本当に久し振り、
何もない空で明けました。快晴。
それにしても今朝の寒かったこと!
起床時の気温は11.5度。
まさに真冬並みの気温です。
そのせいもあって昨夜のお月様は、
白く冴え渡っていました。
透明感もあり、それはそれは、
美しいものでした。(満月は30日)
ただ気温は真冬でも、
今日の日射しは明らかに春のもの。
光が目に眩しいです。
「何ていいお天気でしょう
・・・・・私達にあつらえ向きじゃないの。
でも、気まぐれ日和じゃないかしら・・・・・明日は雨になるわよ」
と、ダイアナが言った。
「・・・略・・・西風が吹いているわ。
西風が吹くとあたしはいつも冒険的な気分になるの。
あたしたちは申し分のない ぶらぶら歩き が出来るわ」
【「炉辺荘のアン」 第2章】
こんな アン の声に触発された訳ではありませんが、
私もそこら辺をぶらぶら歩き。
おまけに今日は、偶然にも西風が吹いています。
尤も、そこら辺・・のつもりが随分、遠くまで行ってしまいましたけれど。
一つには桜。わが町の桜は、まだまだ。
どうかすれば、まだ開花していないようにさえ見えます。
でも、ちょっとだけ足を延ばしてみました。
そこでは1本だけ開花していました。
それでも、三分咲きと言った所でしょうか・・。
「世の中にたえて桜のなかりせば
春の心はのどけからまし」 ~在原業平(ありわらのなりひら)
【どうして桜の咲く季節があるのだろう。
咲いたと思えばすぐに散る。何ともこの季節は無常である事だ。
いっその事、春に桜の花など咲かなければ無常を感じる事もないのに。】
わが国で最も早い時期に桜に着目し、
「もののあはれ」(人生の機敏や儚さなどに触れた時に感じる、
しみじみとした情緒)を感じた歌人、在原業平。
しかしながら、この句には次のような返句があります。
「散ればこそいとど桜はめでたけれ
憂き世になにか久しかるべき」 ~惟喬親王(これたかみこ)
【そう嘆くものではありません。
桜の花は必ず散るからこそ咲いている間が貴重なのです。
人も必ず死にます。死ぬと分かっているから無常を感じるのでしょう。
ならば生きている(咲いている)この時を大いに楽しみましょう。】
それにしても深いですね。たった31文字の文学です。
今から千年以上も前なのですから驚きますね。
こんな歌を紐解くのは、いつも桜の季節のような気がします。
春は、人々を詩人にするのですね。