
ロードムービーです。
デイビッドの父、ウディは「100万ドル支払う」という雑誌社の手紙を受け取ります。
でもそれは、「当選番号と一致すれば」の条件がつくジョーク=インチキなのですが。
ウディは一人で歩いて遠く離れたネブラスカに賞金を取りに出かけます。
同棲相手から三行半を貰い落ち込むデイビッドは「長くない親父と少しつきあうか」と軽い気持ちで、ウディを車に乗せます。
彼は軽度の認知症気味と私には思われます。
死ぬ前に、もう一度故郷を訪れたいとの思いに駆られたのでは無いでしょうか。
二人の珍道中が始まります。
途中から身を案じたウディの妻・ケイトとデイビッドの兄も合流し、両親の故郷(ホーソーン=架空の都市)に立ち寄ります。
何十年ぶりに訪れた彼らは、かつての隣人達と懐かしい再会をします。
ウディが「くじに当たった」と知るや、「昔、彼に金を貸したので返せ」、と彼らは豹変します。
「皆私のパンツの中身を狙っていた」が口癖の彼女の「Fuck you!」(字幕は"くたばれ")の一言で、
無心に来たかつての隣人は退散です。
ケイトのキャラクターが傑作で、彼女がこの映画を非常に魅力ある映画にしました。
全編モノクロが落ち着いた雰囲気を醸しだし、デイビッドの穏やかさと優しさがそこに上手く溶け込んでいます。
二人が強盗に襲われ、「当選した手紙」が奪われるシーン不要でした。
それを除いて、特別なドラマチックな出来事がないのも良いです。
ロードムービー2作でした。「旅人は夢を奏でる」は、珍しいフィンランド映画でしたが、
私は、「ネブラスカ」の方に軍配をあげます。 【7月7日鑑賞】