風そよぐ部屋

ウォーキングと映画の無味感想ノート

7.29反原発国会包囲のデモ

2012年07月30日 | ウォーキング
7月29日反原発国会包囲のデモが行われました。

まず、3時半から日比谷公園の中幸門内で集会が行われました。
公園を借りないで行われる集会はかなり珍しいです。
日比谷公園は木陰がたくさんあるのでとても良いでのですが、蚊の襲撃には参りました。
一時間ほど集会が行われ、東電に向けてデモが行われました。
私は、デモには参加しないで、ゆっくり国会に向けて歩いたのですが、国会正門前の公園は夕方5時で閉められていました。
また、国会に面する歩道道路は立ち入り禁止でした。その前の車道路は通れるのですから変な話です。
思い切って、国会正門前の道路とその左右の国会公園を開放した方が交通規制もはるかに楽なのに、です。
私は、始め国会正面前に陣取ったのですが混んでいて嫌やになり、
またトイレを借りに社民党本部に行ったのですが閉まっていたので、その近くの国会図書館前に移動しました。
社民党本部は、かつて社会党時代、60年安保運動の大基地でしたが、今はすっかり老朽化し、
東北大地震以後耐震性上の問題が生じ、一部を除いて使われなくなったそうですっかり寂れていました。
仕方なく、地下鉄永田町駅のトイレを借りました(この駅のトイレは駅構内の外にあります)。
国会や議員会館にもトイレがあるのですから、求めれば拒めないはずですが、面倒なので止めました。
トイレの問題はやはりとても深刻で重大です。
国会正面前ではキャンドルが配られ、スピーチ等も行われたようですが、図書館前にはその声は届きませんでした。
永田町交差点では、国会正面・国会後ろ側は大勢の人が集まっているので立ち入れ出来なくなったと警察がアナウンスしていました。
私は、充分水分を飲んだのですが、それでも足りなくなったのでしょう、痛風の予感がしたので、
あちこち出歩いて写真を撮ることをあきらめ、また面白くなくなったので8時前に帰ることにしました。
                          
国会図書館前                             永田町交差点
 
さて、こちらは昼間の日比谷公園                 西幸門前交差点の右翼
 
私は、右翼についてはよく知りませんが、この日は様変わりしているように感じました。
右翼というと、濃紺の街宣車で、「馬鹿野郎」等の下品な言葉を絶叫しているのですがこの日は、演説者が若い女性でソフトでした。
普通の話し言葉で、原発エネルギー等については見直さなくてはならないし、一緒に話し合いたい、自然エネルギーも使うべきだ、
特に海底のメタンハイグレードを使えば日本のエネルギーはほぼ解決するはずだ、などと訴えていました。
しかし、尖閣諸島問題では一挙にトーンがエスカレートして、反中国になっていました。
右翼と言われる政治グループも、変化してきているのかなぁと思いました。
ヨーロッパなら、木陰いっぱいの国会前公園あたりにたくさんのテント村が出来ているだろうな、とか
警察も、国会正面前道路(テレビドラマ"相棒"のロケにしばしば使われています)は、車を通行止めにしてしまうだろうな、など
と夢想していました。
デモの様子もとても変わりました。
これまでデモは、主催者が事前に公安委員会に申請し、認められたとおりに集会・デモ行進が行われると言うことでした。
ところが、最近は、建前は、人々が自由に集まって勝手に歩道を歩く、立ち止まる、と言うのです。
もちろん実際は違います。事前に時間や場所が呼びかけられているのですから。
しかし、10年位前なら、警察はそうしたスタイルも決して認めませんでした。
旗やプラカードを持って歩くことは違法なデモだと言い、また歩道に立ち止まることは決して許しませんでした。
おそらく昔なら、いわゆる「過激派」が"突入・占拠"したかも知れないから、と言ったのです。
7.29の国会正面前の新聞報道写真を見る限り、そこは事実上占拠されています。
この倍の人々が来れば、人々は車道に繰り出さざるを得ず、すると警察はもはや規制できません。
話は、大きく変わりますが、問題は『トイレ』です。
国民が、国会内のトイレを使わせてと要求した時、それは拒めないと思うのです。                 【終わり】

