風そよぐ部屋

ウォーキングと映画の無味感想ノート

映画/リップヴァンウィンクルの花嫁

2016年11月29日 | 映画



駄作・下作です。
原作・脚本・監督の岩井俊二は、主演の黒木華を最初からイメージして執筆したと言われます。
黒木華演じる七海は何とも生活感のない女で、黒木華のあのわざとらしいカマトト振りが3時間も続くウンザリです。
前半は七海が出会い系サイトで知り合ったマザコン男・鉄也と結婚し、離婚させられる話し。
鉄也の母親が、息子を取り返すために便利屋・安室を使って彼女の「浮気現場」をでっちあげるというもの。
いかに男と無縁の生活をしてきたと言っても教員を目指すインテリ女性が出会い系で男と簡単に知り合い結婚し、
披露宴の出席者の人数あわせを便利屋に頼んだり、鉄也の浮気相手というの女の男の話を鵜呑みし、家に上げ、
ホテルまで行く、とかもうばからしいストーリーのオンパレードです。
後半は、末期がんで一緒に死ぬ相手を探しているポルノ女優・真白と七海のカラミの物語。
この真白も全く生活感もなく、ポルノ女優という割には体も貧弱で…。
真白が依頼した便利屋が探した相手が七海。
いかに生活に貧していると言ってもメイドで一月100万円の報酬という胡散臭い話しに飛びつくなんて…。
いかがわしい便利屋を何の疑いも無く全面信頼するんです。
真白と七海が同性愛になって、便利屋と男を追い詰め、彼らを破滅に追い込むストリーなら良かったのに…。
岩井俊二は、一部高い評価を受け、女性ファンも多いそうですが、大いなる駄作・下作でした。  【11月28日】

映画/これが私の人生設計

2016年11月20日 | 映画


とても面白かったです。
原題は「生きていてごめんなさい」と言うような意味らしいです。
ストーリーは至ってシンプル。軽快なコメディです。
セレーナは才色兼備の若手建築デザイナー、世界を股にかけて成功を収めていますが、故郷のローマに戻りました。
しかし、イタリア・ローマでは仕事に恵まれません。

男女平等を歌うイタリアですが、建前と本音は大違い、男性優位で、女性は男性の付属物・アシスタントでしかありません。
女性は妊娠を隠し、男性はゲイを隠し、ハゲはカツラを被り、アジア人、黒人はあからさまな差別を受けています。
セレーナは設計だけでは食えないのでレストランでのバイトを始めるのですが、そのオーナーに彼女は一目惚れ、
ところが何と彼は、子持ちのゲイでした。
彼女が乗り回す原動機付き自転車は懐かしくもあり、良かったです。

デザインのコンペ、女性名で申し込んでも見向きもされないので男性名で申し込むと採用されてしまいます。
面接や打ち合わせが必要なので、ゲイのオーナーに代役を頼み、そこから生じる様々なドタバタ騒ぎです。
このドタバタに特別新味や工夫はありませんが、「本音と建前」の乖離から生じるドタバタはまことに面白いものです。
デザイン会社は、イタリア社会の縮図で、権力を振る舞うワンマン社長は秘書がいなければなにひとつできないし、
ゲイを隠す男性社員、妊娠を隠す女性社員、ハゲの男性、インド人など皆憤りのやり場の無いストレスを抱えています。
この映画では、宗教がらみのことは出てきませんでしたが、それはちょっと複雑ですから…。
私に不思議に思えたのは、家賃を払えないセレーナがゲイの社長の家に潜り込んで彼と一つのベッドで寝たり、
頻繁にハグしたりキスをすることでした。

市のコンペで採用されたセレーナのデザインは、公共集合住宅の共有スペースのデザインでした。
商業施設を入れた方が良いという社長の案に対して、彼女の提案は、子ども達の勉強室や住民のおしゃべりスペースでした。
家が狭いので廊下で勉強する子ども、たまり場の無い青少年、どの階も同じで何階かわからない高層住宅など、
裕福では無い住民達の生活のストレスは同様に怒りのやり場がありません。
首を覚悟のセレーナの啖呵はちょっとありふれたものでしたが、それまでのストレスを吹き飛ばすには十分で、
堂々とその事務所を後にするのでした。        【11月14日鑑賞】

