ブラックスワン

2011年05月19日 | movie


レイトショーで、映画「ブラックスワン」を観る。
バレエに興味があるとは思えない夫だけれど、いちおう誘ったら行くというし。

バレエって好き。
ここ何年も、劇場に足を運んでいないけれど…
最後に観たのは、普門館でのボリショイの「白鳥の湖」だった。

3歳の時に、家の近所のバレエ教室に通わされた。
教室を2回変わり10年以上は習っていたけれど、身体は生まれつき硬く、柔軟性はゼロ。
子供心にも、自分がバレエなんてものに全然向いていないのは分かっていた。


映画は、これでアカデミー賞をとったナタリーポートマンのぞくぞくする渾身の演技は素晴らしく、すご~く怖かった。
途中で、ドキッと体が反応してしまうシーンが満載。
こわがりさんにはキツイ映画かも。

観ているうちに、エルフリーデ・イェリネクのノーベル賞小説の映画化「ピアニスト」を思い出した。
「ブラックスワン」も「ピアニスト」のヒロインも、母親のがんじがらめの高い要求の呪縛のなかで、完全を目指すアーティストをストイックに目指すのだが、日々心身のバランスを失っていく。
ヒロイン ニナの心の闇、母親との闇、配役を巡る女の世界の闇、様々な闇が描かれ、その闇の底知れなさが恐ろし過ぎて、観ているのが苦しくなるけれど怖さに目が離せなくなってくる。

久しぶりに昔を思い出して、よせばいいのに映画に刺激され、覚えている足のポジションをいくつかやってみたら、体の中でグキッと音がした。
体の硬さは更に進んで…。
こちらの方も、私には切実に怖い。

 

           

 

            

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泣き続けて

2011年05月13日 | diary


5月も半ば。
そろそろ一ヶ月経ち、やっと今日から泣かなくなった模様。

といっても、家の前を行く新一年生のこと。

我が家の角が通学班の集合場所だが、毎朝毎朝大声でわぁわぁ泣いている小学生がいる。
初めは、どこかで赤ちゃんが大声で泣いているのかと思い、窓からそっと覗いてみれば
手放しで泣いているのは、ランドセルに交通安全のカバーをつけた、男子の新一年生だった。
母親らしき人が、その様子を毎日離れた場所から不安そうに見守っている。

歩道橋を前にしても、泣くばかりで上ろうとしない。
それを上級生が手を引き、無理に引っ張っていく。

母親から見れば、それはそれは切ない光景。

ところが、今日はわぁわぁの泣き声も聞こえず
見れば、男の子は泣いていなかった。

泣くことが、よく一ヶ月も続いたものだ。
他人の私もほっとして…

まぁ、6年生まで泣き続ける子はいないけれどね(笑)

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金沢から新潟へ

2011年05月07日 | diary


今年のGWは、息子も帰省し休暇をしっかり取るというので、私は秘かに家族での金沢旅行を計画していた。
金沢で学生時代を過ごした息子は、時折金沢に行きたいと言っていたし…。
しかし、長時間のドライブでは母を連れて行けないので、母を姉に託し、結局2泊3日の旅になった。

GWにこのような遠出をするのは初めて。
なので早出をしたお蔭で、昼頃には金沢に到着。
しかし、途中の富山から臨む私の好きな立山連峰の景色が、生憎の黄砂のお蔭でまるで見えず、まったくもって残念だった。
以前だったら、片道9000円近くかかった高速料金が、休日割引でナントナント1000円ポッキリ。
つまり片道、ひとり330円くらいで埼玉県から石川県に行けたという訳。
有り難いと思いながらも、これで良いのだろうかと実は複雑な心境になった。


とはいえ、金沢に着き、息子はかつて過ごした懐かしい場所にひとり向かい
私は夫と金沢21世紀美術館へ。
既にガイドブックに載っている見所はほとんど網羅しているので、今回の目的はずっと工事中のベールで隠れて見えなかった、金沢21世紀美術館と金沢駅の駅舎とその付近を見ることだった。

          

             

          

美術館の駐車場も即入庫できた。
市の中心に広いスペースを持つ、公園のような美術館…そんな印象。
企画展は有料だけれど
無料で誰でも鑑賞できるパブリックゾーンが広いのも良い。

今回は、以前スカイザバスハウスで観たことのあるイェッペ・ハインの個展『イェッペ・ハイン360°』が、開催されていた。
実は、インスタレーションには、あまり興味が湧かないのでスルー。
感心したのは、美術館特有の舞台裏を感じられなかったことだ。
多分、この美術館自体の収蔵庫は、あまり必要ではないのだろうか。
ここは、現代アートの美術館だし

                    


その後、懐かしさに浸っている息子と落ち合って、金沢の奥座敷の温泉で1泊。

          

          新 金沢駅

            

しかし、鼓を模したという、新しい金沢駅にびっくり。
この新駅舎の大胆な造形に、訪れた人にとって忘れられない駅のひとつになるかも。

 

翌日に、九谷焼の茶碗祭りがGW中に開催されていることを知り、会場は混むので九谷焼陶芸村に向かう。
ここも何度も足を運んだ懐かしい場所。
ここで買ったいくつもの九谷焼が、今も私のお気に入り。
陶芸村の店舗でも値下げになっている物が沢山あり、道具は増やさないつもりでいたのに、ついついまた買い込んでしまった。

                                    

 

そうそうゆっくりする時間も取れない急ぎ足の旅ゆえ、次は新潟に向かい海岸の温泉地でもう1泊。

          


帰路の途中に私が興味を持っていた、今クローズアップされている石川雲蝶の彫刻を訪ねるのも目的だった。
魚沼の曹洞宗 西福寺に、幕末の名匠といわれる雲蝶の大彫刻や襖絵が残されているのだ。

                 

                 天井画のある開山堂  お堂を保護している屋根がある                           

                 
3年ほど前に、駅に貼ってあった新潟のキャンペーンポスターで、初めてこの雲蝶を知った。
何と表現してよいか分からないポスターの写真の迫力に圧倒され、しばらく気になっていたのだ。
新潟出身の友人に聞いてみても知らないと言うし…
そして後に、それが西福寺開山堂の雲蝶作の透かし彫り天井「道元禅師猛虎調伏の図」だということを知った。
それ以後、雲蝶はメディアに取り上げられ、今は越後のミケランジェロと称されているらしい。

          

              写真が撮れないのでパンフレットから

私に迫力を訴えたその実際の天井を見た瞬間
これは越後のバロック!!   だと思った。

              


そして、見せるためではなく寺の僧侶に捧げた雲蝶の志がこの天井の随所に表れ、見応えのある彫刻ばかり。
惜しいかな、漆喰細工だけは伊豆の長八さんには負けたかも。
折があれば、他の雲蝶の作品も訪ねてみたい。

こうして、遊び続きの私のGWは終わりを告げた。

後には疲労感がたっぷりだけれど。

 

コメント (2)
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