レイトショーで、映画「ブラックスワン」を観る。
バレエに興味があるとは思えない夫だけれど、いちおう誘ったら行くというし。
バレエって好き。
ここ何年も、劇場に足を運んでいないけれど…
最後に観たのは、普門館でのボリショイの「白鳥の湖」だった。
3歳の時に、家の近所のバレエ教室に通わされた。
教室を2回変わり10年以上は習っていたけれど、身体は生まれつき硬く、柔軟性はゼロ。
子供心にも、自分がバレエなんてものに全然向いていないのは分かっていた。
映画は、これでアカデミー賞をとったナタリーポートマンのぞくぞくする渾身の演技は素晴らしく、すご~く怖かった。
途中で、ドキッと体が反応してしまうシーンが満載。
こわがりさんにはキツイ映画かも。
観ているうちに、エルフリーデ・イェリネクのノーベル賞小説の映画化「ピアニスト」を思い出した。
「ブラックスワン」も「ピアニスト」のヒロインも、母親のがんじがらめの高い要求の呪縛のなかで、完全を目指すアーティストをストイックに目指すのだが、日々心身のバランスを失っていく。
ヒロイン ニナの心の闇、母親との闇、配役を巡る女の世界の闇、様々な闇が描かれ、その闇の底知れなさが恐ろし過ぎて、観ているのが苦しくなるけれど怖さに目が離せなくなってくる。
久しぶりに昔を思い出して、よせばいいのに映画に刺激され、覚えている足のポジションをいくつかやってみたら、体の中でグキッと音がした。
体の硬さは更に進んで…。
こちらの方も、私には切実に怖い。