日限山4丁目日記

横浜市港南区日限山4丁目は美しい町です。美しい庭・家は町を美しくし、人々を幸福にします。まちびと

住んでみると狭小住宅は不便かつ不安

2012年08月06日 | 日記
父は農家の次男で祖父の家を出て、会社員、軍人、会社員、地方公務員といろいろな職をへて人生を終えました。
いわゆる器用貧乏で住宅についてはとうとう狭小住宅から脱出することができませんでした。
土地は30坪(100㎡)で、裏に小さな庭があり、井戸がありました。
家は総二階で下は6畳一間(ひとま)、3畳二間(ふたま)、上は8畳一間、3畳一間でした。
1階の3畳の台所は土間で、小さな庭に突き出した形になっていました。
家族は4人で、私は2階の8畳を使っていましたから自分の部屋としては狭いと思いませんでしたが、家と庭については狭苦しいと思いました。
隣家とは軒を接し、屋根から屋根に伝い歩くことが子供でも容易でした。
大人になったら最低50坪(165㎡)の土地に住みたいと思っていました。
50年以上前にことです。

ところが50年たった今、第1種低層住居専用地域の横浜市港南区日限山4丁目で土地は125㎡まで細分化可能というのは驚きです。
今は25㎡は駐車場に使ってしまいます。
すると125㎡の土地は貧乏であった父の土地と同じです。
つまり日本の住宅は全然改善されていません。

国土が狭小とはいえ、住宅に関する日本人の価値観は貧困すぎます。
Googleなどで「狭小住宅」というキーワードで検索し、検索上位にあがったサイトを読みますと、まるで狭小住宅がいいものであるかのように扱われています。
狭い宅地の利用ということに関心が集まっており、狭小住宅の問題点を論じたサイトはありません。

いかに狭小住宅設計がすぐれていても住んでみると狭小住宅は不便です。
入居した瞬間はいいと思ってもすぐ狭苦しさを感じるようになります。
その上実は狭小住宅は損な買い物です。
買う時は割高で、売るときは思うような値がつきません。
大草原の小さな家ならいいですが、住宅密集地の狭小住宅は、隣家に近すぎる、火事のとき延焼しやすい、町の美しさを損なう、などいろいろな問題があります。

横浜では狭小住宅がアメーバのように広がっていますが、建築会社、不動産会社、住宅会社の収益主義を感じます。
会社は町づくりや住環境についてロマンを持っていません。
若い人達に、給料があがらないでしょう、狭小住宅しか買えないでしょう、狭小でも住宅設備は最新だから不便はないですよ、などと言葉巧みに割高の狭小住宅を勧め、後で彼らが不便や不安を感じることなど何とも思っていません。

若いときは家の新しさより土地の広さを重視し、改築は後の楽しみにすると、新築狭小住宅を買うお金で広い土地が買えると思います。
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