ひろの映画見たまま

映画にワクワク

NHK山田洋次が選んだ日本映画100選 「おかあさん」を観る

2011-10-18 16:27:59 | 日本映画
1952年作品だ。初めて見る映画も又新鮮なものだ。

終戦後間もない東京の下町。まだ未舗装の道路が昔らしい。

クリーニング店を経営する亭主とその妻。

息子は、病気を患い死ぬ、亭主も患って亡くなる。

そんな悲劇の所帯で、後を切り盛りする妻が主人公の母だ。

18歳の娘と妹、それに甥っ子が一緒に住んでいる。

クリーニング店は、復員してきた父の弟子が手伝ってくれている。

やがて、娘には恋人ができる。

貧しい中、コツコツと働いて、家を切り盛りする母親像が、

実に丁寧に描かれる。

悲劇だから、悲しみはいっぱいのはずが、さらりとした演出と

皆の明るい前向きな姿勢に元気をもらう気がする。

物語は、どんどん進んで、再びの別れのラッシュだが

おかあさんは、いつも明るく、へこたれず家を守っている。

いい意味の日本の理想の母親像だ。

田中絹代の名演技にはうならされる。

表情だけで、気持ちを表すその絶妙さは、やや小柄ながら圧巻だ。

一方、淡々とした描写でありながら、人々を暖かく描く成瀬監督の筆法にも感心させられる。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする