おすすめ度 ☆☆☆★
R18+
再開発による高層マンションやビルが並び、アジア系移民も多く暮らすなど、パリの中でも現代を象徴する13区。
洗練されたモノクロームの映像で大胆なセックスシーンを描いている。
コールセンターでオペレーターとして働く台湾系フランス人のエミリーのもとに、ルームシェアを希望するアフリカ系フランス人の高校教師カミーユが訪れる。二人は即セックスする仲になるものの、ルームメイト以上の関係になることはない。同じ頃、法律を学ぶためソルボンヌ大学に復学したノラは、年下のクラスメートに溶け込めずにいた。金髪ウィッグをかぶり、学生の企画するパーティーに参加した夜をきっかけに、元ポルノスターでカムガール(ウェブカメラを使ったセックスワーカー)の“アンバー・スウィート”本人と勘違いされ、学内中の冷やかしの対象となってしまう。大学を追われたノラは、教師を辞めて一時的に不動産会社に勤めるカミーユの同僚となり、魅惑的な3人の女性と1人の男性の物語がつながっていく。
ストーリーは自在に変化し、人物は交錯する。ぶつかり合うドラマツルギーではなく、オフビート感覚で、どこか調子を外していく。パリの文化を支えてきた生粋のフランス人ではなく、台湾系、アフリカ系のパリのたたずまいを新しい空気とともに写し撮った佳作。