風そよぐ部屋

ウォーキングと映画の無味感想ノート

映画/マダム・フローレンス![Florence Foster Jenkins]

2017年04月29日 | 映画


フローレンス・フォスターは、1868年生まれのアメリカ人、76歳の時、カーネギー・ホールの舞台に立ったそうです。
第一次、第二次世界時に活躍した歌手と紹介されていますが、まさに聞くに耐えらえれない音痴でした。
実は、彼女は父親から莫大な財産を受け継いで、そのお金・地位などを駆使して、取り巻きの「ファンクラブ」を作り、
晩年には、カーネギー・ホールを買い占め、音楽批評家を買収し、まさに「裸の女王様」のコンサートでした。
伝記と言うより、彼女の晩年のこの下らないエピソードのコメディ映画です。
しわくちゃでブヨブヨに太ったメリル・ストリープでした。
わざわざ映画館に足を運んで見る映画ではありません。     【4月17日】
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併映の「エブリバディ・ウォンツ・サム!」は、余りに下らない映画でした。

大門[芝増上寺]~GINZA SIX~築地[築地本願寺]を歩きました。

2017年04月24日 | ウォーキング

芝増上寺本堂
4月20日、浜松町・増上寺から虎ノ門、GINZA SIX、東銀座・築地・本願寺を歩きました。

JR浜松町駅を降りると東京タワーや高層ビルが目に入り、増上寺の旧総門の大門が見えてきます。
 
芝大神宮                               武者小路実篤の碑
 
浄運院・浄土宗                            花岳院・浄土宗
  
安養院・浄土宗                            常照院・浄土宗                           
観智院・浄土宗                            常行院・浄土宗  
 
ペルリ提督像                            源興院・浄土宗
 

浄土宗大本山増上寺
三解脱門(三門)


増上寺境内図

グラント松(アメリカ大統領グラント来日時に植えた松)
 
阿波丸慰霊碑
 
 
熊野神社                               
 
鐘楼堂                                 筆塚
 
大  殿(本堂)                            大殿内
 
安国殿
 
徳川将軍家墓所(通常は未公開、春の特別公開、500円)
 
 
四体菩薩(墓所前)
 
大納骨堂                               茶室・貞恭庵
 
圓光大師堂                              千体地蔵
  
西向き地蔵

光摂殿                                土木建築者慰霊碑
    
黒門                                  慈雲閣
 
旧台徳院霊廟総門[仁王門]
 
増上寺に隣接する芝公園内
東照宮                                平和の灯
 
宝珠院・浄土宗
 
三すくみ(三すくみ状態の蛇・蛙・ナメクジ、ナメクジはわかりませんでした。)
 
善長寺・浄土宗                           大眼院・浄土宗
 
心光教院・浄土宗                           瑠璃光寺・曹洞宗
 
東京タワー

金地禅院・南禅寺派臨済宗
 
光寶寺・曹洞宗                           幸稲荷神社
 
幸稲荷神社境内御祠石影向石(熱病、夜泣きに御利益が…)         水道局施設(災害時給水所)
 
オランダ大使館                           雲晴院・浄土宗
 
青龍寺・曹洞宗                            光円寺・真宗大谷派
 
光明寺・浄土真宗                           境内に旧西久保幼稚園の碑
  
1772年大火供養塔                         常楽堂
 
俊朝寺・曹洞宗                           考寿院・曹洞宗
 
清岸院・曹洞宗                           
 
青松寺・曹洞宗 山門



 
青松寺本堂                            
 
本堂内                                観音聖堂 
 
座禅堂
 
法輪観音                          鐘楼
 
  
青松寺境内、智正庵                         望楼
 
総持寺出張所伝叟院・曹洞宗 愛宕山エレベーター[NHK放送博物館・愛宕神社は23区内で一番の高さの標高25.7mだそうです]
 

NHK放送博物館                           愛宕神社
 
愛宕神社出世の石段(講談で有名な馬術の名手・曲垣平九郎の故事に由来)

