株に出会う

独自開発のテクニカル指標で株式市場の先行きを読む!

今回の市場転換のいくつかのサイン

2009-04-24 18:42:35 | 金融全般
今回の3月10日から始まった日本市場の上昇ですが、また後付といわれそうですが、いくつかのサインが転換日を示唆しておりました。

まず最初のサインは米ドルのLIBORです。このライボーと呼ばれるロンドンの銀行間の取引金利は、昨年のリーマン・ブラザーズの破綻直後に急騰して凍り付きました。

つまり、金融市場の恐怖指数とでも言えるものです。

今回のリバウンド局面では、米ドルのLIBORが3月10日前後を境にして下落に転じております。このサイトの米ドルLIBORをクリックしてみて下さい。

1月15日頃、一旦底を打った形の米ドルLIBORは、それまでずっと上昇を続けておりました。

日経平均の反応は少し遅くなり、1月28日に高値の8171円をマークしております。しかし、そこからはLIBORの上昇に軌を一にするように下落の一途を辿ります。

2つ目のサインは、あのジム・クレーマーも信頼していると言われ、筆者も多少の自信を得たオシレーター(OSC)値です。

日経平均のOSCは、あの歴史的な下げを演じた前日の10月10日の20%という最低値がありますが、過去の事実からみても、通常は30%を割り込めば買いです。

今年は1月15日に29%を付け2日だけリバウンドしました。その後2月18日に25%という今年最低値をマークしております。しかし重要なことは、米ドルLIBORはそれでも下がらず、日経平均が2月24日に2番底を付けてもまだ下がらず、更には3月3日の3番底でもLIBORは下がらずに、結局3月10日の4番底にまで行って、初めてLIBORは下降に転じ、逆に、株式は上昇に転じております。

この4番底までの押し目は強烈でしたね。

ちなみに、本家本元の恐怖指数のVIX指数は、あまり顕著なサインは出しておりませんでした。あまりに日々の上下が激しく、どこが相場の転換点か不明なのですね。このサイトのシンボル欄に$VIXと入力してUpdateキーを押してみて下さい。なお、商品先物のCRB指数も、同じサイトで$CRBと入れるとグラフが見えますが、これも3月10日が底とは判断できるものではありません。

最後に3つ目のサインです。今回の相場上昇のきっかけの1つとなっている中国特需ですが、これはLIBORと同じサイトでハンセン指数を見ると、3月9日にピタリと底を打っているのが見えます。まあ、ナスダックもダウも同じ日に底を打っているのでこれは納得できますが、どちらが先に底を打ったのかは微妙ですね。

従って、今後の反省として、毎日の「市場概況」の記事に3ヶ月もの米ドルLIBOR(前日データ)を入れることにしました。これらはOSCは算出できませんが、底打ちがあったかどうかは金利水準そのものから判断はできます。

LIBORと日経平均のOSCの両方の要素を注意深く見れば、底打ちしたのかどうかをより的確に判断できるのではないかと、今後に期待しております。
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市場概況(4.24.09)

2009-04-24 15:33:51 | 市場概況
テクニカル用語の簡単解説  赤字部は25日朝の更新

後場も結局は円高に足を引っ張られる形で、8700円割れまで行った4月24日(金)の市場概況です。

◆日経先物:8740円(-90円)、OSC50%(-1%)4月16日の41%に収斂するのか? 指数値倍率:114(-2)
◆日経平均:8708円(-139円)、OSC47%(-3%)4月22日の45%からの切り返し線上には踏みとどまる。
◆日経平均指数値倍率:115(+2)数字が増えるほど下降傾向を示します。
◆TOPIX:830.05(-9.5) OSC48%(-4%)4月22日の48%に並ぶ。かろうじて踏みとどまる。
◆マザーズ指数:342.53(+3.73)、OSC66%(同値)4月16日の46%から切り返し継続。
◆ヘラクレス指数:498.64(-5.78)OSC56%(-6%)4月22日の55%からまだ切り返し中。
◆ドル・円:97.19円(79銭の円高)OSC45%(-5%)4月20日の44%に収斂中。更に円高へと振れるかどうかの瀬戸際。更新
◆米ドルLIBOR(3ヶ月もの前日値):1.09188%(前日比-0.0075%)
◆日経先物イーブニングセッション:8800円(大証終値比+60円)
◆シカゴ日経先物:8900円(円建て、大証終値比+140円)更新
◆NYダウ:8074ドル(+117ドル)OSC54%(-2%)4月22日の50%から切り返し継続中。更新

