ピンクのトルコ桔梗、実家に母が活けていました。
カラーに
フリージア。
世界中の花が、季節を問わず手に入ります。
同じような色、同じ大きさ、虫もつかず、病気にもなっていない。
しかも、土が凍りつく大阪で。
これが、いかにすごいことか。
多くのエネルギーをかけて、人は美を追求しています。
繊細な花びら一枚一枚、細胞の一つ一つを形づくるためには、水、光、土。土に含まれる成分の徹底した管理を行わなければなりません。
美とはなんでしょう?
水をやり、いい土や明るい光を浴びて花は、根や葉に栄養を貯め込み、花に送り込みます。
私たちが見ているのは、生命力という美しさなのです。
隙間だらけの家に住み、土間があり、土の道を直に歩いていた頃には、虫や植物が油断すると庭や家に入り込み、意識しなくても生命に囲まれている実感がありました。
道はアスファルトで覆われ、隙間のない家、虫一匹入らない部屋。
そういう環境を、作っておいてそこにわざわざと、花を持ってきて生命を楽しむおかしさ。
人はおかしな生き物なのです。
1人だと寂しくなり、誰かと寄り添う。
くっつくと、ぶつかる。
知恵を、絞らないと誰かと一緒にいることもできない。
知恵を絞らなければ、滅菌空間では人類だって生きられないから。