蜜蜂/戦火の馬

2012年07月25日 | 映画
7月23日、映画二本を見ました。

初めてのトルコ映画でした。
ベルリン映画祭で金熊賞を受賞したそうですが、私には退屈でした。
この映画では、セリフが極端にカットされています。省き過ぎと言えそうです。
ユスフ少年は、最初の授業で手を挙げて朗読を希望します。でも、指されたのは別の少女でした。
彼女は上手く読め、ご褒美に赤いリボンをもらいました。
ユスフは、以来吃音になってしまいます。
彼は、ミルクが嫌いでした。母親にミルクを飲みなさいと言われると、父親がこっそりミルクを飲んでくれました。
大好きな父親が、蜂蜜の仕事で森に入ると彼は、言葉を発しなくなるのでした。
ある日、父親は森の高い木の上から落ちて死んでしまいます。
……授業で、ユスフは指されますが、上手く読めませんでした。
しかし、先生は「上手に読めた」と最後に残っていた赤いリボンを彼に渡します。クラスメートは拍手するのでした。
この時の、隣の少年の何と優しい目でしょうか。吃音する彼を励ますかのようにただ見つめるのです。
……涙する母親を見て、少年はテーブルの上のミルクを飲み干すのでした。
森の大きな木の下で少年がまどろむところで映画は終わります。
―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・

サラブレッドのジョーイの数奇な運命の物語です。
ストーリーはいかにも映画と言った、作り物過ぎるのですがはらはらドキドキです。
時代は、第一次世界大戦。
英国軍に徴用されたジョーイは、ドイツ軍に捕らえられ、ドイツ軍に酷使されますが、
その後、フランスの農民に救われ、更に後、ドイツ軍に徴用されます。
ジョーイはドイツ軍から脱出するのですが、ドイツとイギリスの真ん中の鉄条網に捕まってしまいます。
両軍の兵士は一時停戦し、ジョーイを救出します。
まさに"塞翁が馬"です。
ジョーイの演技は素晴らしいです。
しかし、ドイツ兵やフランスの農民が英語で話すのは何とも興ざめでしたし、
また、英国軍がきれい事に描かれ、ドイツ軍が下品に描かれているのもいただけません。
ジョーイがドイツ軍を脱走し、鉄条網に捕まるシーンも超過剰演出で、あきれてうんざりでした。
この三点をもっとうまく演出すれば、文句なしの娯楽映画になったのにと、残念でした。
しかし、ドイツ軍にも馬を愛する兵士がいてほっとします。                      【終わり】

宇都宮市を歩きました。1

2012年07月21日 | ウォーキング
7月8日、最高気温25度という天気予報、梅雨の合間を縫ってウォーキングしました。
一度訪れたいと思っていた宇都宮を訪れました。宇都宮も遠かったです。浦和から1時間半です。
過日訪れた前橋と似た街の感じでしたが、宇都宮の方がはるかに大都市でした。
宇都宮も太平洋戦争で米軍の大空襲にあって、多くが破壊されたようです。
碁盤目状に走る街の中心を走る広い道路がそのことを示しています。
一日で回れると思ったのですが、もう半日必要でした。涼しくなったら再訪しましょう。地図の黄色旗は回った所、青色旗は回れなかった所。

浦和駅を9:10に出て、宇都宮に着いたのは10:35でした。10:40のバスに乗って羽黒山神社に向かいました。(200円)
バスの乗ること約30分、この時点で今日の計画は無理だと悟りましたし、蒸し暑くもなって来ました。
羽黒山神社、想像してよりはるかに小さな神社でした。宇都宮は野口雨情の故郷で彼の歌碑がありました。
 
