株に出会う

独自開発のテクニカル指標で株式市場の先行きを読む!

明日のモニタリング銘柄(11.12.07)

2007-11-10 21:55:50 | 明日のモニタリング銘柄
毎年11月中旬頃は安値をマークすることが多いのですが、今年もそのような傾向になってきております。ちなみに、日経平均は昨年は11月27日に安値の15615円をマーク。一昨年は例の郵政選挙で外人買いに勢いがつき上り調子だったためか、目立った調整はありませんでした。これは例外でしょう。

さて、明日は下落1色の雰囲気ですが、せっかくですから、筆者が使っているオシュレーターを使って、明日の展開を予測してみました。

日経先物を使います。始値はシカゴCMEに近い15250円とします。高値は15270円です。その場合に安値はどのあたりを付ければ、OSC値が8月17日の終値ベースの27%に並ぶかというシミュレーションです。

・8月17日と同じ安値になった時のOSC:29%
・15200円まで落ちた時:28%
・15100円まで落ちた時:28%
・15000円まで落ちた時:27%
・14900円まで落ちた時:26%

どうも一度は15000円割れまで行かないと決着がつかないようです。もちろん、途中で一旦切り返したりしますと、OSC値は上げてしまい、そこからの再度の下落ではわずかしか下がらずといったパターンがいくつも考えられますので、明日いきなりチョイ上げから14900円まで一気ということは考えにくいのが実情です。しかし、来週以降に多少の上げ下げはありながらも、14900円まで突入した段階では、ほどほどに落ちきった状態になっているようです。

日経平均の数字で見ると、15154円という8月7日の安値が次のターゲットとなります。その後は一気に14430円になりますので、一旦15150円の節目が突破されると後の下落ペースは加速するのではないでしょうか。ことのついでに、明日一気に14430円までの下落があったとすると、OSCは23%に落ちます。今回の調整は紆余曲折がありながらも、これまでの谷よりも深いと思いますので、OSCで23%というのもあながちありえない話ではないと思います。

従って、明日はまず15150円前後あたりでの攻防が焦点となるかと思います。それが簡単に抜ければ後は節目の15000円となりそうです。いずれにしてもトレンド転換は既に終わりました。いつ今回のサブプライム・セカンドステージインパクトの底が見えるかという点だけが残されております。

さて、明日のモニタリング銘柄ですが、寄り付きで大きくギャップダウンして始まる時は、通説では寄り底でリバウンド傾向が著しいのですが、このところは相場自体が下落基調を強めておりますので、小リバウンドに終わっているようです。この点は明日も注意。マーケットスピードをお使いの方は、金曜日の先物のMACDの1分足を参考にすると良いでしょう。10時半頃の-40ポイントまでの下落を待たないとリバウンドも小さなものになります。木曜日はちなみに大きくギャップダウンして始まりましたので、いきなり-90ポイントもの下落からは一旦ゼロ値近辺までは戻しております。

そう言う訳で、リバウンド狙いのかたは、拙速な動きは今の相場ではあまり果実は採れません。2段下げ、あるいは3段下げを待って、そこからリバウンドするタイミングを見計らう以外にはありません。もし4段下げまであるようならこれは8月17日の再来かも知れませんので、拾っては投げ、拾っては投げの「デイトレ蟻地獄」となる恐れもあります。

デイトレ蟻地獄とは筆者の咄嗟の造語です。何とか這い上がろうとするも、蟻地獄というのは出口に近づけば近づくほど、砂が下に吸い込まれるように引きずり下ろされる様を言います。安部公房の「砂の女」を読まれた方は、その有様が想像できるかと思います。

そうは言っても、何とか勝機をものにしなければなりませんので、デイトレ蟻地獄から這い上がる力が強そうな銘柄に絞っての明日のモニタリング銘柄です。個別解説は省略します。また決算日が明日のものは避けます。

