![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/13/fd/8a61bfe2aa524265ffb1cc2850087df5.jpg)
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この所、恒例になりました、
朝の空の写真は・・。
水色の空と仄かに桜色に染まった
雲で、思わず息を呑む程、
美しいものでした。
昨日とは対照的な空ですね。
さて、一方我家の庭。
ここに来て満を持したように、
アメジストセージが開花。(冒頭の写真)
早春から咲いているチェリーセージ
や、かと思えば、植えた覚えのない紫色のセージなど、
まだまだ花芽を増やしているようです。
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セージは、葉っぱに独特の芳香があるのは勿論、清楚な花はひときわ心和む存在です。
プラス、金木犀の香りで、(今だけですが)さながら 『アンの世界』 の庭みたい。
~なんて。こうなりますと、単に癒やしだけでなく心、躍ります。
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ところで、文学の中では様々な香りが登場して来ますね。
その最たるものは、日本では 『源氏物語』 や 『枕草子』 ですが、以前にも記しました。
今から千年も前の時代に、香りに大きく心開いていた日本人の感性に、驚いたものです。
他にも、その “香りばなし” を少しだけ記してみたいと思います。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/14/40/8b8c70a42da770ea6be42e7c2dd01980.png)
【ヴァニラの香り】 ・・・そうして宙に漂うある不思議な香りの後を追った。 その香りは1週間このかた寝室の中をさまよっていて、 彼女の大きく開かれた目はその目に見えないものを捉えようと するのだった。 彼女はヨーロッパの香水店でも、又熱帯の森林でも、 そのような香りを嗅いだ事は1度もない。 |
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/50/da/0033e12314815b2b309d51ee6f3e87ab.png)
そして詩と言えば・・何と言いましても、フランスの詩人、ボードレールでしょう。
全編に芳香が満ち溢れている詩を数多く書いています。
そのものズバリの 「幽玄なる薫香」 がありますが、
今日は、昨夕の空の写真から 「夕暮れの諧調」 を・・。
本当は、堀口大学訳が良かったのですが、どうしても見つかりません。
確か、新潮社版の文庫本が出ていたと思うのですが・・。
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夕暮れの諧調
今こそ時は訪れた 茎の上で揺らぎながら
花々は香炉のように匂いを放ち
音と薫りは夕暮れの大気の中を舞い巡る
愁いを帯びた円舞曲 気だるいようなこの眩暈!
花々は香炉のように匂いを放ち
ヴィオロンは苦しみ悩む心のようにおののいて
愁いを帯びた円舞曲 気だるいようなこの眩暈!
空は悲しく美しく さながら大きな祭壇のよう
ヴィオロンは苦しみ悩む心のようにおののいて
優しい心は果てしない暗い夜の虚無を憎む!
空は悲しく美しく さながら大きな祭壇のよう
太陽は自らの凝る血潮の中に溺れた
優しい心は果てしない暗い夜の虚無を憎む
そして煌めく過去の名残りを全て拾い集めるのだ!
太陽は自らの凝る血潮の中に溺れて・・・・・
あなたの思い出はわが胸に聖体盒のように光り輝く!
【ボードレール ╱ 村上菊一郎訳】
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3f/bb/57212c3021a4b619b5289c1e7ae8e541.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/09/6b/3d78fef91df3447b895dce6435e2b850.jpg)