映画/ブルックリン

2016年11月16日 | 映画



なんともつまらない映画でした。
アイルランド人のアメリカへの移民が背景にあると言うのですが、全くの期待外れ、単なるありふれた恋愛映画でした。
『ギャング・オブ・ニューヨ-ク』は、19世紀初頭のニューヨークのギャングの抗争を画いた下らない映画でしたが、
それでも、アメリカ建国の息吹とアイルランド移民を取り巻く問題が背景に描かれていました。
所が『ブルックリン』は、アイルランド移民のこと、ブルックリンのアイルランド移民コミュニティーの日常生活等、
ほとんど触れられていません。アイルランド移民でなくとも何の問題も無い、ただただありふれた恋愛映画でした。
ただ、第二次世界大戦後のアイルランドの閉塞感とその保守性は背景に描かれていました。
小さな村では、人々はお互いが顔見知り、噂話とゴシップが日常のすべてであるかのようで、息苦しいです。
主人公のエイリシュが、母親にも結婚したことを話さず、結婚リングを外してアイルランドに帰省し、独身を装い、
そこで新しい恋人を簡単に作ったりと「?」が多すぎです。おいおい、こんなのありかよって言う感じです。
彼女は結婚していることがばれなければ、そのままアイルランドに留まったのでしょうか。
何ともストーリーに無理がありすぎ、退屈でした。        【11月14日鑑賞】


最近の身体状況、そして孫の誕生

2016年11月12日 | 雑談
69歳の誕生日を迎え、体の老化がいくつか現れています。そして、孫が誕生しました。
私のブログのテーマではありませんが、記します。
① 神 経 痛
9月から、左下肢と臀部に神経痛が出ました。腰椎の軟骨がすり減って神経を刺激しているのだそうです。
数年前私は、右臀部座骨神経痛でした。医師から足腰の筋力強化とストレッチとウォーキング等を薦められ、
かなりマジメにトレーニングに取り組み、改善しました。
今回の神経痛の対処・改善も同様と言われました。
日中は痛みは少なく軽いので日常生活への支障は少ないのですが、就寝中、左臀部と左フクラハギに痛みがあり、
就寝中に度々目が覚めます。
日中は痛みが少ないので、スポーツジムで体幹体操、エアロバイク、ウエイトトレーニング、ストレッチをしています。
が、まだ改善はしていません。長時間のウォーキングはふくらはぎに痛みが出るので出来ません。
② 風  邪
10月に入って、風邪を引きました。以前から、風邪の時はのど・気管支がやられるのですが、今回は長引きました。
発熱は無く、咳も多くは無かったのですが、痰が絡みました。
③ 白 内 障
10月下旬頃、見づらくなりました。眼鏡の度が合わなくなったと思い、目医者に行き視力検査をしてもらいました。
白内障の手術は、水晶体の嚢(ふくろ)に眼内レンズを挿入します。
術後、その嚢(ふくろ)の後ろの部分が厚くなって濁り、白内障と同様の症状になるそうです。
私は、白内障手術の手術を2015年の1月と3月にしました。
私の見づらさは、眼鏡では無く、白内障の術後の嚢の曇りでした。
白内障になった時の見え方の一例

