ある本に紹介されていた、昭和58年出版の佐貫利雄著「成長する都市 衰退する都市」(時事通信社)は、稀に見る労作というのか、よくもまあこれだけのデータを集めて分析をしたものだと感心しました。
図表が多く、それを眺めているだけで昔の日本の社会・経済・文化構造がかいま見えます。もっとも、その時代に生きていなかった若者にはピ~ンと来ない内容かも知れませんが、少なくとも都市計画などの仕事にかかわっている人にとっては、統計データを読み取って千変万化に加工する、その方法論だけでも結構に役立ちそうです。
雑学の1つとして、その内容の一端をこの際ご紹介します。
★日本の人口の推移:
・魏志倭人伝時代(西暦200年) 400万人
・平安朝時代(西暦900年) 800万人
・鎌倉時代(西暦1192年) 1200万人
・豊臣時代(西暦1580年) 1800万人
・徳川時代(西暦1721年) 2600万人
・明治5年(西暦1872年) 3481万人
・明治33年(西暦1900年) 4734万人
江戸時代は3000万人でほぼフラットと理解しておりましたが、2300万人から2600万人の範囲で一定しておりました。今の日本はやはり増えすぎか?
★明治13年段階での人口ランキング:
1.新潟 154万6千人
12.東京 95万7千人
20.京都 82万3千人
47.北海道 16万3千人
新潟が1位とはビックリしました。農作物の耕作に適した土地柄であり、それだけの人口を養うことができたためです。
★明治7年段階での工業出荷額ランキング:
1.京都
2.大阪
3.愛知
9.東京
何と人口では20位の京都が第1位です。
★東京-大阪間の移動時間:
明治8年 かご 360時間
明治22年 東海道線開通 20時間5分
昭和15年 特急つばめ号 9時間15分
昭和55年 ひかり号 3時間10分
かごを担いで360時間(1日8時間で45日)はもう足腰の弱い現代人には無理か。
★東京-サンフランシスコの移動時間:
プロペラ機(ダグラスDC-6B) 24時間47分
ジェット機(ボーイングB-747) 9時間10分
SST機 (コンコルド) 3時間40分(時速2340キロ)
コンコルドは旅の楽しみを奪ったのが敗因か。
★成長する職業と衰退する職業:
<昭和35年~40年>
成長する職業
増加率のトップ3→①パイロット ②デザイナ- ③電気機関士
増加数のトップ3→①自動車運転手 ②コック・バーテンダー ③会社役員
衰退する職業
減少率のトップ3→①女中 ②行商・露天商 ③採鉱・採石工
減少数のトップ3→①農林漁業 ②女中 ③採鉱・採石工
<昭和40年~45年>
成長する職業
増加率のトップ3→①清掃員 ②ファッションモデル ③電気技術者
増加数のトップ3→①工員 ②金属溶接工 ③清掃員
衰退する職業
減少率のトップ3→①製炭・薪作業者 ②鉱山技術者 ③金属加工手仕上げ工員
減少数のトップ3→①女中 ②金属加工手仕上げ工員 ③採炭夫
<昭和45年~50年>
成長する職業
増加率のトップ3→①コンピュータオペレータ- ②社会福祉専門職員 ③公社・公団役員
増加数のトップ3→①外交員(保険を除く) ②製図・写図工 ③清掃員
衰退する職業
減少率のトップ3→①金属加工手仕上げ工員 ②採炭員 ③製炭・薪作業員
減少数のトップ3→①編み物工員 ②紡績工員 ③採炭員
<昭和50年~55年>
成長する職業
増加率のトップ3→①ファッションモデル(広告宣伝員) ②職業スポーツ家 ③情報処理技術者
増加数のトップ3→①配達員 ②清掃員 ③保険外交員
衰退する職業
減少率のトップ3→①工員(伸線)②工員(製糸) ③工員(船舶艤装)
減少数のトップ3→①工員(編み物) ②電話交換手 ③洋服仕立て職
いや~、面白いですね。
不思議なのは、清掃員がある時から異常に増えていること。日本人のきれい好きの本領発揮の時期と重なるのか?
ファッションモデルやデザイナーというのは、もう旬を過ぎていますね。昭和45年から公社・公団役員が異常繁殖しているのも面白い。
今、こうした5年刻みの職業の盛衰のデータを誰かとっているのだろうか?