出世の石段、下から(大勢のサラリーマンらしき人が参拝していました。) 大雄院・真言宗
 
天徳寺・浄土宗
 
摂取院・浄土                             栄立院・浄土宗
 
光島院・浄土宗                           栄閑院・浄土宗
 
栄閑院、杉田玄白の墓
 
栄閑院本堂                              栄寿寺・浄土宗
 
真福寺・真言宗智山派               虎ノ門ヒルズ
 
地下鉄銀座線虎ノ門駅から銀座駅に向かいました。計画では、新橋駅に出たそこから銀座に向かい、
更に築地市場などを見て、築地本願寺に向かう予定でしたが、ここまでずいぶん時間がかかったので、
銀座松坂屋跡に出来た「GINZA SIX」を見て、後は築地本願寺だけを参拝することにしました。
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GINZA SIX                              GINZA SIXの草間彌生さんの新作インスタレーション     
 
改装なった歌舞伎座と歌舞伎座タワー
 
東劇                                  銀座の通りで
 
築地本願寺・浄土真宗本願寺派



 
 
本堂内に巨大なパイプオルガンがあります。          そしてステンドグラスも           
 
浄土真宗本願寺派特有の巨大建造物・ちょっと殺風景な境内に、似つかわない西洋の建築物のような本堂。
墨田区にある東京都慰霊堂、大倉集古館、一橋大学兼松講堂などを設計した伊東忠太さんの作品だそうです。
毎月最終金曜日には、パイプオルガンによるクラシックや仏教讃歌コンサートも行われるそうです。
諸処に動物意匠もあるそうです。夕暮れが迫りゆっくり探す時間の余裕はありませんでしした。 
 
日蓮上人像                             台湾物故縁者碑
 
左から、間新六(赤穂浪士)供養塔、森孫右衛門(佃島開発)供養塔、土生玄碩(江戸時代眼科医)墓、酒井拘(江戸時代絵師)

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今日は、浄土宗の増上寺、曹洞宗の青松寺、浄土真宗の本願寺の三つの大きなお寺を巡りました。
宗派の違いが境内、建物にも現れているように感じます。
青松寺は少し馴染みが薄いかもしれません。今でこそ、虎ノ門・愛宕と言えば大オフィス・高級住宅街ですが、
虎ノ門・愛宕再開発以前は、旧地権者の利害や三階建て以上の建物禁止などで開発が難しかったそうです。
大きな権力と大資本と利権が絡み、広大な青松寺境内とその周辺は再開発の敷地を確保したことは疑う余地はありません。
東京駅周辺、品川駅周辺、六本木・虎ノ門などで今行われている都心の乱再開発は、まさにバブルの再来、
人々は踊らされている、と感じます。
鳴り物入りのGINZA SIXも私には全く無縁な大きいだけのショッピングモールに過ぎませんでした。
私は、青松寺を全く知りませんでした。広大な敷地は訪れる人もわずかで静寂でした。
山門からではなく、芝学園下の方から私は入りました。ここは参道が何とエレベーターなのです。

初めの計画では、東銀座周辺から今ホットな論争になっている築地市場なども訪れる予定でしたが、
望外に時間がかかり、行けませんでした。
気候は、暑くも無く寒くも無く、風もなく、でした。後半はちょっと疲れましたが、楽しいウォーキングでした。
増上寺は外国人も多く、本願寺は外国人が少しいました。      【終わり】



  

