殯(もがり)の森・長い散歩 2008/3/30
2007年度カンヌ国際映画祭グランプリ(審査員特別賞)受賞/河瀬直美監督
期待はしなかったが、佳作とはとうてい言えない。
この映画は日仏合作とのこと、技術スタッフがフランスと言うことだが、
それはカンヌを貰う為ってこと?と私は映画を見た後思ってしまった。
幼子を亡くした真千子(尾野真千子)=介護員は、
33年前に亡くした妻を想う認知症のしげき(うだしげき)とグループホームで出会う。
その二人が車で外出し、事故を起こす。
しげきは森に逃げ込み、真千子はそれを追う。
それはしげきの、もがり=喪上がり、の行動なのだという。
認知症の老人が全力疾走して鬼ごっこしたり、
認知症の老人を介護員になったばかりの新人職員が車で一人で連れ出して事故を起こしたり、
その老人が山に逃げ込む、なんていう全くリアリティのない設定。
山中を彷徨する映像が延々と続く。
大嵐なのに、遠くの空は晴れていたり、イヤハヤ。
一つのシーンをえんえんと映したり、嫌みが退屈さが鼻についてくる。
冒頭の老人ホーム内のシーンだけがドキュメントなのか、実際の老人ホームなのか、
演出なのか分からない、河瀬流。
主演のうだは、素人で芝居は下手くそだし、
正直いって、B級だ。
33回忌で人の回向はひとまずおわる、
人の喪が明けるにはそれだけの長い時が必要だということを言いたいらしい。
このことの意味は考えさせられるが、そんなに深刻に成らずに、
追悼する人も33年もたてば死んでいくし、新しい世代の始まりだ、
とさらりと私は思いたい。
2006年モントリオール国際映画祭コンペティションワールドグランプリ受賞/緒形拳主演、監督:奥田瑛二。
この作品も佳作とは言えない。
主人公の老人は、現役時代は仕事に夢中で家庭を顧みることなく家庭のことを一切妻に任せていた元校長、
自分の子が万引きした時、妻に教育者の妻が自分の子一人教育できないのかと怒り、
その妻はアル中になって、夫に謝り続ける自立していない女、
妻を失った彼は人間性に目覚め、一挙に善人、物わかりの良い好々爺になってしまう。
もう一人の主人公は5歳の少女で、かつて親に虐待された母親に虐待されている。
この少女の隣に引っ越してきた老人が、少女の虐待見かねて、
この二人が旅=長い散歩に出ると言うお話。
人物設定も、状況設定もありきたりでステロタイプだ。
元校長なのに旅先で手持ちの金がなくなってしまうおそまつさ、
引きこもっていた帰国子女の青年が旅に出て、この二人と遭遇して合流した、
だがこの青年は好青年で、だが拳銃を持っていて、あっけなく自殺してしまったり、
監督の奥田演じる刑事は彼に理解を示して、この二人の追跡に猶予を与えたり、
いやはや、これで2時間以上である。
これもB級映画だ。
こうした映画が賞をどうしてもらうのか私にはよくわからない。
映画は、賞や評判ではわからない。
本日、池袋新文芸座は8割りの入りで、年寄りの男性が多かった。
2007年度カンヌ国際映画祭グランプリ(審査員特別賞)受賞/河瀬直美監督
期待はしなかったが、佳作とはとうてい言えない。
この映画は日仏合作とのこと、技術スタッフがフランスと言うことだが、
それはカンヌを貰う為ってこと?と私は映画を見た後思ってしまった。
幼子を亡くした真千子(尾野真千子)=介護員は、
33年前に亡くした妻を想う認知症のしげき(うだしげき)とグループホームで出会う。
その二人が車で外出し、事故を起こす。
しげきは森に逃げ込み、真千子はそれを追う。
それはしげきの、もがり=喪上がり、の行動なのだという。
認知症の老人が全力疾走して鬼ごっこしたり、
認知症の老人を介護員になったばかりの新人職員が車で一人で連れ出して事故を起こしたり、
その老人が山に逃げ込む、なんていう全くリアリティのない設定。
山中を彷徨する映像が延々と続く。
大嵐なのに、遠くの空は晴れていたり、イヤハヤ。
一つのシーンをえんえんと映したり、嫌みが退屈さが鼻についてくる。
冒頭の老人ホーム内のシーンだけがドキュメントなのか、実際の老人ホームなのか、
演出なのか分からない、河瀬流。
主演のうだは、素人で芝居は下手くそだし、
正直いって、B級だ。
33回忌で人の回向はひとまずおわる、
人の喪が明けるにはそれだけの長い時が必要だということを言いたいらしい。
このことの意味は考えさせられるが、そんなに深刻に成らずに、
追悼する人も33年もたてば死んでいくし、新しい世代の始まりだ、
とさらりと私は思いたい。
2006年モントリオール国際映画祭コンペティションワールドグランプリ受賞/緒形拳主演、監督:奥田瑛二。
この作品も佳作とは言えない。
主人公の老人は、現役時代は仕事に夢中で家庭を顧みることなく家庭のことを一切妻に任せていた元校長、
自分の子が万引きした時、妻に教育者の妻が自分の子一人教育できないのかと怒り、
その妻はアル中になって、夫に謝り続ける自立していない女、
妻を失った彼は人間性に目覚め、一挙に善人、物わかりの良い好々爺になってしまう。
もう一人の主人公は5歳の少女で、かつて親に虐待された母親に虐待されている。
この少女の隣に引っ越してきた老人が、少女の虐待見かねて、
この二人が旅=長い散歩に出ると言うお話。
人物設定も、状況設定もありきたりでステロタイプだ。
元校長なのに旅先で手持ちの金がなくなってしまうおそまつさ、
引きこもっていた帰国子女の青年が旅に出て、この二人と遭遇して合流した、
だがこの青年は好青年で、だが拳銃を持っていて、あっけなく自殺してしまったり、
監督の奥田演じる刑事は彼に理解を示して、この二人の追跡に猶予を与えたり、
いやはや、これで2時間以上である。
これもB級映画だ。
こうした映画が賞をどうしてもらうのか私にはよくわからない。
映画は、賞や評判ではわからない。
本日、池袋新文芸座は8割りの入りで、年寄りの男性が多かった。