風そよぐ部屋

ウォーキングと映画の無味感想ノート

映画/ジゴロ・イン・ニューヨーク、アデル・ブルーは熱い色

2015年01月26日 | 映画

アレンのとぼけた味は良いですが、それ以上にジョン・タトゥーロの哀愁を帯びた表情は素敵でした。
映画としては可でもなし不可でもなし、と言ったところですが、
ニューヨークのかなり特殊なユダヤ人コミュニーティが面白かったです。
私はその実態・真実を全く知らないのですが、また映画ではそれは誇張されていると思うのですが、
かなりの真実も描いているのではないかと思うのです。
今日、世界では宗教的原理主義が様々な問題を引き起こしています。
いや、その表現は正確ではではないかも知れません。
宗教的原理主義が問題を起こしているのではなく、世界・社会の様々な問題がそれを生み出し、
宗教的問題として顕在化しているのだと思います。
この映画で垣間見るだけでもユダヤ教とユダヤ人社会は私にはとても奇妙に感じます。
独自の自警団も存在するようですし、長老やラビによる尋問も本当なのでしょうか。
日本は多神教とアニミズムの社会で、それは私にはとても居心地が良いです。
多様性を認めること、"ローマ人の寛容"が相互・すべてに求められ、必要とされているのではないでしょうか。
喜劇なのに、映画館では笑い声が起きないのですから薄気味悪く不思議です。
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英語の原題は、「Blue Is the Warmest Colour」、
フランス語の原題は「 La vie d'Adèle – Chapitres 1 et 2」、アデルの命(あるいは人生)の1章・2章でしょうか。
3時間は長すぎますし、同性愛のセックスシーンが延々と続きもう辟易というか退屈でした。
カンヌ映画祭で最高賞を取った際、セックス描写が大胆で斬新と賞されたそうですが、
私にはそうは思えません。際どいですが過激でもありませんし、刺激的でもありません。
映画の作り方としてかなり一人よがりが強いと思いました。
最後に、アデルはかつてのパートナー=エマの成功の場で、彼女に別れを告げずに立ち去り、
後ろ姿で歩き去るシーンで映画が終わります。
エマとの生活が1章、彼女との別れが2章、これから彼女の新しい3章が始まるということなのでしょうか。
私はエマとの出会い・別れが1章、そしてこれからが彼女の新しい第2章=自立と思えるのですが…。      【1月19日】

笠間市(親鸞聖人立教開宗 の聖地)・宍戸を歩く

2015年01月21日 | 国内旅行
 円通寺
1月11日~13日、茨城県の笠間市を訪れました。
私はこの地を是非訪れたいと思っていました。それは親鸞さんが過ごした西念寺があるからです。
承元元年(1207年)、専修念仏は旧仏教教団から激しく非難され法然さんや親鸞さんらは罪科を受け、
親鸞さんは越後に流罪となりました。
その後、恵信尼さんと結婚し、男女6人の子女をもうけ、在俗のままで念仏の生活を営まれました。
建保2年(1214年)42歳の時、妻子とともに越後から茨城県の笠間市稲田に移り、約20年間この地で生活しました。
専修念仏とは、簡単に言うと、阿弥陀仏を信じ帰依すると言う意味の「南無阿弥陀仏」の念仏を唱えることによって、
人は救われるというという意味です。
それは、旧仏教教団の秩序・戒律・利害と著しく対立しました。
親鸞さんが、なぜ笠間の地を選んだのかはいろいろな説があるようです。
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1月11日10:00上野発の特急ひたちに乗るとなんと水戸にはわずか1時間後の11:05に着ついてしまいます(1340円)。
笠間駅や西念寺がある稲田駅は水戸線にあります。小山・友部間を走るその水戸線は日中は1時間に1本しかありません。
まず、ホテルに荷物を預けて、宍戸を歩きました。水戸12:01→友部12:14(乗り換え12:19)→宍戸着12:21

上野駅で                                水戸駅で
 
上野駅地下ホームは、ヨーロッパのターミナル駅の構造・雰囲気と似ていることに気づきました。
ヨーロッパのターミナル駅は、扇形になっています。電車は通り過ぎることが出来ず、Uターンして出発します。
昔の東北線や上越線などの始発駅である上野駅のホームは最もその特色を持っていました。
啄木のこのモニュメントを見て昔の上野駅を思い出しました。
宍戸駅                                旧陣屋・宍戸城址土塁
  
 
市立歴史民俗資料館(旧市役所跡) 無料
 
 
  