しかし、前場終了後から円高が進んだにもかかわらず、日経先物は後場開始直後に少し上げるフェイントを見せた後、一気に売りに入りました。

この寄り付きのフェイントは嫌らしいものですね。前場に散々良いところで拾ったとばかりに自慢?してしまった8933NTT都市開発も、この下げ攻勢に脆くも沈没。81000円でからくも救命ボートから荒海に逃げ出しました。

その後はこの株、80000円の分厚い買い板に守られて行ったり来たり。こうした厚い買い板が鎮座しているケースは、買いに入ってもろくなことはありません。その買い板が突然消失してしまったり、自己売買のようなトリックで食われたり、または普通に売りたい人に食われたりして、その後狼狽売りが湧いてくるのが常です。逆も言えますね。厚い売り板に果敢に突進するケースがよくありますが、こうした方はどちらかというと報われるケースが多いようです。

もう1つの日清食品も、OSCがまだ上向きではないので+10円で逃げました。地震か鳥インフルエンザでも来ない限り、このセクターはまだまだ深い谷に落としこまれている疫病神のようです。

ところで後場に目についたところでは、2802味の素がやけに調子が良かったようです。ゴールドマン・サックスが今度の決算でコンセンサス予想を上回るポジティブリストに挙げている銘柄の1つだそうです。こうした場合はそのサプライズが出る前の高騰局面で売りが正解ですが、参考までに、筆者がモニタリングしている銘柄の中で、他にノミネートされている銘柄を列記しておきます。

・5214日本電気硝子
・4118カネカ
・6330東洋エンジニアリング
・7012川崎重工業
・7011三菱重工業
・6366千代田化工建設
・8113ユニチャーム
・6594日本電産

その他、ついでに、4631DIC、7013IHI、6479ミネベア、7003三井造船、7269スズキ、8015豊田通商、9404日本テレビ放送網、4062イビデン、そして6806ヒロセ電機です。

持ち越しはゼロ。今日のところはくたびれ儲けの1日でした。

-------25日朝のコメント-------

欧州市場は堅調に上げ、ダウも引けにかけて+70ドル近くまで落とされる場面もありましたが、その後切り返しての終了でした。

相場をまず押し上げたのが、新築住宅販売件数の市場予測を上回る実績でした。といっても、修正後の2月に比べて2000戸減、予想値に比べて1万9千戸増といったところでもあり、また中古市場ほどのインパクトはありませんので、欣喜雀躍という風情にはならなかったようです。なお耐久財受注も3月は-1.5%の予想に対して-0.8%と健闘しております。

原油は大幅高。月曜日の日本市場の原油株は堅調でしょう。本来、金は下がるところですが、中国の金準備高が600トンから1054トンになっていることが報道され912ドル近辺まで上げております。

中国は南アを抜いて世界一の産金国ですが、国内鉱山の金に加えて再利用分の金の買い取りも進め、積極的に増やしている模様。

1054トンということは、現在グラム3000円程度ですので、1キログラムで300万円。1トンでは30億円となり1054トンでは3兆円少々にしかならず、中国の4月11日発表の外貨準備高196兆円からすると微々たるものですが、金の先物市場の4.5兆円程度という規模からすると大きなインパクトにはなります。

そのため市場で買い増すことは影響が大きすぎ、今回の金融危機対策用にIMFが売却を計画しているゴールドは、市場外取引で中国が一手に引き受けるとも言われております。

なお、相場に今後大きな影響を与えるかもしれない材料が1つ。それはバンカメに対して当時のポールソン財務長官とバーナンキ議長がメリルリンチを買収するよう強く要請し、かつ、メリルの不良資産額を口外しないよう圧力をかけたというニュースです。

これを受け、バーナンキ議長の進退問題が浮上。公認はガイトナー長官との噂も。あれっ、ガイトナー長官更迭論は何処へ???

