中日新聞のエンタ目という連載で、スージー鈴木さん(音楽評論家)が、「桑田佳祐という人」、「反戦メッセージ 歌に込めて」というタイトルで掲載されていました。
桑田佳祐が同学年(1954年4月〜56年3月生まれ)の佐野元春、世良公則、Char,野口五郎との連名でリリースしたメーセージソング「時代遅れのRock'
n'Roll Band」が話題になったが、6月21日に放送されたNHK「クローズアップ現代」への桑田の出演は、ある意味、楽曲「時代遅れ〜」以上に印象的なものだった。
というのは、番組内で桑田が披露した、自身の和訳によるボブ・ディラン「風に吹かれて」が、とても刺激だったからだ。
「どれだけミサイル撃ったなら 過ちに気づくだろう!?」
「あとどれだけ人が死んだなら 戦争を止めるのか?」
刺激的と書いたものの、歌詞自体はこのような、至極まっとうな内容の反戦メッセージである。
ただそれが刺激的に見えてしまうのだ。
今の日本の音楽シーンでは。
さて、今は参院選直前のタイミングだが、実は、選挙を前にして、桑田がテレビでメッセージソングを歌うのは、これが初めてではない。
今から十三年前、二〇〇九年の七月二十日に放送されたフジテレビ系「桑田佳祐の音楽寅さん〜MUSIC TIGER~」にて、サザンオールスターズ「Oh!クラウディア」の歌詞を変えて歌った。
「先の見えぬ海を『日本』という船が行く」「茶番や下司な争いのために 捨てないで明日を」
桑田が辛辣なメッセージを込めて歌った日の翌日に衆議院が解散し、八月三十日を投開票日とした総選挙が始まったのである。
桑田のメッセージソングは、ファン以外には唐突に見えるかもしれないが、桑田という人は、元々こういうことを歌う人なのだ(詳しくは新潮新書の拙著新刊「桑田佳祐論」をご一読ください)
そして、こういう歌を聴いた私たちは、まずは投票に行かねばならない。
それが桑田と同時代に生きるということなのだと、私は思う。
以上です。
桑田佳祐がNHKの「クローズアップ現代 」に出るなんて思わず、この番組を見逃しました。
でも今はYouTubeというものがあります。
桑田佳祐の和訳による「風に吹かれて」を聴くことが出来ました。
クローズアップ現代 桑田佳祐 ボブディラン「風に吹かれて」