おすすめ度 ☆☆☆
映画を愛する映画 ☆☆☆★
映画の修復プロジェクトに携わることになった女性映画監督が、フィルムの修復作業を通して自分の人生と向き合い、新たな一歩を踏み出す姿を描いた韓国の人間ドラマ。
主人公ジワンの設定がふるっている。既婚の女性監督、自身の作品はヒットせず、収入はほぼ皆無。亭主は勤め人だが、給料を入れてくれず、家計は火の車。息子の食事もきちんと作る暇も金もない。
昔のフィルムに欠落していた部分があることがわかる。それは、検閲でカットされた部分らしい。何がカットされたのか。
五十年前の彼女たち自身の熱量と、それに反比例するかのような生きづらさに触れてゆく。
ホン・ジェウォンの友人の女性編集者。喫茶店の老店主。取り壊し寸前の映画館の館主。当時の映画の出演者。
それにしても最近、映画や映画館についての作品を多く目にするのは、コロナ禍で映画館の苦境を目の当たりにしたことが大きかったのだろうか。閉館してから大切さに気づいた、なんてことにならないように願う。
主人公ジワン役は、「パラサイト 半地下の家族」で高台の豪邸に暮らす社長一家の家政婦を演じたイ・ジョンウン。