ここから次の目的地までは、かなり遠いので、11:25発のバスに乗って、市内に戻りました。
聖ヨハネ教会 

桂林寺(曹洞宗)
 
   
   
私が、本堂を覗いていると、閉まっていた戸を開けて参拝させてくれました。このようなことは滅多に無い、ありがたいことです。
琴平神社

宝勝寺(時宗)
 
延命院(真言宗)
 
大運寺(浄土宗)                            安養寺(浄土真宗)
 
観専寺(浄土真宗)
 
光琳寺(浄土宗)
 
  
宇都宮は大谷石の産地、多くの土蔵がありました。        またこんな物も      
  
六道閻魔堂                            
 
戊辰役戦士の墓                           一向寺(時宗)
 
一向寺本堂
 
一向寺十一面観音堂                        薩摩藩戦死者の碑        戊辰役烈士の碑
  
汗かき阿弥陀如来
  
宇都宮市役所からくり時計塔         宇都宮城址
 
小さい天守閣ですが、入ることが出来るのですが、窓が小さ過ぎて景色が見づらいのは設計のミスです。
常照寺                                 宇都宮大銀杏(推定4000年、空襲で焼けたが再生したそうです)
 
松ヶ峰教会
  
土蔵を利用したカフェ                        東武宇都宮駅前のオリオン通り
 
正行寺(浄土真宗)
 
真福寺(黄檗宗)
  
光明寺(曹洞宗)                           県庁
 
雷神神社
 
蒲生神社                               宇都宮出身の横綱明石志賀之助
 
東妙寺(日蓮宗)                           塙田八幡神社
 
宇都宮タワー(八幡山公園にある電波塔、展望台は30m、190円)
  
 
祥雲寺(曹洞宗) 旧参道                                
 
天然記念物・しだれ桜
 
無縁佛塔                               千手観音・竹生島
 
広大な境内に四国霊場巡りの仏像                多層塔
 
天女の笛像                              Cloud Rack(流れ雲)
 
五百羅漢像
 
                                     本堂
 
田川(宮の橋)                             宇都宮駅
 
宇都宮駅前モニュメント
 
祥雲寺を参拝していると午後4時頃になり、当初計画していた青色旗印の所は、どう見ても回れそうもありませんし、
空は、今にも大雨が降ってきそうに暗くなってきましたし、だいぶ疲れてきたので、帰ることにしました。
宇都宮駅が見え始めた頃、二粒三粒の雨が降ってきましたが、傘を差す程ではありませんでした。
16時35分発の電車は、タッチの差で乗ることが出来ず、16時55分の電車で帰りました。
私は電車に乗ってすぐから30分ほど熟睡してしまったので、大雨が降ったようですが、気がつきませんでした。
前橋、高崎、宇都宮と空襲で焼け野原となった都市は、広い道路が碁盤目状に造られたようです。
昔は城が庶民を威圧していましたが、今日は威容・異様な市役所や県庁が市民を見下ろしているように感じます。
宇都宮城址は、とても貧弱でしたが、土塁が緑で覆われ、優しい感じがしてきれいでした。
標高160m程の八幡山公園にある宇都宮タワー展望台(30m)からの眺望も素敵でした。
すぐ目の前の祥雲寺への案内坂があればいいのになと思いました。
祥雲寺の広い境内には、西国三十三ヶ所観音霊場巡りがあるのですが、時間が無く回れませんでした。
五百羅漢像はひょうきんな表情をした像なども多数有りました。
一番最初に訪れた、桂林寺では本堂の扉を開けて参拝させていただきました。
宇都宮出身の儒学者で勤王派の蒲生君平、横綱明石志賀之助、詩人の野口雨情らの碑があちこちにありました。
先の地震によっていくつかの神社やお寺がずいぶん傷んだようです。
気温25度は、思った以上に暑かったですが、ほとんど日が射さ無かったので、思い切って来て良かったです。
スポーツジムのウォーキングも良いのですが、実際のウオーキングはやはり楽しいです。
方角が分からなくなってうろうろ、道に迷ってしまったり、お腹が空いておやつを食べたり、おもしろ広告に出合ったり。
ただ、夏の寺社の木陰に入って涼もうとすると蚊の襲撃があって要注意です。
私は、最近は歩き始めて4時間を越すと、足腰が疲れはじめ、靴擦れが出始めます。なんとかもう少し長い時間楽しみたいのですが。
でも、日本の街は全く不安心配がありません。
便利なコンビニがあちこちにあり、トイレもあります。公園もたくさんあり、そこにもきれいなトイレがあります。
街のきれいさ、至る所にあるたくさんのトイレ、安全なタクシー、そして困った時頼めば応じてくれるだろうお店や人々、
これらは、私たちが誇って良い文化だと私は思います。                             【終わり】



