映画「英国王のスピーチ」は、イギリスのジョージ6世の国王就任時の物語である。
実話に基づいているが、ある程度は脚色してあるという。
たしかに、彼が吃音症だとは知らなかった。
実は、隠されていたようだ。
しかし、ドイツではヒットラーが、ソ連ではスターリンが、活躍した時代。
大英帝国の王が吃音症で、演説ができないとは一大事だ。
で、この映画、その吃音症を、一介のオーストラリア人が治してみせるのだ。
彼は、医師免許も持たず、まして、イギリス人でもない。
そんな彼を、信頼させたのは、彼が発音だけでなく、心理面での開放を心掛けたことだ。
まだ、第二王子だったころから、二人は吃音症改善に努力する。
で、この映画の素晴らしいのは、話が実にわかりやすくかつ説得力のあることだ。
そして、英国王が、実に誠実で、王にふさわしい貫録を有していることだ。
王と吃音治療師の二人の関係が、迫力をもって描かれる。
一本筋の成功物語ではなく、幾度とぶつかり合いながら、信頼していく二人。
それを演じる二人も素晴らしい。