映画/幸せなひとりぼっち

2017年04月17日 | 映画


原題は「En man som heter Ove」、[オーヴェと言う名の男]、スウェーデン映画です。
ヒューマンドラマと言うことですが、ほとんどコメディでほのぼのと楽しめました。
多くの人は年をとると気難しく頑固になるものです。
オーヴェは、普通の人のそのレベルを越えて、変人気味の頑固男です。
共同(福祉)住宅街の敷地内は、車の進入禁止、犬の散歩禁止、煙草の吸い殻ポイ捨て禁止、です。
彼は、地域の治安を守るため、誰からも望まれていない見回りを日課とする日々を送っています。
60才直前、妻に先立たれ、長年勤めた鉄道会社も首になり、もはや彼には「生きる意味・生きがい」も無くなり、
自殺を願望します。
彼は、自死に向かっても几帳面で、ネクタイを締め、髪をきれいに整えてあれこれ試みるのですが、
その度に何度も失敗します。
隣に、イラン人移民家族が引っ越して来ます。
彼と区長を争った友人は、車椅子生活で口も自由になりません。
街でチンピラに絡まれている青年を助けました。彼は妻の教え子で、レストランで働いています。
彼の店に行くと、アイラインを入れた青年が居ました。彼のホモセクシュアルの恋人でした。
他方、福祉公社の職員は、公務と言って車を乗り入れ、車椅子の友人を施設に入れようと策動します。
福祉社会と言われるスウェーデンですが、やはり矛盾、問題はあるものです。
オーヴェは、亡き妻の元に一刻も早く行きたいのですが、そうした隣人達との「トラブル」に巻き込まれ、
「旅立ち」出来ません。
オーヴェは教養の無い労働者階級で、ソーニャはインテリ女性です。自動車事故で半身不随になりますが、
学校に通い夢を叶えて、教師資格を取るのですが、車椅子の彼女を雇ってくれる学校はありませんでした。
オーヴェは、自分でスロープを作り、彼女は教師になります。レストランの青年は、教え子でした。

彼の妻・ソーニャの明るさ、たくましさ、優しさと彼の「不器用さ」が何とも妙です。
高齢者の孤独、福祉のあり方、移民人種問題、性的マイノリティ、など深刻ぶらず、説教せず、「そうだよね」
の共感をしみじみと誘い出します。
福祉社会スウェーデンの底深さと、人は一人生きているのではなく、周りの人々と支え合って生きているんだな、
をそれとなく教えてくれる、ヒューマンコメディの秀作でした。 【4月10日鑑賞】

蔵前~三ノ輪、浅草・浅草寺を歩きました。

2017年04月15日 | ウォーキング

4月13日、蔵前~三ノ輪間、浅草・浅草寺界隈を歩きました。

大江戸線・蔵前駅から歩き始めました。JR御徒町駅で大江戸線に乗り換える時、上野御徒町駅を間違えて、
新御徒町駅まで歩いてしまいました。
榧寺・浄土宗
 
                                     蔵前神社
 
落語の元犬ゆかりの神社                      力持ち(阿武松)
 
巌念寺・浄土宗                            眞敬寺・真宗大谷派
 
栄敬寺                                西光寺・浄土宗
 
龍宝寺・鯉寺・浄土宗
 
桃林寺・臨済宗妙心寺派                      金蔵寺・天台宗
 
玉宗寺・曹洞宗                           常福寺・天台宗
 
威光寺・真言宗智山派                        永見寺・曹洞宗
 
仙蔵寺・真言宗智山派                       本法寺・日蓮宗、本堂
 
本法寺、熊谷稲荷              はなし塚、戦争中演芸などが禁止されました。落語の台本等が納められています。
 
法法寺壁、寄進した落語家の名前があります。          ニイミ(食器会社)の看板
 
宗円寺・浄土宗
 
                                     満照寺・浄土真宗、工事中
 
満照寺、清水浜臣廟



本山東本願寺

本山東本願寺本堂内

通覚寺・浄土真宗                           長敬寺・浄土真宗
 
以下、この周辺のメモをなくしてしまった、不正確で間違っているかもしれません。
専勝寺・浄土真宗                           来応寺・浄土真宗
 
善龍寺・浄土真宗                           円照寺・浄土真宗
 
真福寺・浄土真宗                           光日寺・浄土真宗
 
緑泉寺・浄土真宗
 
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浅草エリア
貸衣装屋                           
 
新仲見世商店街                           うたい神(電柱)
 
浅草演芸ホール                           東洋館
   
 
木馬亭                                木馬館
 
たわしで作られた土産品
 
ロック座                                ダンゴ売り
  
伝法院門                               鎮護堂
 
鎮護堂水子地蔵  
 
鎮護堂門                               伝法院正面門
 
 
                                     レンタルの着物・浴衣を着た外国人が本当にたくさんです。
浅草寺宝蔵門(仁王門)
 
