
おもしろかったです。
先週に続いて、サリー・ホーキンスさん主演でした。
現実的話ではなく、全くの作り話です。
アマゾンの奥地で未確認生物が発見され、その利用を巡って冷戦下の米ソが争います。
アメリカ政府の極秘研究所の清掃員・イライザは、耳は聞こえますが、発声出来ません。
不思議な生きもの彼は、人間ほどの大きさで両生類のような半漁人でした。
彼は、アマゾンでは神として現地人の崇拝を受けていました。
ちょっと不自然なのは、アマゾンで発見されたと言うのに海水に住むというのです。
おそらく、作者には深い意味があるのでしょうが私にはその設定がわかりませんでした。
彼は人の言葉は使えませんが、イライザには彼はどこか「凜」として、知性すら感じ、優しく接します。
ところが、イライザを除いた人間は彼を「野獣」としてしか見ず、乱暴に扱います。
イライザは、ゆで卵を与えました。こうして彼らは、次第に心を通わ、彼も手話を理解するのでした。

イライザの同僚の黒人女性・セルダは、イライザを差別無く、優しくつきあっています。
また、イライザの隣人はハゲの同性愛者の男でした。
ひょんなことで彼がその男の頭を触ると、わずかですが髪の毛が生えて来て、
彼も彼に親近感を抱き、味方になります。
ある日、イライザが出勤すると彼女はいつもと違ったピンクの靴を履き、上機嫌でした。
セルダが、「彼とセックスしたの、彼にペニスはあるの?」と聞きます。
イライザは、手話=ジェスチャーで「隠れていたペニスが勃起して出てきたのよ」と言うのでした。
とても印象的ででしたが、私は思わず笑ってしましました。
終わり方はどうするのか、と思っていました。

かなり、常識的終わり方でした。
主演した、ホーキンスさん、決して美人では無いのですが、とても素敵です。
前作と同様、障害のある人を演じましたが、どことなくひょうきんでドジで、陽気でした。
登場人物が、黒人、同性愛者、身体的障害者であったり、スパイなのに心に傷を持っていたり、
彼に同情して祖国を裏切ったりと、マイノリティ的人々が特別では無く、それとなく登場しています。
おそらく、アマゾンの彼もそれらの人々とは変わらない存在だと言っているのかもしれません。
実際は彼の方が人よりとても優れている能力を有しているのですが…。 【8月13日】