株に出会う

独自開発のテクニカル指標で株式市場の先行きを読む!

これからの株式市場の行方は?

2009-04-18 21:17:16 | 株に出会う
改めて、2月18日に日経平均がOSC値で25%という低い値をマークしてから、先週金曜日までの値動きの流れを見てみると、4月16日のOSC45%を底にして、その前のOSCのピーク値である4月14日の51%については、先週金曜日には+2%だけ抜いております。

従って、再々の上昇局面にはあるのですが、OSCをもう一度60%台に乗せるのか、それとも40%台へと沈むのかの岐路にあるように見えます。

前者の場合は巷間でも言われているとおりに、フィボナッチ比率の38.2%戻しの9518円、つまり9500円の節目の価格にまで届く可能性があります。

何故、ここまで世界の株価が戻したのかですが、これは2つの側面から眺めると分かりやすいようです。

1つは、いわゆるVIX指数、ボラティリティインデックスの動きです。今の水準は、昨年9月以降に例がないほど上昇してから、じわじわと下落をし、昨年初頭あるいは昨年3月頃の水準まで降りてきております。まだ「平時」でのピーク値あたりまでの下降度合いですが、この市場心理の変化がまず一番大きいと思います。

2つ目は、世界中の中央銀行が昨秋以降に行ってきた大量の資金供給の結果としての、マネーの行き先が、実物資産としての資源と株式へと流れ込んでいることです。

これは、この大量のマネーの供給の後のいわゆる出口戦略として、仮に近い将来に景気の底打ちがあったとしても、それらのマネーを首尾良く中央銀行へと環流させることが、かなり難しいのではないかとの認識が市場にあるために、その結果として生じるインフレあるいはそれ以上の物価上昇への対処を先手を取って行っておこうという動きが、今回の商品市場へのマネーの流入と、資源関連株式を狙い目とした株式市場へのマネーの流入を加速させたのではないかと言うことです。

こうして株式市場には先を見て資金が流入しますので、今期の日経平均のPERが200倍を越えていても、中間期や来期を睨んでの資金流入ですので、一向に問題視はされません。いわば、需給問題がすべてを乗り越えるのです。

19日追記:今回の戻しはPERを無視しているのではなく、PBRの異常な低下への揺り戻しの側面が大きいと思います。

ちょうど、昨年7月に原油が147ドルのピークを付けた時がありましたが、その時は原油とドルとの連関だけで動きましたが、今回は世界経済がここまで冷え込んでいる以上、資源の中核たる原油は、もうしばらく低位な価格レベルに押さえ込んでおき、景気回復を下支えさせたいとの思惑があるのではないでしょうか。それに、ロシアやベネズエラの特に政治面における台頭を押さえ込む狙いもあると思います。

ゴールドは少なくとも、物価水準がここまでデフレ傾向にある以上、次の段階の金融危機でも明らかにならない限り、まだインフレ先行期待で上げる訳にはいきません。また、中央銀行がここまで貨幣を大量供給しているのとパラレルに、ゴールド価格が鰻登りになることは、貨幣の信認(ひいては、国家への信認)を世界の人々に失わせないためにも避けねばならないようですね。

こうした流れは、今になってこそはっきりと誰の目にも認識されるようになってきましたが、特にヘッジファンドなど、世界の株式市場で空売りを仕掛けて来たグループが、その株式市場の意外な展開にやむを得ず買い戻し&再度の空売りの繰り返しを余儀なくされている形跡もありそうです。

そうなると、来週の各国での企業決算の結果は、どちらに転んでも株式市場は折り込み済みとなり、そうそう相場の波乱要因とはならないのではないかと思います。この中期的な流れを変えるには相当のインパクトが決算そのものに要請されますが、一旦、半分まで落ち込んだ企業業績が、更に半分に落ち込むような状況までには至っておりません。

1つだけあるとすれば、例のGM・クライスラー問題です。調整型破綻で果たしてうまく軟着陸出来るのかどうかですね。

昨年のリーマン・ブラザーズ破綻が、その当時の世界の金融のハブとしてのリーマンの実態と重要性を認識しきれていなかった元ポールソン財務長官による決断が、今回の危機の発端となったように、今度はGM破綻という出来事は、経済合理的には破綻処理が有効だと市場が認識していたとしても、リーマン破綻の時と同じような隘路が実は隠れているのではないかのではと思うのです。

いわば、リーマン・ブラザーズが世界の金融システムへの地雷源だったように、GMは世界の経済・政治システムへの地雷原であるかもしれません。それは、巷間いわれているような部品メーカーの連鎖破綻やGMのCDSにかかわる問題などではなく、もっと精神的・抽象的な意味合いとしてのGM破綻の影響があるのではないかと言うことです。

ここで政治システムと書いたのは、GMの医療費債務のことや、UAWとの労働コストをめぐる問題が、国家に代わって企業が担ってきた社会福祉政策に直結する問題だからです。

しかし、株式市場がもう一段の高値に上り詰めるためには、実体経済のもう少し力強い回復の証拠が必要ですが、これは今年後半にでもまずは住宅問題が終息することがはっきりと見えない限り難しそうです。

結果的には、昨年の秋からの急激な株式市場の変調が、今年の前半から後半にかけて起こるとは考えにくく、今般、G20各国が打った経済刺激策の帰趨が見えるまでは、何とか今の現状を中心にしての、一進一退の市場の動きが継続するように思います。