 
浅草雷門の写真は撮り忘れたので引用です。

三宝荒神堂                              なで菩薩
 
本堂                                  本堂天井
 
                                     境内の宝篋印塔
 
阿弥陀如来像                             迷子しるべ石
 
伝法院大絵馬寺宝展(300円) 素晴らしい絵馬ですが、撮影は出来ません。
 
伝法院庭園特別拝観


 
大書院                           
  
伝法院本堂                             茶室
 
石灯籠                                石棺
 
三社船祭再興碑


浅草寺境内に戻りました。境内はとても広く、色々なお堂や碑などがあります。
瓜生岩子(助産婦、社会事業家)像
 
子規句碑「観音で逢ひけり花盛」                  力石
 
半七塚と青蛙神像
 
戸田茂睡墓(江戸時代の歌学者)                 群育撫象
 
喜劇人の碑                              映画弁士塚
 
胎内くぐり灯籠                             淡島堂
 
写経供養塔
 
薬師堂                                 六角堂
 
影向堂                                 雨仏板碑
 
六地蔵石灯籠
 
観音菩薩座像                            不動堂
 
金龍権現と九龍権現                         仏頂尊勝
 
陀羅尼碑                               めぐみ地蔵
 
慈雨の像(浅倉文夫作)                       五重塔(工事中)
 
平和の時計                             旧石灯籠
  
 
浅草神社
  
浅草神社中
 
夫婦狛犬                               二天門[東側入口]
 
二天                                  AMUSE博物館
 
被官稲荷社
 
山東京伝(浮世絵師)の碑                      宝篋印塔
 
 
九代目市川團十郎の像                       銭塚地蔵尊堂
 
カンカン地蔵(小石でうがって作ったと言う)
 
以上まで、浅草寺境内内です。
雷5656会館                             浅草花やしき
 
花やしきのアクティビティ                      浅草観音温泉
 
浅草エリアを抜け、合羽橋方面に戻りました。          日本キリスト教団浅草教会
 
良狭院・浄土宗                            東光院・天台宗
 
天獄院・浄土宗                            日輪寺・時宗
 
萬隆寺・曹洞宗                            寿仙院・日蓮宗 
鳶 神 社
 
 
樋口一葉文学碑                           長国寺[酉寺]・法華宗
 
吉原神社                               お穴神社(地下に神様が居るという。)
 
吉原公園・吉原観音
  
吉原弁財天                             花吉原名残碑
 
遊女墓など
 
関東大震災時、多くの人がこの地で亡くなり、池にその亡骸がたくさん浮かんでいる写真です。

小さい公園です。今では、吉原の地名がほとんど残っていません。遊女達の苦労を偲ばれ、凜とした空気を感じました。
家田荘子さんや若い芸大生などの新聞記事や関東大震災の時の惨劇の写真なども展示されています。
興味本位でいわゆる「遊郭」を扱っていないのはとても良いです。
東京別院西徳寺・真宗佛光寺派                 朝日弁財天
 
正燈寺・臨済宗妙心寺派                    
 
大音寺・浄土宗
 
飛不動尊正宝院・天台宗 飛不動というので「飛行安全」グッズが売られています。
 
一葉記念館 
 
一葉記念公園(樋口一葉の居宅があった地だそうです。)
 
龍泉時・真言宗                           千束稲荷神社
 
千束稲荷神社境内に樋口一葉の歌碑があります。
「明日ハ鎮寺なる千束神社の大祭なり今歳は殊ににぎはしく山車などをも引出るとて人々さわぐ」(自筆)