  

宇都宮市内を少し歩きました。2

2012年07月21日 | ウォーキング
7月20日、梅雨の合間、気温が低いので宇都宮を再訪し、過日、歩けなかったところを歩きました。
家を出る時は、真夏というのに半袖ではちょっと涼しい位でした。電車の冷房も効きすぎで寒かったです。
電車の時間を間違え、宇都宮に着いたのは、11時ちょっと前でした。

宇都宮は過去15年間餃子消費量日本一でしたが、浜松市(確か)に抜かれたとテレビが昨日報道していました。
西口駅前広場に、"餃子の像"があります。
 
林松寺[曹洞宗]
  
応願寺[時宗]
 
善願寺[天台宗]
 
留舎那仏像
 

宇都宮二荒山神社
  
                                    与謝野蕪村の句碑
  
拝殿                                  本殿
  

浄鏡寺[浄土宗]
 
 

能延寺[真言宗]


慈光寺[浄土宗]
赤門
  
つなぎ地蔵                   本堂
  
天勢寺[曹洞宗]                           SPA南大門、クイックコース(90分)は735円だそうです。入りませんでした。
 
                                     
興禅寺[臨済宗]、境内には、目を楽しませてくれる工夫がありました。
 
建堂湖庭園                               千手観音堂
 
本堂                                   
  
開基                                  砂庭
 
   
生福寺[真言宗]                            蕪村号誕生の地、「古庭に 螢啼きぬ 日もずから」
 
                          
生福寺・大師堂                           法華寺[日蓮宗]
 
妙金寺[時宗]                             妙正寺[日蓮宗]
 
清巌寺[浄土宗]                            子育て地蔵
 
鉄塔婆(鎌倉時代、日本最古の鋳鉄塔婆) この建物の中にあり、扉を開けて中に入り、お詣りすることができます。

何かなと、近づくと、小さい案内板がありました。久し振りに感動的な心遣いに出合いました。とてもきれいです。
清巌寺本堂
 

宝蔵寺                                 不動堂
  
鐘楼門
     
餃子店[西口目の前の一等地に餃子のお店が] 餃子広場観音は苦笑ものです。食べませんでした。餃子は安くは無いようです。
  
花蔵院                                 大師堂
  
田川                                  タイレストランのあるビルの屋上の飾り  駅前ビル
  

清巌寺では、美しい鉄塔婆を自由にお詣りできます。鉄製の塔婆は珍しく、鎌倉時代のものだそうです。
入り口は、閉まっていますが、自由に扉を開けて、電気を付けて、お詣り出来ます。素敵ですね。
時折、一粒三粒の小さな雨粒が落ちましたが天気は何とか持ちました。
14時55分発の電車に乗りました。乗ってしばらくして小雨が降ってきました。
思い切って出かけて良かったです。寒いほどでした。
駅前とパルコ周辺を除いて人通りは、少ないです。お寺では、一つ法要が行われているだけで、ほとんど人に会いませんでした。
宇都宮市は、餃子消費日本一の座を、浜松市に奪われたようですが、この両市に消費量が多い理由は知りません。
『ウィキペディア』で"餃子"を検索したら、すごい記事量でした。「たかが餃子、されど」と言った所でしょうか。
『ウィキペディア』で"餃子"をクリックするとアクセスです。                                               【終わり】  