あと半年経って、住宅問題と今般の経済政策の成果が、どう今回の危機を修復しきれたのかの見極めを待って、次のマクロな変動の方向が見えるのではないかと見ております。

最後に、こうした危機の拡大の恐れに関しては、IMFが「大恐慌」との類似点を警告しているようです。

このIMFが指摘している問題はある程度正鵠を射たものです。IMFも最後に述べているように、今回の世界同時不況は「歴史的にも稀な」事態です。

もうそろそろ、日本のマスコミも「百年に一度の危機」という言葉は撤回して欲しいものです。百年に1度かどうかの根拠は何らありません。
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市場概況(3.17.09)

2009-04-18 07:12:01 | 市場概況
テクニカル用語の簡単解説   赤字部は場の終了後の更新

後場終盤は、昨日とは異なり意外に粘った4月17日(金)の市場概況です。

◆日経先物:8940円(+190円)、OSC45%(+4%)4月16日の41%から3枚腰発揮か?
◆日経平均:8908円(+152円)、OSC63%(+8%)4月16日の45%から3枚腰発揮か?
◆日経平均指数値倍率:112(-2)数字が減るほど上昇傾向を示します。
◆TOPIX:845.57(+14) OSC56%(+8%)4月16日の48%から3枚腰発揮か?
◆マザーズ指数:319.63(+4.55)、OSC53%(+7%)4月16日の46%から3枚腰発揮か?
◆ヘラクレス指数:497.7(+3.69)OSC60%(+3%)4月16日の57%から3枚腰発揮か?
◆ドル・円:99.21円(7銭の円高)OSC53%(+2%)4月14日の46%から円安方向へ切り返し中。更新
◆日経先物イーブニングセッション:8960円(大証終値比+20円)更新
◆シカゴ日経先物:8945円(円建て、大証終値比+5円)更新
◆NYダウ:8131ドル(+6ドル)OSC66%(+5%)4月1日の54%から二枚腰発揮中。更新

ご覧のように、昨日の市場概況では下げ基調への転換が鮮明と書きながら、今日はすべての市場に対して、3枚腰発揮か?と早速のポジション変更です。全く、筆者は筋金入りの日和見主義者ですね。

まさに日替わりでこのようにコメントが変わる、訳の分からない相場です。

昨日の裏を掻くように、後場の2時前からは綺麗に右肩上がりで値が動いております。

しかし、今のこの高値圏は、手製の筏で急流を旅しているようなものです。いつ振り落とされるのか皆さん戦々恐々。しかし、なかなかしがみついている方も多く、遂に売り方が痺れを切らして買い戻しながら、更に上流へと筏は突き進んでいるかのような趣です。

上流に行けば行くほど川の流れは速くなり、進路も狭まりますが、それでも、適当に筏から振り落としながら進めば、それらを肥やしにして、更に上流へと進むことができるようです。

まあ、未開社会のカーニバルのようなものでしょう。何か、神様へ捧げる生け贄さえ毎日用意できれば、何とか部族の全員の日々の糧が手に入るという訳。

来週は自分自身が生け贄に祭り上げられならないようにせねば。

あっ、持ち越しがわずかあります。6378木村化工機を817円で、それに見るも哀れな2602日清オイリオを406円で。

オイリオは今日は前日比ゼロ終了を期待して買ったのですが、スッテンコロリンと、最後は自らがまいた油で滑ってしまったようです。まあ、400円を割り込むまでは、今日のようなかったるい動きでしょう。こうした株にお鉢が回ってくるまで少し様子を見ます。

そうした心理を見透かすように、一旦400円を割り込んで390円あたりから爆上げするパターンがよくありますので、そこはうまく、筏を下りたりまた乗ったりしたいと思いますが、果たして、降りたにしても、この山中の急流の中、獰猛な月の輪熊もあちらこちらに見えるし、何処で待機すれば良いのか、皆目分かりませんです。はい。

-------18日朝のコメント-------

ダウは小幅高ですが、高値・安値の価格差104ドルは今年一番の小ささでした。市場心理が奇妙な小康状態に陥っております。

時価会計基準の変更で恩恵を受けたシティも市場予想を上回る決算でしたが、GEともども序盤は売り先行の展開でした。このあたりが本来なら素直に決算を好感して上げるところですが、市場の会計基準変更への良くないインパクトが表れているようです。

ともあれ、来週にバンカメその他決算が集中しますので、手仕舞い売りと、ミシガン大学消費者信頼感指数を好感した買いが拮抗した結果が、昨日のNY市場だったようですね。

原油は、こういうどちらかというと経済が悪化していない時には下には行かないようです。40-50ドルがレンジ相場ですが、年末には60ドルに達しているというベネズエラの石油相のご託宣もあります。景気がなだらなかがらも底打ちしていれば、それも大いにありかと思います。

逆に、ゴールドはこういう時は売られますね。節目の880ドルをついに割り込んで868ドルまで落ちました。

なお、ユーロが14日をピークにしてドルに対して下落を鮮明にしております。景気の底打ち感が少し出てきたアメリカと違って、まだユーロ圏の各種指標は底を見せておりません。これは、世界の金融資産に占める欧州銀行のシェアの高さから言って、欧州金融機関の損失が実はアメリカより大きいこと、住宅価格の下落がアメリカより半年遅れて発生していること、そしてEU各国間の景気対策の歩調があまり合っていないことからの市場の不安などが絡んでおります。

これからユーロの苦境が第2段階を迎えるのではないでしょうか。何しろ、ユンカー・ユーログループ議長が、わざわざ、「オーストリアはデフォルトの危機にはない」と発言しなければならないほどです。あのウィーンを抱くオーストリアがです。
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