寿永寺・浄土宗                           梅林寺・曹洞宗
 
地下鉄日比谷線・三ノ輪駅から上野に出て帰りました。時刻は5時を過ぎていました。
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久し振りに、浅草を歩きました。ウイークデーなのにすごい人出でした。
着物・浴衣を着た外国人の姿が特に目につきました。着付けもしっかりしていて乱れていませんでした。
外国人はとても多いです。国籍はわかりませんが、中国人・コリア人・モスリム、英語圏・スペイン語圏の人々など
多彩なのに驚きました。
ちょっと前までは、浅草はちょっと寂れていましたが、今はまさに一大観光地です。
浅草は、まさに古さと新しさがとても上手く溶け合って、しかもとても明るく華やかな感じがします。
地域の並々ならぬ努力を感じます。交番もいくつかあり、ビルのガードマンも多く安全対策も感じられました。
しゃれた店や日本文化の体験、屋台風ファストフードから高級グルメ店などの食場所も多く、
昼間から、高くなさそうな屋台風店でビールやワインを飲む風景も違和感なく広がっています。
映画館や演芸館なども多いです。
夜は、ものすごい「キラキラ」でしょうね。私は、夜は出歩きませんが…。
谷中一帯は、浅草の賑々しさと違った下町で、小さなお寺が数え切れないほどあって、経営が成り立つなと思うほどです。
今日は、歩きませんでしたが食器で有名な合羽橋商店街、世界遺産の街・上野の森、そして隅田川の水上バスなど
とても魅力的な上野・浅草界隈です。
吉原・遊郭は興味本位に語られることが多く、郭もの落語も多いのですが私はそれはあまり好きではありません。
吉原の地名は、現在ではほとんど残っていません。
上野・千束・千住一帯は、江戸の鬼門・北東に当たり、吉原やたくさんのお寺がありました。
今回、吉原公園・吉原観音を訪れました。華やかな浅草から少し離れて、今ではすっかり静かな下町住宅地です。
吉原公園は、本当に小さな公園で、特別有名なものはありませんがお薦めです。
予定より、時間も距離もかかり、後半はだいぶ疲れました。
前回のウォーキングではマメが出来てしまいました。今日は足指にワセリンを塗ったのでマメは出来ませんでした。
気温はおそらく18~20度位で、日差しがあり、寒からず厚からずで、汗はかきませんでした。
しかし、今回は写真を撮り過ぎボリュームが大きくなってしまいました。           【終わり】      

映画/手紙は憶えている[Remember]

2017年04月12日 | 映画


原題の"Remember"は、とても意味が深いです。これについては後述します。
邦題の「手紙は憶えている」はピント外れです。
とても面白い、いや良く出来た映画です。以下、あらすじ・結末が書いてあります。
アウシュビッツを生き延びた一人のユダヤ人の執念の復讐サスペンス映画です。
ある日、アメリカの老人ホームに、「ユダヤ人」のゼヴ夫婦が入所して来、マックスと運命的に出会います。
マックスもユダヤ人で、アウシュビッツの看守、オットー・ヴァリッシュとクニベルト・シュトルムに家族を殺され、
自らは、アウシュビッツを生き延びたユダヤ人です。
彼は、その二人が今なお生き延び、その一人がコランダーという名でアメリカで生存していることを突き止めます。
しかし、彼はもはや一人では動くことの出来ない体となっています。
そこで、マックスは実に深遠で周到な計画を巡らします。
マックスは、ゼヴが入所してきた時、彼にはマックスが何者なのか記憶が全くないことに着目したのです。
ゼブは、妻を失って以降、すっかり痴呆症が一気に進みました。
マックスは、目覚めると記憶が曖昧になるゼヴにまさに殺人計画書の「手紙」を書きます。

ゼヴは、妻の葬儀の後、マックスとの打ち合わせ通り施設を抜けだし計画の実行に着手します。
彼は記憶が薄れるとマックスの手紙を読み、その指示通り行動し、コランダーを次々と捜しあてます。
探し当てた三人は無関係であることがわかり、いよいよ残されたのは一人となり、クライマックスに突入します。
ゼヴは、彼にピストルを突きつけ、「真実を語れ、お前はコランダー、本当の名はオットーか」と問い質します。
彼の口からはとんでもない言葉が返ってきます。
「お前がオットーじゃないか」と。          ゼヴとマックス

