秋はARTで

2008年11月11日 | art
          

レッスンの後に、上野に出た。
ウィークデーだというのに上野公園口は人の波、波。

芸術の秋だから?

人波をみれば、フェルメール展と大琳派展の図録を持つ人ばかり。
以前に近代美術館での「RIMPA」にはいたく感動したけれど、琳派好きの私がもう一度観たいと願っている作品は無いし…。
フェルメールの混雑状況は4,50分待ちだし。

そんなことを書き始めていたら、最近は感動という感情からいたく離れているのに気がついた。
感性が鈍ったのか、麻痺してきたのか。
机の前には今秋の美術展をメモして貼ってあるけれど、どれもいまのところ食指が動かない。

そんな訳で、今回は人の少なそうな西洋美術館へ行くことにした。

デンマークの画家「ヴィルヘルム・ハンマースホイ展」へ。

日本では、今回始めての回顧展だとか。
パリ、ロンドン、ニューヨークそして日本へと、欧州では没後急速に人気がでてきた画家らしいけれど、私はこの画家は知らなかった。
確かにあの女性の後姿のポスターは気にはなっていたが。
しかし、鑑賞しながら人の後姿ばかりを描いていた好きな画家の1人のフリードリッヒを思い出した。
どうやら、彼の影響も受けているらしい。
硬質な絵画、それが第一印象だった。
室内を流れる空気のかすかなざわめきも聞こえず、黒いドレスを着た女性が室内に閉じ込められ、観ているとだんだん息苦しくなった。
絵の紹介文の中に何度か出てきた言葉がメランコリーだし、少々でも鬱っぽい方にはお勧めできない。

まだ学生の頃に、雑誌に掲載されていた1枚の絵に感動して、銀座の画廊まで観に行ったことを思い出した。
パリで学び、そこを土台として日本人の画家が描くところの、それまで知らなかった絵画の色の鮮やかさに圧倒されたのだ。
その画家の名前を検索しても全然ヒットしないので、随分前に亡くなったのかもしれない。

もう一度あの色に逢いたいと、美術館を出てからつくづく思った。
コメント (8)
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