2010年に西洗自治会の下部組織として編制された西洗火消しの会は、消火栓を使った初期消火を学び、一般住民に訓練を施すことを主目的としています。最近は、初期消火だけでなく、救出訓練も活動範囲に加えています。
日限山4丁目を三つのグループに分け、各グループをさらに道路を挟んで向かい合った家からなるブロックに分け、毎月各グループ2ブロックに訓練を施し、すべての住民が年1回は自分の近所で近所の人が集まって訓練を受けられるようになっています。この訓練では、消火栓からホースをつなぎ、火元に放水する訓練を主としていますが、住宅街での訓練ですから水は出しません。消火栓の元栓をしめ、消火栓をあけても水が出ないようにして訓練を行っています。この訓練には消防署は立ちあいません。
実際に水を出して行う訓練は、全住民を対象にして年2回行っています。1回は西洗公園広場で、もう1回は日限山中学校の南側道路で行っています。この道路の両側は住宅がないし、また人がいないことが確認できるので訓練場にしています。水を出す訓練には消防署が立ちあってくれますが、住民訓練は火消しの会が行っています。
今日は、住宅街の中での訓練が8時から1時間あり、ちょうど私が所属するブロックが訓練対象でしたので参加しました。私達のブロックの訓練には、火消しの会会員は、7名いたが、第一世代は大幅に減り、第二世代の若い人が主力になっていました。総指揮は第一世代のベテランがやっていたが、残りはほとんど第二世代でした。訓練を受けた11名の住民には、会員が頼もしく見えました。実際、会員は、日常茶飯事のようにホースを展開できるので感心します。住民はまじめに彼らの指導を受けました。
火消しの会の活動は若い人にとって何か血が騒ぐような魅力があるようで、特に若い男性がよく入会してくれます。自分の家の防災になるし、自分の運動になるし、町や町の人々のためになります。何か力を感じることができるのでしょう。成就感を感じるのでしょう。
第一世代が長年築いた火消しの会の伝統が、第二世代に引き継がれたようで嬉しい限りです。今では火消しの会は、町の青年会のようであり、町のボランティア活動の中核になっています。
ちょうど散歩で通りかかった日限山1丁目の男性の親子(第一世代・第二世代)がしばし立ち止まって私達の訓練を見て、また、今日、別の場所でも訓練が行われていることを知って4丁目の町の活気に感心していました。
(注)消火栓のホースの接続口の直径は65mmです。直径65mmのホースは一般住民には扱いがむずかしいと思います。西洗自治会は媒介金具を使って直径50mmのホースを使えるようにしています。50mmでも一般住民にはむずかしいとの意見があります。しかし十分な水勢、水量がないと火事は消せません。実際の放水訓練で筒先を持った人が、後ろに倒れたことがありました。原因は構えが不充分だったからです。この人が筒先を離さなかったこと、周辺補助者がすぐカバーしたこと、消火栓側に伝令が飛び、すぐ消火栓をしめたことなどが幸いし、筒先が空中で踊って人に当たることがなく、負傷者はでませんでした。火事との対決です。訓練が厳しいものになることは避けられないことと思います。