ゼヴは、実はユダヤ人ではなく、アウシュビッツの看守のオットー、つまり彼こそコランダーだったのです。
ゼヴとは、ヘブライ語(確か)で「オオカミ」と言うあだ名でした。彼らは自らの腕に「囚人番号」の入れ墨をし、
二人でアウシュビッツを脱出し、過去を封印し、アメリカに渡り、生き延びていたのです。
シュトルムの衝撃的発言に、彼は、ゼヴからオットーに戻り、シュトルムを銃殺し、自らの頭も撃ちました。
銃も何十年も触ったこともなく老齢で銃を持つ手は震えているのですが、無意識下の銃の経験・腕前はプロ級でした。
さて、Rememberは、記憶ではなく、「忘れるな、憶えていろ」だという命令形だと私は思います。
彼が、コランダーの家でシュトルムを待つ間、彼はピアノに向かい、楽譜無しにピアノを上手に奏でるのでした。
その音楽は何と"ワーグナー"でした。実は、ゼヴはピアノの名手でした。
ヒトラー、ナチスはワーグナーをプロパガンダに利用しました。ユダヤ人にとっては、ワーグナーはタブー視しされています。
ゼヴは、言います。「お前の顔は忘れたが、お前の声は覚えている」と。
ピアノの妙手ゼヴは、耳が良かったのです。
ユダヤ人を装ってきた彼は、長らくワーグナーを封印して来たのですが、土壇場でワーグナーを見事に演奏したのでした。
マックスがこうした事情を調べることができたのは、1977年に設立された組織「サイモン・ヴィーゼンタール・センター」です。

その組織は、ホロコーストの記録保存や反ユダヤ主義の監視を行い、ナチス戦犯を追及し続けています。
イスラエルの諜報機関・モサドも有名ですが、これらの組織の評価は様々に分かれているようです。
それらはこの映画のテーマではありません。サスペンスと言う観点からみて十分に楽しめた映画ですが、
痴呆症・老い・復讐、そし既に忘れ去ってしまった若き日に経験・体験したことが、無意識下に記憶されていて、
それが現在の自分の意志とは無関係に人を動かす、かもしれないといったこと、などのある種の恐ろしさと、
私自身の老いと死、そして痴呆は私にはとても興味深いものでした。
ここまで書いてきて、Rememberは、そうしたフロイト達の言う無意識下の記憶なのかもしれないとも思いました。 【4月10日】
                          

三里塚に眠る原勲さんの墓参り

2017年04月11日 | ウォーキング

4月9日、原勲さんの墓参りをしました。
原勲さんは、1954年4月1日生まれ、1978年3.26三里塚空港反対、管制塔占拠闘争で逮捕され、
長期拘留による精神的苦痛を受け、1982年自死しました。三里塚の大地・案山子亭に眠っています。

この日は、朝から少し冷たい雨でした。
少し時間があったので、JR成田駅脇の権現神社に行きました。
 
 
案山子亭                  この後ろに原さんと江口さんが眠っています。江口さんのお墓、桜が咲いています。
 
その脇に鉄塔が建っています。回りは高い塀で囲まれています。
 
案山子亭から行動に出る道、空港の下を通っています。
 
そのはるか遠くに飛行機がかすんでいました。
 
雨でしたので、周囲を散策することは出来ませんでした。
関連するブログは以下です。
三里塚空港反対運動の思い出の地を巡るツアー
原さんの墓参り                        【終わり】
 

浄真寺[九品仏]、瀧泉寺[目黒不動]、五百羅漢寺、大円寺を歩く

2017年04月07日 | ウォーキング

浄真寺[九品仏]
4月5日、浄真寺[九品仏]、瀧泉寺[目黒不動]、五百羅漢寺、大円寺を歩いてきました。それぞれとても
ユニークさを持っている大きなお寺です。いずれも再訪です。
自由が丘駅~奥沢駅~武蔵小山駅~不動前駅~目黒駅と歩きました。途中電車も乗りました。
ここは、東急大井町線、東急田園都市線、東急目黒線、東急多摩川線、東急池上線などが縦横に
入り組んで走っています。地元の人でも、それぞれの駅や乗り換えなどは覚えきれないのではないでしょうか。
田園調布、自由が丘、等々力、大岡山などは今でこそかなり高級住宅街のイメージがありますが、
ちょっと前まではごみごみした下町でした。今でも沿線の駅前は広場・ロータリーのない狭苦しい空間です。
 
