おすすめ度 ☆☆☆★
太宰治の未完の遺作「グッド・バイ」をケラリーノ・サンドロヴィッチが独自の視点を交えたスクリューボールコメディとして「グッドバイ」のタイトルで戯曲化、演出した舞台の映画化。
舞台が土台にあるので、演劇調。
原作では、十人の女と関係のある男が主人公。映画では、三人にはしょってある。
戦後の復興期、文芸雑誌の編集長・田島周二は何人もの愛人を抱えていた。さすがにこのままではまずいと思った田島は彼女たちと別れる決心を固めるが、愛人たちを前にすると優柔不断な性格が災いし、別れを切り出すことが出来ずにいた。
困り果てた田島は、ガサツで金にがめつい担ぎ屋・キヌ子に女房を演じてくれと頼み込む。しかし、泥だらけの顔を洗ったキヌ子は誰もが振り返る美しい女性だった。
舞台と同じ役を演じた小池栄子。役回りにピッタリだが、だみ声は不自然。
後半は、占い師の予言通り、大変なことになった後、大団円となるのだが。
どたばたコメディに徹しきれなかったのが、マイナス点。
助演も含めて、役者揃いだが、その割に、生かされてない感じ。
改めて太宰の晩年を思い起こす。