声の仕事とスローライフ

ただ今、仕事と趣味との半スローライフ実践中。遠方の知人友人への近況報告と、忘れっぽい自分のためのWeb忘備録です。

5 FLIGHTS UP

2017-12-30 19:17:07 | 映画・ドラマ
日本語で訳すと『5階上』という意味の原題は素っ気ないし、

邦題の『ニューヨーク眺めのいい部屋売ります』

も、イマイチパッとしない印象だけど、

内容は奥深く

モーガン・フリーマンとダイアン・キートンがとても自然に初老の夫婦役を演じている。


住処であるアパートにはエレベーターがなく、毎日の犬の散歩も、そろそろ危うくなってきたと感じている頃、

犬が突然、歩けなくなる。

子供のいない夫婦は、
我が子同然の雌犬を動物病院に預け、手術をさせ回復を願いつつ、

その間に今のアパートを売って、別のエレベーター付きのアパートを探す…

という話だが、

彼らの周辺で起こる“テロ事件”モドキによって不動産価格は影響を受ける、

というのも見どころの1つ。


…で、

観終わった後で、自分たちの現状を考えてみれば、

NYのような大都市と違って事件らしいものはないけれど、


これは映画の中の作り事でも、他人事でもなく

今は、飼っていないけれど
かつて犬のために引っ越した経験がある自分たちにとっても

近い将来、間違いなく同じような思いをすることがあるかもしれない…

と、

いずれ住み替えが必要になるかもしれない10年後について、考えさせてくれる。


映画の中では、

築40年以上でもNYのブルックリンのアパートを
110万ドルで売り出す話が持ち上がる。

日本なら東京の23区内の一等地に建つマンションの価格だけど

築40年では、いくら何でも110万ドルは高すぎる…

さすが、NY。

面白いのは、間に入る不動産エージェント役の
シェリル・ニクソンが

まるで、オークションのような手法で買値を釣り上げていく…。

売主は110万ドルで売りたいところだが、
買主は96万ドルで買いたいとのオファーがある。

見学会に来る買い手も、ひやかしから本気まで様々で、

その中の1人、大人の愚かさを全て見抜いているかのような利発な少女とモーガン・フリーマンとの会話が心和ませる。


単にタイトルのような不動産のドタバタ劇ではなく、

黒人と白人の初老夫婦が歩んできた道のりが
回想のシーンとして、時折、タイミングよくインサートされ

画家の卵とモデルの関係が恋愛に発展し、
親の反対を無視しての結婚から現在に至るまでの過程をも描いていて、

引き込まれていく…。


改めて、“住み替え”の理由を考えるきっかけになる映画…。

なので、☆4つ。😊




しみずゆみ













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