私の住む蕨からは、池袋・新宿・渋谷経由が一番近いのですが乗り換えがたくさんでしかも混むので、
時間はかかるのですが、京浜東北線で大井町まで出て、そこから東急大井町線で自由が丘に出ました。
その他、王子・南北線経由で行くことも出来ます。

浄真寺のある九品仏駅は急行が止まらないので、自由が丘駅で各駅電車に乗り換えです。
九品仏駅 改札を出るとすぐ参道入口です。            浄真寺参道入口
 
浄 真 寺 浄土宗のお寺です。9体の阿弥陀如来像で有名です。
                                     焔魔堂
 
 
開山堂
 
三十三観音堂[戸は開いて居ますが、参拝の前に社務所に声をかけます。]
 
 
仁王門
 
 
風神雷神像
 
鐘楼
 
下品(げぼん) 阿弥陀堂 本堂から向かって左側
   
左が下品堂、右が上品堂
  
上品(じょうぼん) 阿弥陀堂 本堂から向かって真ん中
  

中品(ちゅうぼん) 阿弥陀堂
 
阿育王(あしょか)
 
本  堂
 
 
 
 
   
法然上人像                             五劫思惟像
 
仏足
 
浄真寺はとても落ち着いてのんびりした雰囲気です。折しも桜などの花々も満開でした。
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究竟寺・真宗大谷派                         龍昌寺・曹洞宗 
 
妙光寺・日蓮宗                            宮本三郎記念美術館
 
宮本さんの絵・引用

東急目黒線・奥沢駅                         源照寺・曹洞宗                         
 
奥沢駅から武蔵小山駅まで電車に乗りました。160円、7分

武蔵小山駅                              朗惺寺・日蓮宗
 
京極稲荷神社                            長応寺・法華宗
 
                                    桐ケ谷寺・曹洞宗
 
専修寺・浄土宗                           
 
霊源寺                                 氷川神社                              
 
鉄砲石・幕末勤王の志士が鉄砲の標的をしたと言う。        安楽寺・天台宗
 
                                     白井権八・小紫遊女連里塚
 
京急目黒線・不動前駅                        行元寺
 
安養院
 
 
安養院石仏供養塔
 


成就院・天台宗(蛸薬師)
 
                                     目黒不動尊商店街
 
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瀧 泉 寺・天台宗[目黒不動尊]
 
                                     恵比寿神
 
北向き地蔵                              三界供養塔
 
本居長世の歌碑                           腰掛け不動
 
北一輝碑                               官署・青木昆陽碑
 
                               水掛不動
  
独古の滝                               本堂  
 
本堂
 
大日如来像 本堂裏にあります。
 
四方に四天王像(いずれも小さいです。) 多聞天          広目天
 
増長天                                持国天
 
愛染明王                               微笑み観音
 
意志不動                               虚空菩薩
 
護衛不動                               八大不動
 
鐘楼                                  延命地蔵
 
纏碑 
 
役行者像                              聖霊堂 
 
地蔵堂
 
阿弥陀堂
 
観音堂
 
スズカケ(プラタナス)の木
 
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五百羅漢寺・黄檗宗 元禄時代、松雲元慶禅師が五百体以上の羅漢像を作りあげました。(現存305体)
しかし、明治維新後寺は没落し、その後二度の移転後、明治41年、この地に移って来ましたが、衰退していたそうです。
その後、昭和54年に見事再建されました。[拝観料は300円、65才以上は200円です。]堂内は撮影出来ません。
 
堂入口
 
次の二点は東京都教育庁の絵はがきから引用
 
本堂 本堂内は撮影出来ません、以下の写真は、館内撮影ではなく、館外で上映されていたビデオです。
 
 
 
 
 
 
包魂の碑                               原爆殉難碑
 
入口の庚申塔                           不動尊参道入口にある松雲元慶禅師像
 
明治維新後の廃仏毀釈は、何とも罪深い蛮行でした。どれだけたくさんの宝物が壊されたことでしょう。
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海福寺・黄檗宗 四脚門
 