レーザー光線で曇った嚢に窓を開ける手術(後嚢切裂術)で改善できるそうです。

私は、11月7日、右目の「後嚢切裂術」を受けました。左目は1週間後です。
市内の町医者で受けました。手術は30秒程でしたが大変な混みようで2時間も病院に拘束されました。
10月31日検査2720円、11月7日右目手術5940円・目薬440円、11月9日左目5940円、11月10日術後観察1190円、
計16230円と、かなりの高額でした。医療保険は入っていません。
夏に、涼しくなったら、米沢の寺社巡りの小旅行を計画していたのですが、以上のようなような体の変化があって、
それも出来ませんでした。
これらの症状は、私の死に直結するほどの緊迫した重篤とは言えませんが、加齢により、私の体力が落ちていることは
疑う余地はありません。
先日見た、「神様メール」の映画は、余命を神様がメールしてしまう映画でした。
余命、1週間、1ヶ月、1年とわかった、宣告された時、私はどんな心理状態になるかは全く想像できませんが…。
加齢による体力の低下は、心持ちへの影響があり、それは意外に強いものです。
一番は、意欲、気力の衰退です。あれをしたい、これをした、旅したい、などの気持ちがドンドン薄れていきます。
次は、それとは逆に、日常のルーティン・習慣への拘りがかえって強くなり、その変更が面倒になると同時に、
それらを変更することに拒否感を覚えるのです。
実際は、それらを変更しても何の問題も無いのですが、大きなマイナスのように感じるのです。
結果、とても保守的・頑固になって行きます。
私は、こうした拘りは良く作用することもありますが、創造性の希薄さと頑固さなどのマイナスの方が強いと思います。
そして、これは「認知症」への誘い水のような気もするのです。
出来ないことを嘆かないで、バカボンパパの「コレデイイノダ」と現状を享受・楽しむ方が良いと言われているそうです。
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11月9日12時43分、私達夫婦に三番目の孫が誕生しました。2972グラムでした。
私の体力の低下を感じている時、新しい命の誕生に不思議な"縁"を感じます。
元気に乳を飲む姿を見ることが出来ました。
私の頭髪はとても後退し薄いのですが、彼の頭には、もうふさふさの毛がしっとりしていました。
泣き声はまだ聞いていません。

映画/ルーム

2016年11月07日 | 映画



文句なし 最高の秀作です。
アイルランド・カナダの映画は、日本では珍しいです。
、主演のブリー・ラーソンが88回アカデミー賞・主演女優賞を受賞しましたが、作品賞には選ばれませんでした。
作品賞を受賞したのは、「スポットライト 世紀のスクープ」、その他「マッドマックス 怒りのデス・ロード」、
「レヴェナント・蘇えりし者」などだそうです。アメリカのアカデミー賞とは所詮、そんなものですが…。
原作の小説も映画もフィクションですが、オーストリアで起きたフリッツル事件をベースに着想を得たと言われています。
私はその事件を知りませんでしたが、実の父に24年間も監禁され、性的虐待を受け、7人の子供を出産した事件だそうです。
この映画を見始めた時は、私は少し小馬鹿にして見ていました。奇をへつらう「際物」映画のような気がしたからです。
しかしその思いはすぐ消えました。女性が監禁された事情などを細々説明すること無く、監禁の「日常」を坦々・淡々と
テンポ良く、かなり無機質チックに描きます。
その坦々・淡々さが、二人が置かれた日常の「異常」さを見事に描いたからです。
それは、これから先のストリー展開の興味より、恐ろしい程の戦慄的恐怖を覚えさせました。
若い女性・ジョイは変質者に拉致され、納屋に監禁されます。
彼女は、そこで男の子・ジャックを産み、育てます。
二人の外界とのつながりは天窓しか在りません。