政府要人がもし、地上げ屋まがいの恐喝をしていたなら、これは大問題です。時価会計の変更程度までは、まだしも、市場にとってその方が都合がよい?ので何とか許されるとしても、チンピラのような行為が、あの高邁なる職務遂行精神をお持ちの筈の政府要人によって行われていたとするなら、これから出てくる様々な政府・金融当局の政策や発言への信頼が著しく失われ、ひいてはドルの信認の失墜へのきっかけにもなりうるでしょう。

結局は、政府もぐるだったのかと。国破れて山河あり。。。

まあ、別の解釈をすれば、君子を豹変させるほどに当時の事態は逼迫しており、メリルまで破綻すると金融システムが全面崩壊するその瀬戸際だったということでしょう。

その淵からまだ半年、その後も金融を巡る情勢は悪化をし続けているのに、ストレステストでほとんどの金融機関が合格するとは、一体全体、どんないかさまなテスト内容だったのか、興味を惹きますね。
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流れは急には止まらない

2009-04-24 11:30:44 | 株に出会う
まぁ、偉そうなことを言える柄でもありませんが、世の中のことは何事も急には流れが変わることはないようです。人生も同じですね。

若い頃の窮乏生活の一端を、昨日、図らずも吐露してしまいましたが、結局、この窮乏生活からようやく抜け出すことができたのは、毎日コツコツと会社勤めを続け、およそ筆者が45歳になった頃でした。20年以上もかかっております。それまでは家人の親類からボーナス返しの約束で借金することの連続でした。

若い人、何事もあまり焦らないで下さいね。まさに継続は力なり。

株の値動きについてもそのことは言えそうです。タイトルのごとく急には流れは止まらない。

よく値動きを見ていると、底値から一旦は脱したかに見えても、翌日また押されてマイナス圏に落ちることが多々あります。あえて皮肉を交えて言えば、その押され方を周りの人間は見ているようなのです。そこから這い上がる力が果たしてあるのかどうか?

そして、再度押されてから前回の底を抜けないことが確認され、更に当日はプラスに転換して初めてその株は、押しよりも切り返しの力が上回ってきます。

そうなると、後は援軍が来ること来ること。その援軍に黙ってついていけば良いだけとなりますが、その間は、まさに敵味方入り乱れての乱戦模様になったりしますので、ついつい、敵を何人か仕留めただけで、ほいほいとその戦果を持って我が家に帰りたくなるのが、この汚濁にまみれた世間で穢れ尽くした人間の性というものですね。

さて、市場の方は円高傾向が邪魔はしておりますが、まだ上昇基調が崩れておりません。

日経平均のOSCは+1%の51%、TOPIXも+2%の54%、先物も+1%の52%です。TOPIXはプラス維持。これで午後に円安へと振れれば、一気に日経平均もプラス圏に踊り出るような雰囲気です。

前場は、8933NTT都市開発を終盤の一気売りの時に81500円で拾った玉と、2897日清食品の底打ちに賭けての2660円での買いのトレードのみでした。

NTT都市開発は前場終盤にジリジリとプラス圏まで浮上しましたが、こういうジェットコースターがかたかたと音を立てて昇る時のような上げ方は実は極めて好事魔多しです。

機銃掃射の一斉射撃が時として待っております。このことは嫌という程経験しておりますので、高値追いは禁物ですが、筆者の81500円というのは81000円と並んで、今日のこの株の出来高が集中している値段帯です。

なぜ、こうした出来高が多い値段帯で待つのが良いかというと、そこで玉を仕込んだ方が、上へ上へと上りつめたまさにその時を見計らって、機銃掃射の売りを掛ける訳ですが、自分が仕込んだ値段以下では売らないからです。

従って、急激な下げでそこまで降りてきた時は、買い玉を引っ込めない方が良い結果が出ます。もちろん、その出来高が集中している価格帯も日清食品のように突破されてしまえば、その後の上げが少々きつくなりますので、日清食品の後場はそのあたりの雰囲気を見ながら、最悪は前日の安値を割り込む時ですが、まあ、今日の雰囲気からするとマイ転する段階での損切りとなるでしょうね。
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市場概況(4.23.09)