さようなら原発10万人集会/7.16

2012年07月17日 | ウォーキング
7月16日、代々木公園で『さようなら原発10万人集会』が開かれました。
呼びかけ人は、内橋克人・大江健三郎・落合恵子・鎌田慧・坂本龍一・澤地久枝・瀬戸内寂聴・辻井喬・鶴見俊輔さん。
主催者発表17万人、警察発表7.5万人、広い代々木公園一帯は参加者であふれていました。
天気予報では、猛暑と言うので参加を躊躇したのですが、クールタオル、熱冷まシート、日傘を用意して参加しました。
[毎日新聞より]
こちらはメイン会場のサッカー場                  第二ステージ野外音楽堂、ライブなどが行われました。
 
原宿駅前              代々木公園入り口・森の小径
 
 
  [朝日新聞より]
代々木公園一帯は、木陰の空き地がたくさんあるので助かります。地図の緑線で囲った部分も木陰です。
参加者を警察はどう数えるのか分かりませんが、航空写真を使うとすると木陰の人は航空写真では映りません。
  
メーデー会場として使われるメイン会場のサッカー場はブルーシートが敷かれ、人々の密集で猛烈な暑さでした。
でも時折、風が吹き助かりました。
一番の問題は、やはりトイレでした。たくさんの簡易トイレが用意されましたが、絶対数が足りないので行列でした。
私は、地下鉄の明治神宮前駅までもどり、入場券で利用しました。
デモ・パレードは明治公園・恵比寿公園・新宿中央公園の三コースつに分かれて行われました。
私は、明治公園コースを歩きました。途中、コンビニで水やアイスクリームなどを買いました。
さて、10万人は多いのか少ないのか。
60年反安保運動では30万・40万もの人々がデモに参加したそうです。それでも安保体制は今でも強固です。
ベルリンの壁の時はどうだったでしょう、プラハの春、アラブの春はどうだったでしょうか。
日本ではこの二倍位のデモでも、政治の変革に直接的につながらないのではないでしょうか。
日本では、人々が多様化していますから安定的絶対的な多数党はあり得ないと私は思っています。
また、日本人はもうこれ以上、高成長による大量消費を必要としていないのですから、景気の右肩上がりはあり得ないことです。
日本の財政赤字は日本の最大の弱点です。
おそらくこの克服抜きには日本の安心はないと思います。
これまでの財政赤字の一番の責任はばらまき予算の自民党を長期支持して来た国民にあるのですが、これからは
ゼロ成長かマイナス成長下で安定的に税収を確保し、社会保障を整備し無ければならないのです。
全てのことに直ちにシロクロ付けることは現実的に出来ないと私は思っています。
私が今一番大事で必要なことは、"待った"つまり立ち止まって考え・議論し・合意点を見つける、です。
大事なことは、平和と安全と暮らしです。
暮らしとは、健康と仕事です。健康を害しても、仕事に復帰できる展望があることです。
今は、多くの人が健康を害してまで仕事をしないと暮らしていけないといわれています。
人々は、「派遣・季節工・社外工・嘱託、臨時工=非正規雇用」で多くのものを失い、企業・資本は大儲けしています。
税と社会保障と雇用をトータルに改革するにはどうしたらいいのかについて、
党利党略を抜きに、一年二年三年かけてじっくり議論することが必要だと私は思います。
企業が、国際競争力に負けると我々を脅かして、海外に生産拠点を移す=雇用の削減はもってのほかです。
彼らには、「ナショナリズム」が無いのでしょうか。資本はグローバルで、無国籍ですが。
私は、今回、プラカードに『原発 無くても 生活できた』と書きました。
今回の記事、私のブログにそぐわないのを承知して書きました。                     【終わり】