ジャックが5歳の誕生日を迎え、彼女は「決死」のしかし彼女にとっては絶望的脱出作戦を考えます。
絶望的というのは、脱出するのは息子だけで、彼女は脱出できないからです。
風邪を引き高熱で苦しんでいるからジャックを医者に診せてと言う嘆願作戦は失敗します。
その失敗で、部屋の電気が止められます。次の作戦は、ジャックの死、です。
男に、ジャックは死んだので彼を埋めて来てと頼みます。
この決断は、ジョイにとっては「永遠の別れ」になりかねない危険性を孕んでいます。
絨毯に包まれたジャックは、その隙間から初めて、世の中を見ます。
このシーンの描き方も、大袈裟すぎず、映画的にはかなり禁欲的描き方で出色でした。
彼は、ママから言われ練習した様に、トラックの荷台から逃げだし、助け出されます。
ここから登場する人々は、テレビのインタビュアーを除いて、善意の、良い人々でした。
ジャックの訴え、説明は普通なら、「何を訳のわからないことを言っているの」と、無視されるからです。
最初に彼を助けた男性、連絡を受けた女性警察官、この二人は特に素敵でした。
ジャッックの訴えをまともに受け入れ、的確に対応したからです。
ジョイとジャックの肉体ははこうして解放されますが、心の「解放」には大きな困難が待ち受けています。
ジョイの母親と彼女の新しいパートナーの優しさ、豊かさが、映画のこれまでの戦慄的恐怖を解放し、
私達に人の優しさ、暖かさを取り戻してくれましたが、映画の後半のこのテーマは前半よりはるかに難しく、
「息切れ」してしまい、残念ながら成功とは言えません。
それはカウンセリングやセラピー、旅や、時の流れだけで簡単に癒えるものではないでしょうし、
映画で描くのは簡単では無いからです。
この映画で、セックスシーンが無かったのはとても良かったです。
その後、二つのかなりショッキングなエピソードがありました。
一つは、テレビのワイドショウの格好の題材となり、何とも無神経なインタビューを受けたことと、
二つは、母親と離婚したジョイの父親がジャックと目を合わせることが出来なかったことです。
ジャックの「父親」は、その犯罪者なのですから…。
自由となったジョイですが、心の安寧を取り戻すのは簡単ではありません。
彼女は、自死を試みますが、一命を取り留めます。
ジョイは、ジャックに「父親はいない」と告げます。
この言葉には深く、いろんな意味が宿っていると私は思います。
過去と決別し、前を向いて生きようというジョイの静かだが強い思いが秘められています。
映画後半は、息切れしてテーマを十分掘り下げることは出来ませんでしたが、それでも文句なし 最高の秀作です。
「誘拐・監禁」をテーマにした映画は、古典的映画となった「コレクター」を始めいくつも作られています。
そしてこの種の犯罪は、今日でもなおしばしば行われ、つい最近も日本で起きました。  【10月31日鑑賞】

蕨・宿場祭り

2016年11月04日 | ウォーキング

11月3日、蕨市宿場祭りが行われました。
蕨・手話サークルは、バザーを出店したので覗いてきました。






 
パレードの様子 行田市から「忍城」の人々も参加したようです。
 
頼高蕨市長です。
 
浜名湖からの参加                   蕨市のマスコット、"わらじろう"と言うそうです。
 
帰りに、三学院と和楽備神社を参拝しました。
三学院・真言宗智山派
 

地蔵

和楽備神社
 
                                     和楽備神社に隣接する蕨城址公園内の成年式発祥の地の碑
 
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寒い昨日とうって変わって、小春日和となり大変な人出でした。
のみの市の出店は以前より少なくなり、逆に屋台がめっきり増えたように思います。
私の宿場祭りのブログは次です。
以前の蕨宿場祭りの様子
以前の宿場祭り屋台の様子               【終わり】
 

映画/ロイヤル・ナイト

2016年11月01日 | 映画



「ローマの休日」の、柳の下の二匹目のドジョウをもくろんだのでしょうが、ドジョウはやはりいませんでした。
何ともつまらない駄作でした。
「ローマ」は、ヘップバーンの愛くるしさとグレゴリー・ペックの二人の強烈さだけでなく、
おとぎ話的ストーリーの卓越さを持っていましたが、
この映画には、ストーリー、エピソードに何の工夫もドッキリ感や新鮮さ、おかしさも全くないのでした。
護衛に付いた軍人の間抜けぶりにはただあきれるばかりで全く興ざめでした。
その護衛を巻いた二人が行った場所が"娼館"とは、もう何をかいわんやでした…。
英語で、それをWorking shop と言っていました。ワーキングガール、BG等の使い方は要注意ですね。
王室と聞くと「直立不動」してしまう人々の姿・シーンにはもう辟易、ヒトラーを連想しました。
現存しているエリザベス女王ですから、軽々に扱えないのかも知れませんが…。
実話を基にしているとのことです。第二次世界大戦・ヨーロッパ戦争の終戦の日に、王女が街にでたのが事実なら、
それは驚きの素晴らしさではあります。
しかし、私は、日本の天皇制を筆頭にすべての王族・貴族等の階級的身分的差別は嫌いです。 【10月31日】