中小事業主やその家族も、労働保険事務組合に事務委託することによって労災保険に特別加入することができる。しかし、特別加入しているからと言って、仕事中の傷病すべてについて補償されるものではないので、注意しておきたい。
特別加入制度は、“業務の実態が労働者に準ずるもの”として労働者と同様の保護を与えようというのが趣旨であるから、“経営者”としての業務を遂行している間については対象外となってしまう。
具体的には、株主総会・取締役会への出席、業界団体の活動への参加等が、これに該当する。これら経営者としての活動中の事故は、労災保険が使えない。
また、労働者と同様の業務をしていた際の事故であっても、その事業における所定労働時間外や所定休日においては、業務遂行性が認められにくい。(むしろ「原則として認められない」と認識しておくべきかも知れない。)
時間外や休日に被災した場合は、“経営者としての業務”でなく“労働者に準じた業務”に従事していた旨(例えば「被災した時に他の労働者も同様の作業をしていた」など)を事細かに説明しなければならなくなる。事業主の業務内容や就労時間は当人自身が決めることができるため、こうした一定の線引きがなされているのも仕方が無いことだろう。
このようなことも予め承知したうえで、必要に応じて特別加入制度を上手に利用したい。
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