風そよぐ部屋

ウォーキングと映画の無味感想ノート

映画/マイ ビューティフル ガーデン

2017年09月27日 | 映画


可もなく不可もなし、という感じです。
英題は、This Beautiful fantastic
イギリス社会と上流階級のイヤミ・皮肉とこの上ない鼻持ちならなさ、はたっぷり楽しめます。
図書館で知り合い恋人となる男性とのエピソードはいかにもとってつけたようで失敗でした。
クィーンズイングリッシュのなまりの発音が、私にはとても耳触りが良いです。

映画/台北ストーリー[青梅竹馬/Taipei Story]

2017年09月23日 | 映画


1985年作品のデジタル修復版だそうです。
わざわざ映画館に足を運んで見るほどの映画とは私には思えません。
しかし、30年前というのに、台北の姿に古くささを感じませんでした。
「アメリカに行く」(移住)ことが特別なことではなく、とても軽く語られていることに驚きました。
                            【9月4日】

さようなら原発さようなら戦争全国集会、2017

2017年09月19日 | 学習
 福島原発刑事訴訟団
2017年9月18日、代々木公園で、標題の集会が行われました。
雰囲気                      たくさんのブースが並んでいました。
 
第一部の集い[ケヤキステージ]
 
落合恵子さん
 
司会は、俳優の木内みどりさんでした。  写真を撮って良いかと聞くと、「一周回っても良いですよ」と楽しい人たちでした。
 
肌寒い位の前日と違って、この日は33度を超える猛暑となり、疲れてきたので、途中で帰ろうと歩いていると、
後ろから、河西さんに声をかけられ、久しぶりに中川さんとも少しお話し、楽しかったです。
代々木公園は、広いです。ステージ前には日陰がないので、人々は日陰に散らばっているので、全体は見渡せず、
参加者が多いか少ないかはよくわかりませんでした。
でも、ステージが見えない各所にスピーカーが配置されていて、お話はよく聞こえ、とてもよかったです。 【終わり】

映画/タレンタイム 優しい歌

2017年09月11日 | 映画

秀作です。
日本では珍しいマレーシア映画です。監督・脚本はヤスミン・アハマドさん、1958年生まれの女性です。2009年病死しました。
生涯で6本の映画しか世に出さなかったそうです。私は初めて見ました。
英語、マレー語、ヒンディー語、中国語の四つの言葉が行きかうと冒頭に紹介されますが、正確にはさらに手話とクレオール語・
ピジン語の多言語が話されます。
英語も、ガチガチのUK英語とクレオール的マレー英語が飛び交うのです。
クレオール言語とは、一般的に異なる言語を使う人々の間で自然に作り上げられたピジン言語が、世代を経て母語として話さ
れるようになった言語を言います。
確かヒンディー語の時、一部英語の字幕が使われたと思いますが、後はまったく字幕はありませんでした。
もちろん、日本語の字幕は付きますが…。
マレーシアは多民族、多宗教の社会、おそらく多数の共通語は英語と思います。

英語のタイトルは、Tallent Time 由来と思います。テレビなどのそれとは異なり、学校でのアサイメント=ミニ文化祭のよう
なものから作られたTalentime。
四人の高校生が登場します。それぞれの家庭がどんな仕事なのか詳しい説明は触れられません。
イギリス人の父とムスリムのマレー人の母を持つ女生徒・ムルー一家。そこにはムスリムに改宗した中国人の未亡人の
メイドが住み込んでいます。
何で生計を立てているかなどは説明がありませんが、裕福であることは想像できます。
インド人でヒンドゥ教徒のマヘシュ一家。マシューの父親は死亡し、その遺族年金で生活しています。マシューは、
聴覚言語障害者です。日常会話は手話ではなく口話・読唇です。

