原題:An Education
ヒロインのジェニーは16才の高校三年生、オックスフォード大入学を願う優等生。
ひょんなことから倍以上のデイヴィッドにナンパされる。
これまでの生活が非常につまらないものに思え、彼と結婚を決意する。
ところが、彼には妻子があり、現実に戻される。という単純なストーリー。
ところが、良くも悪くもイギリス映画。大人社会の本音と建て前の使い分け・乖離が何ともおかしく楽しい。
このデイヴィッド、ユダヤ人。ジェニーの親や教師達の本音はユダヤ嫌い、でも建前は人種差別反対。
デイヴィッドの仕事は、不動産屋なのだがかなりやばいこともする。
追い出したい住人の近くに黒人家族を住まわせ、「黒人は怖い"を利用して追い出しを計ったり。
彼と彼女の関係がうまくいかないのは観客にわかるのだが、どのように破局するかに興味が移るが、
それはあっけなく、余り工夫のあるエピソードでないことから明らかになってしまう。
もてあそばれたことを知ったジェニーは復学し勉学を目指す。
ジェニーは担任の女教師に助けを求める。彼女の言葉、「その言葉を待っていたのよ」にこの映画は救われる。
おそらくアメリカ映画だったらこの上なく愚作になっていただろうが、皮肉の効いたイギリス映画で見事なB級映画になった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
原題:Cassandraa's dream{弟のテリーがドッグレースで大穴を当てた犬の名前}
原題からは映画のイメージは想像がつかない。
ウディ・アレンの映画というのでインテリ達の機関銃のような会話劇かと思ったが違った。
かなり単純なサスペンス、イアンとテリーの兄弟の物語である。
兄のイアンは切れ者、弟のイアンはギャンブル好きの平凡な男だが、負けて街金から巨額の借金をしてしまう。
二人は、成功している母の兄に借金を頼む。だが、その叔父は不正経理をしていてそのことを知る会社の同僚の殺害を計画していた。
兄弟は、その男の殺害の代償としてお金を受け取る。
だが、さすがと言おうかアレンである。
少しも飽きさせることない、でもこれはほめ過ぎかな。
一回のポーカーで1000万円以上の謝金、殺人計画が余りにずさん、おじさんの殺人の動機の脆弱さ、
などいささかストーリーには無理というか、工夫がいまいちではある。
兄弟の性格描写もかなりステレオタイプ過ぎる。
殺人の現場や、事故死など人の死体の映像がない、ベッドシーンがない、のも良い。
私は、イアンのイギリスらしい発音がとても耳に心地よかった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
【蛇足】
我が家も、ついに 液晶テレビを買った。
半年ほど前インターネットを光ファイバーにした。
来年にはアナログテレビを見ることが出来なくなるので、アンテナの変更工事だけ先にしようとしたのだが、我が家は三階建て、
三階建ての屋根のアンテナ工事を引き受ける電気店は無かったので光ファイバーにしたのであった。
光ファイバー導入でインターネットの利便性は格段に良くなった。
その時、我が家の古いアナログテレビでもBSアナログ放送を見ることが出来る様になった。
私は、見たいテレビ番組はビデオに撮って見ることが多い。
おもしろくない時は早回したり見なければよいからである。
ところが長年愛用していたビデオデッキが半年前に壊れ、その後中古店で2000円のビデオデッキを買ったのだがそのデッキの調子が悪くなってしまったのだ。
そこで地上デジタル対応のテレビを買う事になった。
液晶テレビ、プラズマテレビ、3Dテレビとタイプも色々あったが液晶テレビが一番安かったのでそれにした。
レンタルビデオはほとんど見ないのでブルーレイの録画方式のテレビは買わなかった。
エコポイントのおかげで価格は決して高くは無かった。
エコポイント・エコ減税は税金の出血サービスによる大企業優先の以外の何ものでもない。
家電メーカー、自動車メーカーは日本の基幹産業でそれらの景気が良くなれば他の分野にも波及し日本経済の浮揚となるという理屈だ。
だがこの政策は長くは続けられないし、その期間が終われば特需が無くなり景気を下降させるのは必定だ。
するとまた耳障りの良い景気浮揚のための大衆迎合作が浮上するに違いない。
実は、先の不況は絶好のチャンスだったのだ。
大量生産・大量消費の経済成長ではなく、いわゆる福祉など非生産部門での安定的雇用をきちんと作り出す絶好の機会であったのだ。
人々の願いは、子ども手当の満額支給やばらまきではない。
きちんと仕事を持ち続け、家庭を作り、安心して老いて一生を終えることのできる、将来の心配をしない社会システムである。
それが現実的であれば、ワークシェアリングや応分の負担をすることは喜んで果たしたいのだ。
与野党の政権交代が起きようが、社会のこの基本システムには変更のない安心・安定の糸口を作る絶好の機会であった。
ところが衆参で多数派になった民主党はおごり高ぶり、多数派の暴力をほしいままにした国会運営をし、
そうした将来ビジョンを共に作ろうと国民に丁寧語らなかった。それが参院選の惨敗の最大の要因だ。
おとっと、脱線。
地デジ、BS、CS、地上アナログと大きく四つの放送システムがあり、放送局の数は数えるのもいやになるほど多い。
果たしてどれくらいの人々がその放送を見ているのだろうか。
その多くは有料放送で、我が家では有料テレビ放送は全く契約していない。
これまでの普通の地上アナログテレビ局はほぼ同様の名前を持つ地デジ放送局も持っている。
その内容は一部重複するが別物である。過渡期と言うことで仕方ないことなのだろうか。
私の驚きは、こんなに沢山の放送局が破産せず経営が成り立っていると言うことである。
私には"大いなる無駄"としか思えない。
ほとんどが民放だからスポンサーがいると言うことである。
さて、ハードディスクが内蔵されたテレビの録画はとても簡単で、同時に2番組録画でき、録画の再生もきわめて簡単である。
早送りやスローの再生も簡単できれいであった。
マジックを録画してスロー再生したらその早業が種明かし的に見ることが出来ておもしろかった。