読書熱

2007年04月08日 | 小説

また、捜し物をして日が暮れ行く。
とはいえ、最近はあきらめも早くなったが…
結局、いつかはひょんな所から出没するはず。
探している間は決して見つからない。

各界の名士が「岩波文庫私の3冊」についてそれぞれ寄せた感想をラジオで聞いた。
その中で、九鬼周造の「いきの構造」をあげている方々が、今回も多かったらしい。
それを聞いて、背伸びをしていた大学生の頃に、この「いきの構造」を買った記憶があった。
日本人のもつ独特の美学、美意識を「いき(粋)」と称して、そしてわたしは日常的に「あら!それって粋ね」などと軽く口にしていた。
けれどわたしは結局、本の中身の半分も理解できなかった記憶がある。
番組を聴いた後で、あれから何年も経ち、今の私の年齢なら理解できるのではないかしらと、家中その本を探すのだけれど、またも何故かみつからない。

家の中には、本や雑誌が溢れかえってている。
夫は読書をするという習慣を持たないので、全部私の本だ。
おまけにKの置いていった本も負けず劣らず、部屋に溢れている。
リフォームをする時は、書棚を研究しようと思っているけれど、ラフスケッチを描いただけで何だか気乗りがしなくなった。
自分の家のこととなると、本当に切羽詰らないと考える気が起きない。

仕事をしている頃に、クライエントの家を訪ねたときに、わたしが必ずチェックするのがその家の本棚だった。
書棚とよべる物を持つ家は、少なかった。
クライエントと話をする前に、読書傾向で人となりや趣味がわかり、話の糸口がつかめたものだった。
今は某大学教授になっている人は、さすが自分で本の収納の仕方とサイズを綿密に図面に表してきた人もいた。
しかし、小さな本棚はあっても、ほとんど無きに等しい家の方が多いのだ。
友人の家を初めて訪問する時も、チェックするのは本棚。

因みにこの1週間に買った本、雑誌。

「TITLE」
わたしがデザインの勉強を始めた時は北欧デザインがぼちぼち出てきた頃だった。
某企業に入って2ヶ月目で、1ヶ月休暇を強引に貰って北欧に行った。
帰ったときに席がないかと思っていたが、ちゃんと残っていた。
それ以降、北欧のデザインときくと、つい買ってしまう。

「男の隠れ家」
結構、この雑誌独自の企画が好きですが、ジェンダーの時代、男の隠れ家っていうのも、何だか女性の読者を逃しているような気もしないではない。
しかし、わたし博物館や美術館、超好きです。
この企画も、つい食指が動く。
お~っと思ったのは、ウィーンに行った時に、尋ね尋ね探して行ったウィーン犯罪博物館が出ていたこと。

「ロング・グッドバイ」

中学生の頃にミステリーに夢中になったことがあった。
学校の図書館で、片っ端から読んだ。
中条省平が書評の中で、、、、村上春樹はこの作品に未来の自分を見ていたのかもしれない
読み出して、その理由が理解できる。
これは、中学生の頃に読んだけれど、その当時の強烈な感想が今も残っている。
今度は村上春樹の訳だ。
買わない訳が無い。
そして、文章修行にもなりうるのだ。、
昔、小説を書きたくて都内のカルチャーセンターを巡った事があった。
その中で、ある講師が読むべき作品として、このレイモンド・チャンドラーを挙げていた。
中条が、現代の叙事詩とも言うべき名作と押している、このハードボイルドな作品。
今はどっぷりと浸かっている。

書評で評判の良かった「ジャズの歴史」
この際、ちゃんと頭の中に入れておこうと思った

そして、今年の春のファッションは~と女性ファッション誌。1冊。

こうして、我が家は本に埋もれていくのだった。
コメント (2)
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