【いくつになってもアン気分】

 大好きなアンのように瑞々しい感性を持ち、心豊かな毎日を送れたら・・。
そんな願いを込めて日々の暮らしを綴ります。

春は詩人の季節

2010-03-27 17:20:57 | レトロ(素敵)な空間~散策




     本当に久し振り、
    何もない空で明けました。快晴。

     それにしても今朝の寒かったこと!
    起床時の気温は11.5度。
    まさに真冬並みの気温です。

     そのせいもあって昨夜のお月様は、
    白く冴え渡っていました。
  
     透明感もあり、それはそれは、
    美しいものでした。(満月は30日)

     ただ気温は真冬でも、
    今日の日射しは明らかに春のもの。
    光が目に眩しいです。

     「何ていいお天気でしょう
    ・・・・・私達にあつらえ向きじゃないの。
    でも、気まぐれ日和じゃないかしら・・・・・明日は雨になるわよ」
    と、ダイアナが言った。

   「・・・略・・・西風が吹いているわ。
  西風が吹くとあたしはいつも冒険的な気分になるの。
  あたしたちは申し分のない ぶらぶら歩き が出来るわ」

                                       【「炉辺荘のアン」 第2章】


   
     こんな アン の声に触発された訳ではありませんが、
    私もそこら辺をぶらぶら歩き。

   おまけに今日は、偶然にも西風が吹いています。
  尤も、そこら辺・・のつもりが随分、遠くまで行ってしまいましたけれど。

   一つには桜。わが町の桜は、まだまだ。
  どうかすれば、まだ開花していないようにさえ見えます。

   でも、ちょっとだけ足を延ばしてみました。
  そこでは1本だけ開花していました。
  それでも、三分咲きと言った所でしょうか・・。

   「世の中にたえて桜のなかりせば
         春の心はのどけからまし」
 ~在原業平(ありわらのなりひら)

   【どうして桜の咲く季節があるのだろう。
  咲いたと思えばすぐに散る。何ともこの季節は無常である事だ。
  いっその事、春に桜の花など咲かなければ無常を感じる事もないのに。】

   わが国で最も早い時期に桜に着目し、
  「もののあはれ」(人生の機敏や儚さなどに触れた時に感じる、
  しみじみとした情緒)を感じた歌人、在原業平。
  しかしながら、この句には次のような返句があります。

   「散ればこそいとど桜はめでたけれ
       憂き世になにか久しかるべき」
 ~惟喬親王(これたかみこ)

   【そう嘆くものではありません。
  桜の花は必ず散るからこそ咲いている間が貴重なのです。
  人も必ず死にます。死ぬと分かっているから無常を感じるのでしょう。
  ならば生きている(咲いている)この時を大いに楽しみましょう。】

   それにしても深いですね。たった31文字の文学です。
  今から千年以上も前なのですから驚きますね。
   
   こんな歌を紐解くのは、いつも桜の季節のような気がします。
  春は、人々を詩人にするのですね。