気がついてみれば、
あっという間に9月末、
そろそろ返しに行かなきゃ…
5年前から始めた迦葉山への「お返し面」。
初回が9月の下旬だった事から
毎年、必ず9月中に行うというのが、我が家の行事となった。
週末は天気も崩れるらしいというので出かけるなら今日しかない…
そんな思いで、
Halを連れて、いざ迦葉山へと向かった。
毎年のことだが、
夫も私も元々よく知らないで始めたせいか
毎年、「お返し面」のやり方を忘れている…
ただ、必ず山門の近くのお面屋さんで新しい天狗のお面を買って奉納するという事だけは覚えているので
何軒があるうちの一番登り口に近いお面屋さんに立ち寄り、
去年より少しだけ大きめのお面を購入。
女性店主も何となく私たちの事を憶えてくれているらしく、やたらと愛想がいい。
しかも、とめどもなくペラペラとよく喋る…。
「名古屋から来てくれているお客さんは、一番大きなお面を買ってくれてね、お寺の寄付も毎年10万してるって言ってたわよ!」
…なのだそうだ。
すごい人もいるもんだ。
迦葉山の曲がりくねった細い一方通行の道は、整備が間に合っていないらしく
所々、のり面が崩れた危険箇所もあるので徐行しながら、慎重に登って行く…
途中で、鹿の子どもが道から崖下に降りて行くところに出くわす。
そんな光景が、ごく自然に視界に入ってくる…。
毎回、来るたびに、
どれだけの人たちが、決死の思いでこの山道を登ったことだろう…。
昔の人は偉いなぁ…と感心する。
境内に一番近い駐車場に車を止め、
Halを車に残して、大急ぎで「返し面」に行くが、
先ほど買ったお面を車に置いてきたことに気づき、
アタフタと夫が取りに引き返す間、
境内を見て回っていると、
お寺の関係者らしい男性の話し声が聞こえてきた。
改修工事中なのか、境内に大工さんらしき若者が2人…
どうやら兄弟らしい。
その若者たちと世間話をしている。
「昔、この先の◯◯村で殺人事件があってさぁ、4、5人死んだんさねぇ…」
聞き捨てならない内容に自然に耳がダンボになる…
「飯場みたいなところで、喧嘩があったらしいんだよ…4、5人も殺されたのに犯人がわからずじまいでさぁ…」
いったい何時代の話だろう...
江戸時代の末期?
それとも明治の初期か?
なんだか、横溝正史の小説に出てくるような話ではないか。
一瞬、今自分が何時代にいるのかわからなくなった…。
お天狗様の仕業かな?