2009-04-24 07:15:26 | 市場概況
テクニカル用語の簡単解説  赤字部は場の終了後の更新

後場は押されて駄目かと思ったところから、円安に助けられて引けに高値を更新した4月23日(木)の市場概況です。

◆日経先物:8830円(+80円)、OSC51%(+5%)4月16日の41%から切り返しに転じる。指数値倍率:112(-1)
◆日経平均:8847円(+120円)、OSC50%(+5%)4月22日の45%から再度切り返しに転じたか?
◆日経平均指数値倍率:113(-2)数字が減るほど上昇傾向を示します。
◆TOPIX:839.5(+9.54) OSC52%(+4%)4月22日の48%から切り返したか?
◆マザーズ指数:338.8(+16.96)、OSC66%(+10%)4月16日の46%から強烈な切り返し。明日は調整下げに警戒要。
◆ヘラクレス指数:504.42(+11.25)OSC62%(+7%)4月22日の55%から強烈切り返し。明日の調整下げに注意。
◆ドル・円:97.98円(3銭の円安)OSC50%(+2%)4月20日の44%から円安方向へと切り返したか?更新
◆日経先物イーブニングセッション:8870円(大証終値比+40円)
◆シカゴ日経先物:8905円(円建て、大証終値比+75円)更新
◆NYダウ:7957ドル(+70ドル)OSC56%(+6%)22日の50%から切り返し3枚腰をダウも発揮か?更新

後場の終盤にかけての切り返しは、まだまだこのところの騰勢が勢いを失っていないことを示しました。

もう少し調整して欲しかったのですが、今日の後場の切り返しはチョイと先走り過ぎのような気がします。いくつか下で指しておりましたが刺さらず。

まぁ、上げ相場の時に無理をして持ち越してもろくなことはありませんので、突っ込みませんでした。

という訳で持ち越しはなし。

この後場の急騰で各市場ともOSCを前日比でプラスに持っていきました。これでNYダウが今晩プラスなら、明日の日本市場は更に勢いがついて高値を目指した後は、週末でもあり、一旦利確の流れになるのではないかと見ております。

特に、今日上げすぎた新興市場銘柄は注意が必要ですね。

昨年の10月28日にマザーズ指数が255.95ポイントの安値を付けて、その後のリバウンド局面で連騰した後は、10ポイント以上上げた翌日は、ほとんど下げまたは少しの上昇にとどまっております。それだけ投資家の裾野が浅い証拠ですね。それが新興銘柄の今の宿命と思っても良いと思います。

-------24日朝のコメント-------

注目の3月のアメリカ中古住宅販売件数は、予想を8万件下回る457万件にとどまったことで株価は下げました。しかし、この前年同期と比較しての37万件という減少幅は、2月の31万件減より11万件増えたものの、1月の50万件減より良い値です。

ここで、2007年と2008年を前年同期比で見た販売件数の推移を、この際、見ておきます。

 2008年1月---149万件減 
      2月---157万件減
      3月---117万件減
      4月---104万件減
      5月--- 94万件減
      6月--- 90万件減
      7月--- 74万件減
      8月--- 59万件減
      9月---  3万件増(一旦、増える)
     10月--- 15万件減
     11月--- 48万件減
     12月--- 17万件減
    
 2009年1月--- 50万件減
      2月--- 31万件減
      3月--- 37万件減

昨年9月のリーマンショック前の一連の景気回復を示す経済指標に筆者も騙されましたが、昨年9月には3万件も増えていたのです。この9月までの流れを見ると、誰しも中古住宅販売は底打ったのではないかと思えますね。

何人かの論者も、昨年10月にこつんと底打ったのではないかと見ておりました。しかし、リーマン破綻でそれまでとは異次元の信用収縮という新たな段階へと世界経済は入っていったのです。

失業率もそうですが、前年同期と比較して数字が悪化している限りリセッションが続いているという証になっております。住宅市場も同じ原理が働いているのではないでしょうか。しかし、昨年12月の17万件減というのは異例のように見えますが、その前年の2007年12月が491万件まで落ち込んでおり、その年の2月に付けた660万件からは大幅に既に減っていたためです。

ちなみに600万件を切ったのは2007年4月からです。この年の3月16日の日経の夕刊によれば、この日アメリカの財務次官の下院での証言があり、住宅公社2社(ファニーメイとフレディマック)の経営について述べ、「米国の金融システムや世界経済に危機が及ぶ恐れがある」との厳しい認識を示しておりました。

まだ全員がバブルの宴に興じている時でした。しかし、この時点で既にアメリカの住宅ローン業者が2ダースほども倒産していたのです。

統計事実はよく物語っておりますね。

まぁ、3月の中古住宅販売はまだ一進一退の状況を具現しているに過ぎません。マーケットも従ってそれほど深刻には反応せず、ダウは一度下げた後、結局70ドル高で終えております。

なお、3月の中古住宅の平均価格は21.73万ドルで前月比1万8千ドル程度の下落ですが、中央価格は17.52万ドルで7000ドル上昇しております。しかし在庫がまだ0.1ヶ月増えて9.8ヶ月分もあり、中古住宅市場はまだまだ調整中といったところです。
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