平神社                                 「映画・永遠のゼロ」を讃えるこんなノボリが
 
清水寺・真言宗
 
 
                        不動堂
 
龍穏院・曹洞宗
 
 
浄乗寺・浄土真宗
 

養福寺・天台宗
 

円通寺・曹洞宗                           慈眼観音 天女
  
   
唯信寺・真宗大谷派
 
「勿体なや 祖師はかみこ(紙衣)の 九十年」(句仏上人)
   
光明寺・浄土宗
  
安全寺・曹洞宗
   
友部カトリック教会
 
 
友部駅
 
水戸駅に戻り、駅前を少し歩くと 水戸市平和記念館(無料)
 
                                     大イチョウ
 
水戸市は、昭和20年の8月2日大空襲を受けました。焼けた銀杏の後から芽が出たそうです。
水戸駅                                 スマイルホテル(朝食は別・600円、2泊で8800円)
 
 
スマイルホテルは、テレビ東京の"YOUは何しに日本へ"ですっかり有名になりました。
狭いですが、冷蔵庫、加湿器、ランケーブル、ウオシュレットです。
朝食は、600円ですが和食のメニューが豊富です。   【1月11日終わり、続く】  

笠間市:本堂鳳台院大願寺、笠間稲荷を巡る

2015年01月21日 | 国内旅行
 鳳台院大願寺 
1月12日、今日は笠間市内をレンタルの電動アシスト自転車で巡りました。

笠間駅は、日本の三大稲荷の一つと言われる笠間稲荷神社がある駅ですが小さい駅です。
しかし、駅前に観光案内所があり、レンタサイクル(300円)、電動アシスト自転車(500円)を借りることが出来ます。
 
笠間駅前広場と                           トイレ入り口
 
8:43水戸発(この電車は、水戸線直結なので友部で乗り換え不要です。) 9:08笠間着
近森稲荷
 
光照寺・浄土真宗
 
 
花香神社                                盛岸院・曹洞宗
 
盛岸院本堂
  
盛岸院三すくみ地蔵堂           笠間日動美術館・フランス館(65歳以上の笠間市民のみ無料、入らず)  
 
この日の笠間市はとても冷え、霜柱が立ち、道は凍っていました。
  
玄勝院・曹洞宗
 
  
  

 
 
笠間城城址 時鐘                         大石内蔵助良雄像       義士顕彰碑
  
赤穂浪士で有名な浅野家は昔、笠間に領地を持っていました。大石らの祖父・父の時代だそうです。
旧笠間町立美術館                        笠間満州分村懐古碑
 
満州分村碑を、このほかにもをいくつか見ました。多くの人々が赴いたのでしょう。
治功神社  
 
                                     笠間日動美術館企画展示館
 
正福寺(地図等では観世音寺と示されますが、昔からの名前に戻したそうです)・真言宗
 
 
八坂神社                               月崇寺・浄土宗
  
月崇寺・塩地蔵          三所神社
 
真浄寺・日蓮宗                           真浄寺本堂 
   
真浄寺・七面堂
 

鳳台院大願寺・曹洞宗 だるま像         
  
仁王門
  
  
 
鳳台院旧本堂
 
 
山門
 
笠間市総合公園、お昼を食べました。
 
 
三峯神社
 
石井神社                                常光寺
 
常光寺は住職の居ない小さなお寺ですが、堂内にはきれいな仏像が
   

笠間稲荷神社
楼門
  
拝殿                                  本殿
 
 
                                     高野公男像
 
笠間稲荷美術館
 
出世稲荷                               二十三夜尊
 
聖徳殿(大黒天)
 
東門                                  奉納された毛綱と貝殻
   
門前
 
大石邸跡                                通りで
  
 
笠間芸術の森公園              恋人の聖地
  
                                     乙女の像
 
高野公男碑                              春日八郎が歌った「別れの一本杉」碑
 
笠間は焼き物の町でもあり、窯の模型
 
 
 
笠間市は焼き物の町でも有名だそうです。私は、焼き物、陶器、壺等は興味がありませんが…。
市内各所、特に芸術の森公園とその周辺には色々な工房や体験教室なども数多くありました。
日本三大稲荷の一つでもある笠間稲荷は商売繁盛の御利益があるそうで大変な賑わいでした。
でも、私はうっかり地図へのマーキングを忘れて、立ち寄りを忘れるところでした。
丘の上にある鳳台院の境内は広く見晴らしも良いです。
旧本堂と新しい境内の両方に独特の風貌を持つ大きい達磨大師の像がユニークで、魅力的です。
笠間は、かなり広く、丘陵・坂があるので、普通自転車では大変で、電動アシスト自転車がお薦めです。
またこの日はかなり強い風が吹き、道も凍っていました。気温も低く、二重手袋とニット帽子を被りました。
バッテリーの容量が少ないのか、余り走った感じはしなかったのですが、残りのバッテリーが15%を切り、
またおしりが痛くなったので少し早めにホテルに戻りました。     【1月12日終わり、続く】  