恐らく、この佐貫利雄氏をもって嚆矢とし、後を引き継いだものはいないのではないでしょうか。
と言う訳でもありませんが、不肖筆者が勝手ながら、現代の職業の盛衰データを開陳してみます。
<平成20年~25年>
成長する職業
増加率のトップ3→①振り込め詐欺師 ②アングラ金融ブローカー ③メイド喫茶のメイド(年齢不問)
増加数のトップ3→①要介護認定技術者 ②派遣切りスペシャリスト ③洗練された不良債権処理屋
衰退する職業
減少率のトップ3→①株式投資アドバイザー ②企業献金ブローカー ③天下り高給取り役人
減少数のトップ3→①ガソリンエンジン技術者 ②高級ブランド販売員 ③高速道路料金所員
以上です。
図表が多く、それを眺めているだけで昔の日本の社会・経済・文化構造がかいま見えます。もっとも、その時代に生きていなかった若者にはピ~ンと来ない内容かも知れませんが、少なくとも都市計画などの仕事にかかわっている人にとっては、統計データを読み取って千変万化に加工する、その方法論だけでも結構に役立ちそうです。
雑学の1つとして、その内容の一端をこの際ご紹介します。
★日本の人口の推移:
・魏志倭人伝時代(西暦200年) 400万人
・平安朝時代(西暦900年) 800万人
・鎌倉時代(西暦1192年) 1200万人
・豊臣時代(西暦1580年) 1800万人
・徳川時代(西暦1721年) 2600万人
・明治5年(西暦1872年) 3481万人
・明治33年(西暦1900年) 4734万人
江戸時代は3000万人でほぼフラットと理解しておりましたが、2300万人から2600万人の範囲で一定しておりました。今の日本はやはり増えすぎか?
★明治13年段階での人口ランキング:
1.新潟 154万6千人
12.東京 95万7千人
20.京都 82万3千人
47.北海道 16万3千人
新潟が1位とはビックリしました。農作物の耕作に適した土地柄であり、それだけの人口を養うことができたためです。
★明治7年段階での工業出荷額ランキング:
1.京都
2.大阪
3.愛知
9.東京
何と人口では20位の京都が第1位です。
★東京-大阪間の移動時間:
明治8年 かご 360時間
明治22年 東海道線開通 20時間5分
昭和15年 特急つばめ号 9時間15分
昭和55年 ひかり号 3時間10分
かごを担いで360時間(1日8時間で45日)はもう足腰の弱い現代人には無理か。
★東京-サンフランシスコの移動時間:
プロペラ機(ダグラスDC-6B) 24時間47分
ジェット機(ボーイングB-747) 9時間10分
SST機 (コンコルド) 3時間40分(時速2340キロ)
コンコルドは旅の楽しみを奪ったのが敗因か。
★成長する職業と衰退する職業:
<昭和35年~40年>
成長する職業
増加率のトップ3→①パイロット ②デザイナ- ③電気機関士
増加数のトップ3→①自動車運転手 ②コック・バーテンダー ③会社役員
衰退する職業
減少率のトップ3→①女中 ②行商・露天商 ③採鉱・採石工
減少数のトップ3→①農林漁業 ②女中 ③採鉱・採石工
<昭和40年~45年>
成長する職業
増加率のトップ3→①清掃員 ②ファッションモデル ③電気技術者
増加数のトップ3→①工員 ②金属溶接工 ③清掃員
衰退する職業
減少率のトップ3→①製炭・薪作業者 ②鉱山技術者 ③金属加工手仕上げ工員
減少数のトップ3→①女中 ②金属加工手仕上げ工員 ③採炭夫
<昭和45年~50年>
成長する職業
増加率のトップ3→①コンピュータオペレータ- ②社会福祉専門職員 ③公社・公団役員
増加数のトップ3→①外交員(保険を除く) ②製図・写図工 ③清掃員
衰退する職業
減少率のトップ3→①金属加工手仕上げ工員 ②採炭員 ③製炭・薪作業員
減少数のトップ3→①編み物工員 ②紡績工員 ③採炭員
<昭和50年~55年>
成長する職業
増加率のトップ3→①ファッションモデル(広告宣伝員) ②職業スポーツ家 ③情報処理技術者
増加数のトップ3→①配達員 ②清掃員 ③保険外交員
衰退する職業
減少率のトップ3→①工員(伸線)②工員(製糸) ③工員(船舶艤装)
減少数のトップ3→①工員(編み物) ②電話交換手 ③洋服仕立て職
いや~、面白いですね。
不思議なのは、清掃員がある時から異常に増えていること。日本人のきれい好きの本領発揮の時期と重なるのか?
ファッションモデルやデザイナーというのは、もう旬を過ぎていますね。昭和45年から公社・公団役員が異常繁殖しているのも面白い。
今、こうした5年刻みの職業の盛衰のデータを誰かとっているのだろうか?
恐らく、この佐貫利雄氏をもって嚆矢とし、後を引き継いだものはいないのではないでしょうか。
と言う訳でもありませんが、不肖筆者が勝手ながら、現代の職業の盛衰データを開陳してみます。
<平成20年~25年>
成長する職業
増加率のトップ3→①振り込め詐欺師 ②アングラ金融ブローカー ③メイド喫茶のメイド(年齢不問)
増加数のトップ3→①要介護認定技術者 ②派遣切りスペシャリスト ③洗練された不良債権処理屋
衰退する職業
減少率のトップ3→①株式投資アドバイザー ②企業献金ブローカー ③天下り高給取り役人
減少数のトップ3→①ガソリンエンジン技術者 ②高級ブランド販売員 ③高速道路料金所員
以上です。