ヒア アフター/永遠の僕たち

2012年07月11日 | 映画
7月9日、臨死体験を扱う二本の映画『ヒア アフター』、『永遠の僕たち』を見ました。


面白かったです。
アメリカ人のジョージ、フランス人のマリー、イギリス人の少年・マーカスの三人の物語が、それぞれ無関係にオムニバス風に進みます。
三人に共通するのは、人の"死"。
ジョージは、霊と話すことが出来る霊能力者ですが、その能力を使うことに疑問と疲れを感じ、それを封印しています。
マリーは、フリーのジャーナリスト、バリで恋人とバカンス中に巨大津波に襲われ臨死体験をします。
ヘロイン中毒の母を持つマーカスは、双子の賢い兄に頼り切ってきたのですが、その兄が交通事故で急死して、途方に暮れています。
この映画は東北大地震以前に作られたのですが、冒頭の津波のシーンは日本の東北大地震を黙示していたかのようです。
リアリティと迫力ある大津波の映像はどのように製作・撮影したのでしょうか。
制作に当たったモーガン、イーストウッド、スピルバーグらの直感としか言いようのない運命的センスを感じます。
映画の主人公の三人は、住む国も違い、全くの他人同士であり全く接点はありません。
当然ながら三人の物語は相互に無関係に進みますので、ストーリーの後追いとどう繋がるのかの予想は難しいです。
まるでサスペンスのナゾ解きのようです。
マリーは、「臨死問題は正統派ジャーナリストが扱うテーマではない」と言う周囲の反対を押し切って、自らの脳死体験を本にまとめます。
この本を些細な媒介にして、三人がロンドンで偶然的にというか運命的に遭遇します。映画ですから。
マーカスの母親がヘロイン中毒克服のため入院している間、マーカスは里子に出されるのですが彼が里親のお金を盗んで、
ロンドンで開かれるマリーの出版会場に出かけるところから、話は急展開します。
それぞれ三人は、なんとか踏みとどまり、問題を克服し、明日に向かって前向きに生きようと、映画が終わるのですが、
マリーとジョージが恋人になってしまうのは、もうがっくりの結末、こまでの流れが良かったのに全く画竜点睛に欠け、残念です。
これまで、映画では、臨死については神や神々しい光や色彩、幸せに満ち満ちた世界、宗教的色彩が濃く描かれることが多かったように思います。
しかし、この映画では、臨死場面を鮮明でない単色の濃いブルーで、一瞬の映像・世界で描いていたのが印象的で良かったです。
光はありましたが、それは決して鮮烈ではなく、また大げさでもありませんでした。制作者達は、
「臨死をあまり特殊的なことではなく、またできるだけ宗教的・哲学的意味合いや思い入れを廃したい」と考えたのではないかと、私は思いました。
とまれ、最後のマリーとジョージのことを除けば、概ね良し、おもしろかったです。

―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・

こちらも臨死体験を扱い、第64回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門で高い評価を受けたそうですが、こちらの出来は"ちゃち"でした。
両親を交通事故で亡くしたイーノック少年は臨死体験をするのですが、その時自分だけに見える日本の特攻幽霊ヒロシにとりつかれます。
他人の葬式に参列することを趣味にしている彼は、脳腫瘍で余命3ヶ月の少女アナベルと出会います。
映画は、この二人の恋愛物語なのです。
観客は、映画の中で、二度、彼女の死についてだまされます。
一度目は、彼が彼女の家を訪れると彼女が死んでいたのですが、実はこれは彼女が死を迎える時の予行演習というのです。
二度目は、彼女が発作を起こして倒れるのですが、なんと彼女は生き返ってしまいます。
こうした「死」を演出して、観客を驚かすのは決して脚本の力とは言えません。
あまりに安易な悪趣味の演出で、私の映画の興味は一気に失せていきました。
死を迎えるアナベルは、あまりに冷静、まるで老成です。
私も、自分の死をこのように穏やかに迎えることが出来たらなぁ~と、つくづく思います。
でも、映画は彼女がそのように至った軌跡を描きません。
私には、理不尽・不条理の運命を彼女がどのように受け入れることが出来たのかにこそが人の琴線に触れると思うのですが。
彼女の愛読書はダーウィンの本、そこに糸口があるのかと私は考えたのですが、私にはわかりませんでした。       【終わり】