彼は、ムルーが練習で帰宅が遅くなるので、バイクで送迎することに抽選で選ばれます。
しかし、ムルーは彼が耳が聞こえず音を発せられないことを知りません。
好意を抱く彼に挨拶しても、聞こえない彼は「無愛想」で、彼女の心は、乱れます。
マレー系ムスリムのハフィズ、父親は失踪、母親は脳腫瘍で入院中です。
彼は、転入生ですが、トップの成績です。ムルーにひそかに恋心を抱いています。
中華系のカーホウ、宗教はわかりませんが、ベンツに乗る父親は、息子の成績が悪いと殴ります。
それまで、彼はトップの成績でしたが、ハフィズのその場を奪われ、鬱積しています。
彼も、ムルーをひそかに思っています。
ストーリーは決して複雑ではなく、シリアスでも決してなく、ほとんどコメディです。
四人のタレンタイムをめぐる青春の一コマを縦軸に、それぞれの家庭のかなりシリアスな話題をさりげなく、挿入します。
その内容は、とても深刻なのですが、さらっと物語的に語るのです。
マシューの叔父さんの話は、かなり重いです。若い時、好きな女性がいたのですが、他コミュニティということでマシューの
母親に反対され、ずっと独身で、マシュー一家を援助してきましたが、その彼女がなくなって結婚することになりました。
結婚式で騒ぐ彼らに喪に服すムスリムの隣人が逆恨みして彼を殺してしまいます。
ある夜、ムルーとマシューはデートのところをメイドに見つかり、説教の後、ムルーの家に招かれたのですが、安心と疲れて
寝入ってしまいます。
そのことを知った彼の母は、ムルーとの付き合いを禁じるのでした。
マシューとムルーが愛を語る場面と、彼が母親に切ない胸の内を明かす場面は、手話でした。
私にはその手話が決して滑らかには見えませんでしたが、他の場面では手話は使われていないのに、ここで手話が使われた
意味・価値・重要さを思いました。
そう、「言葉」、思いを伝えるのはとても重要で大事なんです。
とても美しいシーンでした。
ムルーがマシューを好きになったのは、彼の容姿で、まさに彼女のひとめぼれでした。

このこともとても重要です。彼女は、それまで彼を全く知らなかったのですから。
彼女にとって、彼の出自や宗教、彼の言語は?、家庭環境、豊か貧しいか、賢いかアホかなどは関係ないからです。
マシューは初めはムルーに無関心でしか仕方ありませんでした。
でも、彼女は背も高く、美人で、ピアノと歌声は極上で、彼女に密かに心躍らせるのでした。
この映画が特に優れているのは、今日「問題」となっている、ムスリムなどの宗教や異人種間の対立や軋轢をあるがままに受容し、
特別視していないことです。
マレーシア社会がそのように寛容であることを意味していません。
マシューのおじさんの隣人との軋轢はあるし、貧しいインド系ヒンデゥの人々への異教徒・異コミュニティからの差別や
不寛容、逆のそれらも当然あります。
アハマドさんは、そうしたマレーシア社会を批判したり、「寛容たれ」と説教しているのではありません。
いろんな問題を抱えているけど、でもマレーシアの社会の未来は明るいと希望しているのだと思います。
貧しいインド系ヒンデゥ教徒、しかも聴覚言語障害の男性とマレー社会で裕福なエリート社会の家庭、でも、きっとうまくやって
行けるよと、若い二人を後押ししています。
連続して、すばらしいMoonlightとタレンタイムを鑑賞できて、私はとても至福でした。    【9月4日】



映画/ラビング[Loving]-愛という名前のふたり

2017年09月02日 | 映画


トランプ大統領当選以来、アメリカではレイシズムなどの差別主義が横行・跋扈しています。
この映画のタイトルの Lovingは、人の姓です。偶然にしてもとても象徴的な姓です。
黒人女性ルドレッド・ラヴィングと白人男性リチャード・ラヴィングさんは1958年結婚しました。
しかし、当時、ヴァージニア州では「白人」と「有色人種」の結婚を禁じる人種統合法(1924年)に違反すると逮捕され、
1年間の実刑有罪判決を受けました。
その後、二人は制限住居違反などで再度逮捕されましたが、ラヴィング対ヴァージニア州裁判となり、
1967年、アメリカ合衆国最高裁判所で異人種間結婚を禁じる法律を無効の判決が出ました。
しかし、南部のアラバマ州では、2000年になってようやく異人種間結婚禁止法が撤廃されたそうです。
リチャードさんは1975年交通事故で死亡しました。同乗していたラビングさんは、片目を失明し、2008年5月68歳の生涯を終えました。
彼女が、存命していたら今日のアメリカの状況に、彼女はどんなコメントを発したでしょうか?
映画は、重いテーマですが、シリアス過ぎずまた啓蒙的ならず、とても穏やかに二人の物語を綴っています。
セリフが、とても短く、シンプルでゆっくりなのがとてもいいのですが、アカデミー賞に近いといわれたそうですが、
映画の出来はそれほどの秀作とは言えませんでした。
オバマ前大統領の評価は、世では決して高くはありませんが、彼はやはり傑出した大統領でした。
初めて広島を訪れ、核の使用の責任に触れ、脅威を表した現役大統領でしたし、アメリカ社会内の差別撤廃について
大きく貢献しました。       【8月28日鑑賞】