
アルゼンチン版『世にも奇妙な物語』とでも言えそうです。
日本では少し不謹慎に当たるかも知れないエピソードもありますが、あくまでもコメディです。
日常に「ふと」訪れる偶然の不幸な出来事・悲劇…、その先にあるものは?
六つのエピソードに共通するのは「キレル=暴力」です。そして私たちの中に潜む「他人の不幸」を喜ぶような感覚です。
六つのオムニバスです。こんな過激な映画をアルゼンチン在日本大使館が後援しています。

こちらは十分楽しめましたが、後半三つ、特に最後のエピソード"Happy Wedding"の「オチ」は賛成できません。
前半の三つはブラック、後半の三つはまさにハッピィエンド・常識の世界にもどってしまい、
前半のインパクト・ブラックがすっかり色あせ、画竜点睛を欠いてしまいました。
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ヴェネチア映画祭グランプリ受賞ですが、私にはおもしろくありませんでした。
非ハリウッドの映画賞はどうも一人よがりの「難解」作品を好むようで、批評家が「君ら大衆にはわからないだろうね…」
と屁理屈をこね回して、我々を馬鹿にしているようでイヤミです。
死に際した老婆が宝石や金に執着するなんて不条理でも何でもなく、普通でしょ。
ほとんど同じようなたいした不条理でないエピソードを「不条理コメディ」とは。
日本での題名も「さよなら、人類」などと大袈裟を通り越して陳腐です。
原題の「En duva satt pa en gren och funderade pa tillvaron」は「枝の上で人生を考える鳩」でしょうか?
おいおい、鳩が人生を考えるかよ、何とも大袈裟で、哲学を気取っています。
スウェーデン映画というので期待したのですが、後味の悪い映画でした。 【2月15日】