テクニカル用語の簡単解説

・2150ケアネット:133K~125K
・9888UEX:1270円~1260円
・6581日立工機:1840円~1760円
・4997日本農薬:727円~700円
・4062イビデン:8500円~8000円
・5108ブリヂストン:2200円~2100円
・6277ホソカワミクロン:975円~955円
・5310東洋炭素:10500円~10000円
・8924リサ・パートナーズ:240K~220K
・6330東洋エンジニアリング:550円~520円
・5476日本高周波:220円から204円
・9681東京ドーム:590円
・4617中国塗料:1265円~1250円
・5563日本電工:900円~890円
・6779日本電波工業:5580円~5400円

以上です。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

あのフレディマックとファニーメイまでが

2007-11-10 09:36:21 | 金融全般
いやはや、一夜明けるとあの8.17の再来でした。NYダウは昨日は何とか抵抗線を上回って終わっておりましたが、今日は完全に糸が切れた状態です。12517ドルという8月の安値は上回っておりますが、これまでは週足で見るとほぼ右肩上がりの曲線上にありました。そこが破られるのかどうかが焦点ですが、今のダウの動きからすると、短期で見てもまだまだ下落がありそう(OSCはまだ42%、8月15日は29%まで落ち込んでおりました。)です。日経平均の黄金分割比率の15670円割れと言い、もうトレンド転換したと言ってもいいでしょう。

先日、サブプライムローン問題の第2段階への突入が、今回の市場の変調につながっているとのことを書きましたが、それを裏付けるようなニュースがまた1つ出ております。それは、NY州司法長官が、担保となった住宅価値の水増しの疑いで、ワシントンミューチュアルという会社と、あのフレディマックとファニーメイにも召喚状を送ったというものです。

つい先日バーナンキ議長は、高額住宅物件であるジャンボローンについて、これをフレディマックとファニーメイに買い取らせる構想を話しておりますが、こうしたことが表沙汰になると、表に出た不正には厳しいアメリカという国はそれを許さないでしょう。

このフレディマックとファニーメイまでが頓挫すれば、一体どういった影響があるのかについては、4月30日のブログと、7月26日のブログに書いた通りです。

特に4月30日の記事で紹介している、フレディマックとファニーメイが発行している「パススルー証券」に注目下さい。これはAAAの格付けですが、政府保証はもとよりありません。しかし、設立準拠法に基づき議会の様々なチェックを受けるため政府系関連企業ではありますが、多くの投資家は、民間企業であるにもかかわらず「政府保証のある企業」と見なして、米国債と同じような扱いでこの会社の債券を買っているのです。この両社は、アメリカの住宅ローン担保証券の発行残高の約半分の3兆6千億ドルを保証あるいは保有しているばかりか、パススルー証券も合わせて1兆7千億ドルほども保有しております。

このフレディマックとファニーメイの役割は、年間100兆円規模の資金の流入が必要なアメリカにとっては大きなものです。政府債と同じ扱いと(勝手に解釈し)して、内外の金融機関は有無を言わさずに買っている筈です。日本の金融機関も例外ではないでしょう。しかしながら、もし、このフレディマックとファニーメイの持つ住宅証券の住宅価値が水増しされ、結果的にパススルー証券も水増しされていたことが事実とすると、これは大変なことになります。

サブプライムローン問題の第2段階の本丸は、この両社への召喚状をきっかけとした今後の展開が鍵となりそうです。

面白いのは、アメリカという国は、放置しておくと法の裏をかくことを平気で行う国であるにもかかわらず、それが一旦「不正」あるいは「不公正」という局面に至ると、容赦ない攻撃がその不正の仕掛け人に対してなされるということです。かつてのニクソンやクリントンに対する攻撃を見ても分かります。ここが国益、国益とばかり叫んで、不正・腐敗の防止システムが弱い日本との大きな違いかと思います。

今回の問題でも、アメリカのこうした良い意味でのプロテスタンティズム的精神が、国家の経済的・金融的苦境を乗り越えてどこまで貫かれるのか、興味を持って見守りたいと思います。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする