おすすめ度 ☆☆☆★
芥川賞作家・今村夏子が2010年に発表したデビュー小説を映画化。
広島に暮らす小学5年生のあみ子(大沢一菜)は少し風変わりだが、優しいお父さんの哲郎(井浦新)と赤ちゃんがお腹にいる母親のさゆり(尾野真千子)、一緒に登下校をしてくれるお兄ちゃん(奥村天晴)らに見守られながら自由に過ごしている。しかし、あみ子のあまりにも純真な言動が、周りの人たちに影響を与え始める。
風変りな小学生あみ子が、継母の流産を契機に起こる家族の崩壊に翻弄される姿を描く。
母親の変容、兄の変容、そして、父の変容。父親はずっと優しい言葉遣いなのだが、態度の冷たさはぞっとするほどだ。お化けの音におびえたあみ子を部屋から追い出すしぐさの、モノに接するかのような冷たさ。映画で描かれた最悪の心的虐待の描写である。
一筋縄ではいかない映画。
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