ドセタキセルと言います。乳がんの化学療法によく使わているようです。私の病気である前立腺がんにも効くと言われています。増殖細胞がもつ微小管に作用して増殖を抑える効果があります。増殖細胞を選ばないで攻撃するので副作用がこわい抗がん剤です。ヨーロッパイチイの針葉に含まれる成分を原料にしています。イチイは日本にも自生しており、別名「アララギ」とも呼ばれています。抽出された成分に化学的加工を行いつくられています。反合成品です。構造は次のとおりです。一から合成はむずかしそうです。
(出所)Kegg Drug
今年は今日が最後の点滴でした。毎回血液検査を行い、特に造血機能の異常をチェックしています。来年も2回/月のペースで点滴を続けるそうです。
この抗がん剤は言ってみれば私の体に対しても毒な訳です。危険な副作用に対し迅速な対応が取れない病院は使用禁止だそうです。通院している横浜栄共済病院は体制がとれているのでしょう。担当医は、自分が非番の日も副作用がひどかったら病院に電話してほしい、対応すると言っています。
ドセタキセル自身は、二日間で代謝され、消えます。しかし、二日間の間に正常な増殖細胞も増殖が押さえられ、この副作用が累積し、数か月も続くことがあります。私は消化器官に異常が生じ、数か月点滴を中止し、体が治るのを待ったことがあります。副作用が治ったときの体調の良さは気分爽快で健康はつくづくいいと思いました。
気分爽快はひとときでした。医師の強い勧めですぐ点滴が再開されました。現在消化器官の異常は、口内炎程度で軽症ですが、体の動きの悪さには往生しています。
なお、前立腺がんの増殖は今は抑えられています。
本当は前立腺がんに特有な構造を見つけ、そこに反応してがんの増殖機能を破壊する化合物の開発が望ましいのですが、未だ開発に成功していないようです。新型コロナウイルスのワクチンはこの考えで短期にワクチンの合成に成功したと言われていますが、どうして前立腺がんでは成功しないかよくわかりません。ただし、このワクチンについては、効いている、効いていない、将来出るであろう副作用がこわいなどいっぱんの人にはわからない情報が飛び交っています。
私は抗がん剤開発のモルモットかもしれません。新年まであと5日、気持ち元気で新年を生きて迎えたいと思っています。飼育している真鯉は10尾元気です。屋外飼育、しかも加温していないので冬を無事生き残れと祈っています。
ところで12月30日、タイの友人家族が訪問してきます。私の家に来ると言っています。そこで私の家族も集って歓迎します。楽しい年末行事ができます。
友人はレンタカーで来ると言っていますので多少心配しています。今までは電車利用で私が戸塚駅に車で迎えに行っていました。今は私には車はありません。彼の家族来訪記をこのブログでご紹介できるかもしれません。彼の日本語と私の英語で、家族間、どんな会話になるでしょうか。誰も知らない新世界語が飛び交いそうです。