死に逝く動物

2009年02月10日 | movie
映画「エレジー」をMOVIXに観に出かけた。
こういうミニシアター系映画は、すぐ終わってしまうのだ。

案の定、ぼやぼやしていたら、1日に1回の上映になっていた。
今月は「007」も観たので映画は2本目。
ポイントも溜まっていて、故にチケットもフリー。
映画は観出すとどういう訳か回を重ねるけれど、1度トーンダウンしてしまうと何ヶ月も観ないことがあるのは何故だろう?

この映画は、私の好きな女性監督のイサベル・コイシェ。
おまけに、原作はフィリップ・ロス。
かつて書評が良かったので、原作の「ダイング・アニマル」は読んでいた。
映画を観る前に再度読もうとしたら、リフォームの時に溢れ出た本があちこちに紛れ込み、とうとう見つからない。

「ダイイング・アニマル」とは、死に逝く動物と訳すらしいが、その原題の通りに老いへの恐怖を抱えた大学教授が教え子と恋愛関係になるという、簡単に言ってしまえば何と言うことのないストーリー。
しかし、その2人のそれぞれの立場からの心理や感情の流れが、誠に人間臭く描かれ、ついつい両者に感情移入してしまうラブストーリー。

大学教授に扮したのが、ベン・キングズレー、女子大生が美しすぎるペネロペ・クルス。
「死と処女」の頃から、ベン・キングズレーの渋い演技は見逃せない好きな俳優。
ゴヤの「裸のマハ」が効果的に使われていたが、監督のイサベル・コイシェはゴヤと同じスペイン人。
サントラの選曲もなかなか良いと思ったら、イサベル・コイシェの選曲らしい。
そして彼女の次回の作品は、日本が舞台だそうだが…日本?
どんなものかしら?

映画を観ながら、今の教育現場はセクシャルハラスメントには神経質だけれど、このようなケースは大丈夫なのかしら、と余計なことを考えてしまった。
しかし、私の大学では奥さんが卒業生という教職員が多かったのを思い出した。
1年先輩も卒業後に、人気のあった講師と結婚したし…。
学内でどのように恋が芽生え、育っていったのか、当時はそんな事にまるで興味も無かった。

けれど、今頃になって遅ればせながら気になった。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする