS+コレクタPH 20分×4+25分×2 ISO800 Cooled60D
縮小した画像では違いがわかりませんが、光軸調整の成果わかってもらえますでしょうか?

撮影中のおりおんショットです
一晩中雲が出ない事が約束されている夜は年に数回しかありません。

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今日は「星のふるさと館」の文化祭の初日という事で
山の上まで出かけてきました。
去年 初日に行ったらまだ飾り付けの最中だったので、
お手伝いができたらと思ったのですが、ほぼ終わってました。
その分、初めて合った方ともたっぷりお話しさせていただきました。
(なにを出品したのかなどは、後日ブログにて)

雲上くもがみ
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撮影に先立っておこなった光軸調整について
( 興味のある方だけご覧ください )

前日のアンドロメダ銀河の検証結果では、斜鏡の位置が後ろ(主鏡側)過ぎると判断しました。
前回の光軸調整

そこで これまでの画像を検証して見たところ、3~3.5mmくらいで
比較的良好な画像が得られている事がわかりました。
そこで中間の3.25mmを目指したのですが、何度やっても微妙なところでショート・オーバーの繰り返し。
結局、レーザーコリメーターの光点を主鏡のセンターマークに合わせる斜鏡の傾き調整が終わったところで
3.5mmだったのでここで手を打って、主鏡の傾き調整に移りました。
ところで、何ミリ離れているかって、どうやって出していると思います?

以下は斜鏡の中心を出すのに、コンパクトデジカメを使ってひどい目にあった私が考えた方法です。
そういいながら、「写真は奥ほど小さく写る」という事を肝に銘じて
コンパクトデジカメで撮った写真を使っています。

今回 求めたいのは「接眼筒の中心」と「斜鏡のセンターマーク」の間隔です。
* 写り込んだ接眼筒枠は真円のはずなので、ドローソフトなどを使って中心を出します。

イメージソフトがあれば、画素の座標位置から相対的な画素の間隔は出す事ができます。
次に実寸を出すには写真の中の基礎となる寸法が必要です。
そこで
基礎となる寸法 = 斜鏡の短径 70mm(R200SSの場合)
を使う事にしました。

ここで問題が発生しました。
斜鏡の短径とは楕円の鏡の中心を通って短い方向の長さ
つまり上の図のB1~B2になるのですが、それより手前で短いはずのA1~A2の方が長く写っています。
ここで「写真は奥ほど小さく写る」という事を思い出すと、
接眼筒中心から見れば、右側に行くほど縮んでいる事が想定できます。
つまりそのままB1~B2を70mmと想定すると誤差が生じると考えました。
難しい微分積分とかはご免なので、A1~A2B1~B2の中間の値を採用しました。
当たらずとも遠からず」 の雲上流の発想です。

以上の思い切りができれば
その中間のY座標の差(画素数)が70mmに相当するのですから、
次に、(斜鏡のセンターマークのX座標)-(接眼筒の中心のX座標) の画素数がわかれば
比例案分で 「接眼筒の中心」と「斜鏡のセンターマーク」の間隔の実寸が算出できます。

例によって、思い込みによる誤解や、難しく考え過ぎがあるかも知れません。
気づいた点などありましたら、ご指摘いただけたら幸いです。

今 気が付いたのですが、オフセット値など気に留めずに検証により最適な位置を決めるなら
実寸がわからなくても、接眼筒中心からの画素数だけでも光軸を再現する事はできますね。
コメント (12)
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