風そよぐ部屋

ウォーキングと映画の無味感想ノート

映画/ザ・シークレットマン

2018年08月31日 | 映画


普通作です。アメリカの国家権力の暗黒さをうかがい知ることが出来ます。
それは権力犯罪と言うことが出来ます。世界の多くの国々では、謀略やスパイ活動、人権弾圧、
人々の監視や盗撮・盗聴が行われているようですが…。
インターネットの時代、情報収集と情報操作はおそらく私たちの想像をはるかに超えている
でしょう。
主演のリーアム・ニーソンが年を取り、すっかりスリムになりまるで別人でした。    
  【8月27日】


映画/ナチュラルウーマンUna Mujer Fantastica

2018年08月24日 | 映画


秀作です。原題はUna Mujer Fantastica,英訳はA Fantastic Womanでしょうか。
ストーリーは複雑では無いです。
マリーナは、男性として生を受けますがトランスジェンダーです。
彼女の誕生日、パートナーのオルランドは「イグアスの滝へ行く券」と記された便箋の入った封筒を渡します。
ここがこの映画の一番のナンセンスなところです。
本物の飛行機などのチケットを渡せばよかったのに…。
その晩、彼は突然死します。彼女は警察から殺人の容疑を受けます。
身体検査や尋問は彼女を男性として扱つかいます。
この屈辱的出来事に彼女はどうにか耐え切りますが、その後の彼の親族の対応は余りにひどいものでした。
遺産の相続、葬儀への参加の拒否はだけでなく、彼との関係が一切無かったように彼女を罵るのでした。
ものすごい逆風に立ち向かうこのシーンは、この映画の出色なのですが、ちょっと作為的映像過ぎでした。

彼女は、二人で飼っていた犬だけをやっと奪い取ることが出来ました。
オルランドは、鍵を残していました。行きつけのサウナのロッカーの鍵でした。
この中に何が入っているか想像を膨らましますが、冒頭に記した無理筋のナンセンスの落ちのようでした。
常識的に言えば、同性婚がまだまだ認められていない現在においては、資産の分散や遺言はやはり必要です。
第90愛アカデミー賞(外国映画賞)など数々の国際賞を受賞したそうです。
主演したダニエラ・ヴェガ(29歳)は、自らもトランスジェンダー歌手だそうで、
映画で流れる歌が彼女のものなら素晴らしい美声です。そしてすこぶる美しさです。

チリで作られたのも素晴らしいです。一昔前のチリでは信じられなかったでしょう。  【8月13日】

映画/The Shape of Water

2018年08月18日 | 映画


おもしろかったです。
先週に続いて、サリー・ホーキンスさん主演でした。
現実的話ではなく、全くの作り話です。
アマゾンの奥地で未確認生物が発見され、その利用を巡って冷戦下の米ソが争います。
アメリカ政府の極秘研究所の清掃員・イライザは、耳は聞こえますが、発声出来ません。
不思議な生きもの彼は、人間ほどの大きさで両生類のような半漁人でした。
彼は、アマゾンでは神として現地人の崇拝を受けていました。
ちょっと不自然なのは、アマゾンで発見されたと言うのに海水に住むというのです。
おそらく、作者には深い意味があるのでしょうが私にはその設定がわかりませんでした。
彼は人の言葉は使えませんが、イライザには彼はどこか「凜」として、知性すら感じ、優しく接します。
ところが、イライザを除いた人間は彼を「野獣」としてしか見ず、乱暴に扱います。
イライザは、ゆで卵を与えました。こうして彼らは、次第に心を通わ、彼も手話を理解するのでした。

イライザの同僚の黒人女性・セルダは、イライザを差別無く、優しくつきあっています。
また、イライザの隣人はハゲの同性愛者の男でした。
ひょんなことで彼がその男の頭を触ると、わずかですが髪の毛が生えて来て、
彼も彼に親近感を抱き、味方になります。
ある日、イライザが出勤すると彼女はいつもと違ったピンクの靴を履き、上機嫌でした。
セルダが、「彼とセックスしたの、彼にペニスはあるの?」と聞きます。
イライザは、手話=ジェスチャーで「隠れていたペニスが勃起して出てきたのよ」と言うのでした。
とても印象的ででしたが、私は思わず笑ってしましました。
終わり方はどうするのか、と思っていました。

かなり、常識的終わり方でした。
主演した、ホーキンスさん、決して美人では無いのですが、とても素敵です。
前作と同様、障害のある人を演じましたが、どことなくひょうきんでドジで、陽気でした。
登場人物が、黒人、同性愛者、身体的障害者であったり、スパイなのに心に傷を持っていたり、
彼に同情して祖国を裏切ったりと、マイノリティ的人々が特別では無く、それとなく登場しています。
おそらく、アマゾンの彼もそれらの人々とは変わらない存在だと言っているのかもしれません。
実際は彼の方が人よりとても優れている能力を有しているのですが…。 【8月13日】

映画/しあわせの絵の具 愛を描く人モード・ルイス

2018年08月14日 | 映画

素敵な作品です。カナダの女性画家モード・ルイスさんの半生を描いています。
モード・ルイス(1903年~1970年)さんは、カナダの田舎の風景、動物、草花をモチーフに、明るい色彩と
シンプルなタッチで温かみと幸福感のある絵を描いた画家です。私は知りませんでした。

映画は、かなり寒々と荒涼感のあるカナダの雄大な自然を背景に、しっとりと良く仕上がっています。

モードは、若年性関節リウマチを患い、手足が不自由で体も小さく、激しい偏見と差別を受けました。
自立を目指した彼女は、住み込みの家政婦の仕事をようやく手に入れます。
そこは、孤児院で育ち、魚の小売り業を細々と営むエべレット・ルイスの掘っ立て小屋でした。
その小屋は狭く、ベッドは屋根裏に一つしか無く、二人は一つベッドで寝るしかありませんでした。
ぎこちなく背を向けてベッドで寝る様子はおかしいです。
彼は、充分教育が受けられず、読み書き充分にできない無教養で少しぶっきらぼうな男でした。
モードは、障害のせいで家事も上手にこなせませんが、エべレットの冷たい仕打ちにも、
なんとか食らいついて行きます。
その合間に、絵を描き始めます。
彼女の絵は、決して上手くはありませんが、南国のような暖かみのある色彩とほのぼのとした絵柄でした。

絵はがきなどが少しずつ売れましたが裕福では無かったそうです。
映画の最後に、実物の彼女のビデオ映像が数分流れます。
主演したホーキンスはこの映像を穴の開くほど見たのでしょう、本当の障害者のように見事に演じました。

主演したホーキンスはお世辞にも美人ではありませんが、この映像を穴の開くほど見たのでしょう、
手足が曲がり、上手く歩けない若年性のリウマチのモードを誠に見事に演じました。
モードさん、一見ひ弱そうですが、ちょっとドジで抜けてて、それでいて茶目っ気も。
他方、エベレットさんもはじめは威張っていたのに、次第にすっかり彼女の「尻の下に敷かれる」優しさに。【8月6日】





映画/15時17分、パリ行き

2018年08月08日 | 映画


正直言って、駄作です。
イーストウッドも老いたな、彼の薄っぺらな「英雄アメリカ人」映画です。         
2015年パリの列車で銃乱射事件が発生しました。
たまたまその場に居合わせたアメリカ軍兵士が、犯人を取り押さえました。
その当事者が映画を演じると言うことだけが今回の目玉で、ただそれだけの映画です。
それでは場が持たないので、パリやローマの観光名所が多く写されます。 【7月23日】