声の仕事とスローライフ

ただ今、仕事と趣味との半スローライフ実践中。遠方の知人友人への近況報告と、忘れっぽい自分のためのWeb忘備録です。

O del mio amato ben ♪

2017-12-18 22:02:50 | 音楽
買い物中にインストのBGMで流れてきた曲に

(あれ?何処かで聞いた曲だな…)

と思ったとき、
突然蘇ってきたのは、若かりし日の“失敗”だった…。😓



そもそも失敗の原因の1つは、
私の“ある勘違い”からだった。


高校時代に合唱コンクールで泊まった松江市の宿でのこと、

夕方の練習が終わって部屋に帰るために乗ろうとしたエレベーターのドアが開いたとたん、

降りてきた若者3人の真ん中に女子学生がいた。

その日は、某国大の“コンパ”が宴会場で開かれていたらしい。

女子学生は、かなり酔っているらしく、

両脇の男子学生に抱えられるようにして
なにやら呟きながら泣いていた。

すれ違うとき、

「スキよ、スキなの…」という彼女の訴えるような声が聞こえ、

その様子をそばで見た高校生の私は、

なんとも言葉では表現し難いほどのショックを受けた。

そして、普通なら

( イヤだなぁ…みっともないなぁ )

と思うところだが、

なぜか、その時は

( なるほど …愛を告白する時は、ああいう風にやればいいんだ )

と真剣に思いこんでしまったのだ。💦



その後、

音大の声楽科に進んだ私は

当時、合唱サークルの先輩だったSさんに憧れ
親しく話しをするようになったある日、

コンパの二次会でサークル仲間数人とSさんの部屋に行き、

その席で、あの松江市の宿で見た女子大生を真似てみることにした。

飲んで酔っ払ったフリをして

「Sセンパイ、スキで〜す!」と、

“愛を告白”したのだ。

今思えば、あの頃の私は、

“のだめ”とさして変わらないほど一途だった。

Sさんは、困ったような顔をして

「ごめんね、実は好きな子がいるんだ」

と…私の告白をサラリと躱した。

あっさりフラれた私は、
ショックで飲めないヤケ酒を飲んで、

当時のサークル仲間の話によれば、
ゲーゲー吐いたりして、かなりの醜態を晒したらしい…。😰


その後3ヶ月間、

私は失恋の痛手とSさんの部屋で晒した醜態への後悔から立ち直れず、

自分の部屋に引きこもり、

2年で取れる予定だった『女性合唱』の単位を
出席日数が足りないために落とし

結局、4年になって皆が就職試験を受ける時期になっても、
ひとり取り残した単位を取りにセッセと学校に通わざるを得ないハメになった。😣


その時の苦くてイタい経験から

2度と酔ったフリして告白するのは、やめよう、

それより何より、飲めない酒をムリして飲むのをやめようと誓った。



話が長くなったが、

その憧れのSさんが、学内演奏会で歌った曲が
ドナウディの

『 O del mio amato ben 』だった。

『ああ、私の愛する人の』という邦題どおり

優しい表情で歌うSさんの美しい伸びやかなテナーは

まるで “ 天からの声”のように私には思え、
感動で心が震えた。

あの時の

『O del mio amato ben』は、

どんなプロの歌手が歌うより素晴らしかった…と今でも思っている。✨




十数年前に仕事で御一緒したオペラ演出のN先生から偶然、Sさんの名前が出たときには

心臓が飛び出るほど驚いたが、

Sさんは、その後どうされただろうか…、
お元気なら良いけれど…。


きちんとお詫びもしていないのが、心残りでなりませぬ…。😔



しみずゆみ












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