鐘楼、裾の雲形は中国様式だそうです
 
武田信玄屋形にあったと言われる九層の塔

蟠龍寺・浄土宗                           弁財天堂
 
大聖院・天台宗                           切支丹灯籠
 
大鳥神社                               目黒寄生虫館[無料]
 
 
日本キリスト教団行人坂教会                    八百屋お七の井戸
 
大円寺・天台宗 


 
生身の釈迦如来(国宝)堂、年末・年始時のみ開放        とろけ地蔵
 
本堂                                 薬師如来
 
阿弥陀堂
 
八百屋お七と吉三郎                         身代わり地蔵
 
庚申塔

杉野学園衣裳博物館                        喜多六平太記念能楽堂
 
カトリック目黒教会                           コロンビア大使館
 
タイ大使館

最後の大使館二つは蛇足ですが、タイ大使館は別の所にあった時訪れたことがあり、地図で見つけて行きました。
浄真寺(九品仏)、五百羅漢寺、瀧泉寺(目黒不動)のお寺は、お薦めです。
今日訪れたところは以前に訪れたことがあり、再訪でした。
九品仏は広い境内に建物がゆったりあり、九つの阿弥陀様もピンとした空気の中にも穏やかさが漂い、ゆったりしています。
法然さんの浄土宗のお寺って感じがします。拝観料もありません。
五百羅漢寺は、珍しい黄檗宗のお寺です。何度かの衰退を経ただけに今日の「華やかさ」は良・嬉しいです。
羅漢像の保存も良く、大きさも大きすぎず小さすぎず、難を言えばもう少しゆったり陳列されていればと思います。
本堂内の仏像もきれいで穏やかです。
300円の拝観料は安いです。もう少し高くして写真を撮っても良ければ文句なしの最高です。 
瀧泉寺は、人気のお不動様で多くの人が参拝に見えていました。広い境内に色々なお不動様や仏像があるのも楽しめます。
大円寺にもたくさんの石仏がありますが、こちらはちょっと迫力不足と言ったところです。
目黒寄生虫館は小さいがユニークな博物館で、無料です。私には特別の興味はありませんでしたが…。
11時頃から歩き始め、夕方5時頃までかかりました。足の指にマメが二つも出来ました。
帰宅後、ジムでストレッチとマッサージをしました。
折しも桜が満開、人々の興味関心はそれぞれ、お寺を訪れてもサクラの写真撮影に一心不乱のお方も多かったようでした。
40年ほど前までは、目黒・大崎などはまさに「目黒のサンマ」の田舎でした。現在は、凄まじい開発で、高層ビル群です。
そこから少し離れると東急沿線は豪華マンションや豪邸もありますが、多くは消防車も通ることの出来ない
細い路地が入り組む「下町」です。

特に、駅前などは本当に狭く、「下町商店街」状態で、高級住宅と言う名前との落差が大きく、面白いです。
突然のウォーキングのようですが、実は暖かくなる日を待っていました。ジムの運動も良いですが、生の街も良いものです。
気温は20℃近く、風もなく大汗をかくことなく絶好の日和でした。ぼちぼちと出かけることにしましょう。  【終わり】

映画/人間の値打ち[Il captale umano]

2017年04月01日 | 映画


イタリアアカデミー賞7部門受賞したそうですが、私にはイマイチでした。
何よりもテンポがないこと、特に最初の1/3が冗舌、そしてサスペンスと言うのにドッキリ感もありませんでした。
三つのチャプターで構成されているのですが、エピソード・三組のカップルの関係がちょっと無理筋なのです。
事故を起こしたのは金持ちの息子と我々に思い込ませ、それを金持ち達が嘘偽りでいかに誤魔化すのかと
我々の関心をミスリードするのですが、途中でどうもそうではないと気づく始めると、
最後に唐突しか言いようのないどうにも無理筋に「善意の犯人」が現れるのです。
そして、「純愛と誠実な貧乏人」にこそ"価値"がるというありふれたお話しでした。
金持ちでないセレーナ達はバイクやミニカーに乗り、金持ちは高級外車でした。
わざわざ映画館に足を運んでみる映画とは私には思えませんでした。     【3月27日】