親鸞聖人立教開宗 の聖地・西念寺を訪れる

2015年01月21日 | 国内旅行
 西念寺
1月13日、今日は待望の西念寺を参拝しました。
冒頭に記しましたが、ちょうど800年前に親鸞さんは、笠間市稲田移り住み、20年間過ごしました。
なぜ、当時かなり辺鄙であったこの地を選んだのか、私は不思議に思って来ました。
西念寺の周りには塔頭も少なからずあり、大きな門前町をかたち作っていると想像していたのですが、
人家はまばらでほとんど田んぼでした。

昨日と同じ出発でした。8:43水戸発→福原着9:15
福原駅も小さいです。                        福原駅に向かう電車から
 
出雲大社常磐分社 林彩館                    拝殿
 
 
天井                                 拝殿中央
 
本殿
 
樹木葬の案内
 
龍蛇神社
 
源慶院・曹洞宗
  
西念寺に向かう竹下バス停がわかりませんでした。地図では、バイパスと旧道の交差点にあるのですが、旧道でした。
私はバイパスを歩いたのですが、高いバイパスから旧道に降りる階段は無く道ははるか遠くでした。
バスの時間は9:54、バスの本数は1日5本、これを乗り過ごすと2時間後です。
私は、田んぼに降りる道が途中にあったのでそこを降りてあぜ道を歩いて旧道に入り、バス停に戻ったのでした。
源慶院に行く途中に同仁堂という祠があるのですが、そこは寄ることが出来ず、急いだため汗が出ました。
バスでしばらく走ると西念寺の看板が目に入ってきました。西念寺バス停で下車、170円。乗客は私一人でした。
いよいよ、今回の旅の最大の目的地・西念寺で、私は少し胸の高鳴りを覚えました。
聖橋                                  鉾田八幡神社(西念寺入口手前にあります。)
 
西 念 寺
西念寺参道                              林照寺
 
親鸞さんがこの地に訪れ、庵などを作った経緯などが記されています。 その再建された庵=本堂です。
 
山門                                  太鼓堂
 
弁円回心の所
親鸞聖人の殺害を企てていた弁円が親鸞聖人に出会って瞬時に回心したのを記念して植えた桜と言います。
 
本堂                                  御葉つき銀杏
 
御杖杉、親鸞さんが杖を指すとそこから芽が出たと言われます。明治4年の火事で焼失。       神原の井戸
 
本堂内は私一人、凜とした空気が流れていました。
  
  
 
太子堂                                境内は霜柱でした。
 
業頂骨堂、親鸞さんの死後、骨の一部が密かにここに祀られたそうです。   教養上人墓標記
  
唐木一切経                               本堂と吾国山                                 
 
庵田米、親鸞さんが耕作した田んぼです。道路の右側が西念寺です。


稲田神社
 
稲田神社本殿                             大山社神社(右の白い石碑)
 
円光寺・日蓮宗
 
大日如来堂
 
ここから右に折れ、山道を登ると稲田御影石の採掘場に通じるのですが、バスの時間があるので行きませんでした。
普門寺(観音堂)
 
   
バスの時間は12:10、20分ほどあったので一つ先のバス停・飯合まで歩きました。
途中で
  
バスを待つ間、バス停でサンドイッチとおにぎりを食べました。笠間駅までバス代240円
笠間12:59発→友部乗り換え、水戸駅着13:26。途中、家の鍵が見当たらないことに気づきました。
電車の発車まで少し時間があったのでコインロッカーから鞄を出し、喫茶店で少し時間をつぶしがてら、
鍵を捜すと本のカバーの中に挟まっていました。13:52水戸発ひたち40(特急自由席1340円)、上野着15:06
上野駅で電車を待っていると、山の手線が…

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今回の旅は、実は12月始め頃から漠然と行きたいなと思って、地図などは調べていたのですが、
寒さや雨など天候の問題もあり、宿などを手配したのは前々日でした。
笠間にはビジネスホテルはありません。友部に「あさひ」と言うビジネスホテルがあり、11日は空いていましたが、
電話での申し込みなので迷いながら、"じゃらん"で検索している時、以前水戸を訪れた時泊まった水戸駅前の
"スマイルホテル"を思い出し、空いていたのでそこに決めました。
電車や交通、コインロッカーなどのことを考えると一長一短かも知れません。
西念寺は、予想していたより、小さかったです。
参拝者は私一人で、周囲は田んぼ・小高い丘の上の森の中は苔むし、霜柱の上には人の靴跡もありませんでした。
お堂などもっとたくさんあるのかと思ったのですが、本堂だけでした。
周囲には、塔頭や周辺にはお寺もありません。
私は、浄土真宗の信者ではありませんが、法然さんと親鸞さんの教えが好きです。
京都の本願寺は大き過ぎ威圧的ですが、ここはとても穏やかでした。
鶴見の曹洞宗本山総持寺も大きく威圧的ですが、能登の総持寺祖院は森の中に時代を越えてひっそりたたずみ、
それらと似ているなとなどと感じました。
両者とも交通の便が良くないのが最大のネックです。
笠間市は、西念寺との関係ではなく、水戸藩の領地内と言うことで栄えたのでしょう。
浄土真宗のお寺が多い訳ではありませんでした。
水戸線は1時間に1本、バスは2時間に1本、旅するには不便で、時計を気にしなければなりませんが、
それでもやはり、バスや電車を30分や1時間以上も待ったり、またあちこちとは行けないので
かえってのんびりと時間が過ぎるように感じます。
林や森の中、たんぼ道を1時間も歩いていても人と全く出会いません。
バイパスを通った時は、脇を車が猛烈な勢いで通り過ぎていきます。
笠間市は電動アシストで走り回りましたが、疾走という感じではなくゆっくり走りました。
気温が低く寒かったです。二日目は風も強く、自転車でしたので冷たさが格段でした。
でも、今回も旅・ウォーキングを十分楽しむことが出来ました。      【終わり】



映画/チョコレート ドーナツ,シンプル・シモン

2015年01月07日 | 映画

秀作です。
バイセクシュアルカップルのルディとポールはダウン症の少年・マルコを養子にしたいと願っています。
マルコの母親はシングルマザーで薬物中毒です。
彼女が刑務所に入ることになり、マルコは孤独となります。
マルコは「ハッピィエンド」の物語が好きでしたが、自分の家を求めて夜の町をさまよいます。
ルデイとポールは裁判で負けます。
マルコが死んだ新聞記事が、裁判関係者とポールのかつての上司に送られます。
ルディを演じるアラン・カミングは自身バイセクシュアルと言い、その自由のための運動家でもあるそうです。
映画などではバイセクシュアルの一方は女装・化粧・女言葉を使うように描かれことが多いようですが、この映画では違います。
仕草にちょっとした「なよなよ」さはありますが、ルディの腕は毛むくじゃらですし、
仕事以外では女装せず、化粧はしません。
しかし、無精ひげの彼はぞっとするほどのセクシーさ、美しさ、強さを見せていました。
他方、ポールの服はいつもジミで、髪も短く櫛が通り、とても穏やかでした。
ルディとポールの関係の表現も奇を衒わず極めて禁欲的に表現したことがとても成功しています。
マルコ少年は、小さな女の子が遊ぶ女の子の人形が大好きでした。
それは母親だったのでしょうか、妹だったのでしょうか、それとも友達だったのでしょうか?
マルコを演じたアイザック・レイヴァはダウン症の男優です。
日本での映画の題名・「チョコレートドーナツ」はマルコが大好きな食べ物です。
でもこれでは何のことかわかりません。原題は"Any day now"
これは映画の中で、ルディが歌う"I shall be released"(私は解き放たれる)の一節で「もうすぐに」と言うような意味らしいです。
でも、これはとても重いですね。
マルコに「いつママに会えるの」、「家に戻れるのはいつ」とマルコに問われてもルディは「すぐさ」とも応えられないし、
性・人種・宗教・人の身体的特徴・人の能力や人の意識などの色々な差別や偏見からの私たちの解放は、
「すぐさ」とは言えないから。
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アスペルガー症候群のシモンの物語です。
コメディにしたのが大成功で、十分楽しめました。
シモンは、初めて会う人に自分はアスペルガーだと言います。
スウェーデンではアスペルガー症候群が知られていることでしょうか。
英語(日本語)の題名は"SimpleSimon"、飾り気や無駄が無く単純なシモンと言うことでしょうか。
でも、スウェーデン語の原題は、I rymden finns inga kanslor.『宇宙には感情がない』と言うことらしい。
それは、シモンが常日頃思っていること=感情が無ければ物事は複雑では無くシンプルと言うことでしょうか?
1月5日鑑賞、新年早々の映画は十分堪能しました。