テルマエ・ロマエ

2012年07月03日 | 映画
6月25日『テルマエ・ロマエ』(ローマの公衆浴場)を見てきました。
「全ての"風呂"は、"ローマ"に通ず」

原作は、マンガ大賞&手塚治虫文化賞を受賞したヤマザキマリのベストセラーコミック・『テルマエ・ロマエ』。
古代ローマの浴場の設計家・ルシウス(阿部寛)は、古代ローマから日本に頻繁にタイムスリップし、
そこで得たアイデアをローマに持ち帰り、成功を果たして行くと言う奇想天外の物語です。
ですからリアリティを云々するのはおかしいのですが、やはりもっとリアリティが欲しかったですねぇ。
更に言うと、その奇想天外さは、ちょっと小規模すぎるのです。常識外れの奇想天外さだともっと良かったと思うのですが。
ローマ好きの私ですので、かなり好意的評価となりましたが、映画のスケール・おもしろさは決して佳作とは言えません。
ローマ人にとって公衆浴場は社会生活の重要な一部で、公けの施設として建設され、貧富の差を問わず誰でも利用できました。
公衆浴場は、入浴施設だけでなく飲食、運動、読書、商売、議論なども行われるいわば総合社交場でもありました。
古代ローマでは、多くの都市に少なくとも1つの公衆浴場があり、社会生活の中心の1つになっていました。
高温浴室、微温浴室、冷浴室そして現代のサウナのような蒸気風呂も備えられていたようです。
ネロのカラカラ浴場はことに有名です。
後世、公衆浴場や血なまぐさいコロッセオは、大衆の支持を得るための「愚民政策」と揶揄されることもあります。
しかし、道路・水道の二つの"道"はローマの健全さでもあります。
都市を城壁で防ぐのではなく、侵略者には高速道路で兵を送ることの出来る道路の方が有効的だし、
人々の生活と生産に直結する社会・生活基盤の建設のほうが人々にとって良いと確実に言えます。
無料の水道・コロッセオの娯楽施設と食糧の安定的供給はローマ人に欠くことの出来ない豊かさの証でした。
それらは、ローマ人の衛生・健康にとってすごく重要でした。水道管に鉛が使われ、鉛害も生じたようですが。
映画で描かれているローマのお風呂は、ですからちょっと貧弱過ぎですし、日本の銭湯や内風呂との比較はアンバランスでした。
いわきハワイアンセンター、箱根小涌園、宮崎シーガイアや別府温泉などとの対比でないと規模が違いすぎます。
でもそれらは、水着を着る温泉だから、お風呂とは言えないかな。
イタリア・フランス・トルコではトルコ式ウオシュレットや、水道式お尻洗い器はウオシュレットより昔からあったようです。
古代ローマでは、既に水洗式トイレでしたし、水に浸した海綿でお尻を洗うエピソードがこの映画で紹介されました。
ラテン語を話していた阿部の会話が、突如、画面上に『バイリンガル』のイラストが出て、日本語になったのは大笑いでした。
阿部シリウスが尊敬するハドリアヌス・ローマ皇帝。彼は、それまでの拡大路線をやめ、域内安定を図りました。
それでも彼はイギリス北部にハドリアヌスの長城を築き、後にイギリス人からやっと文明化したと感謝されたそうです。
 [引用]
また、二度にわたって域内視察旅行を行い民生安定に努め、後世ではかなり好意的に評価されているようです。
そのハドリアヌスのために造ったジャグジー風呂は、たくさんの奴隷達がホースで息をおならのように送るもので、爆笑ものです。
シリウス、ハドリアヌス帝を始め主なローマ人役の出演者は日本人、回りは外国人なのですが不思議に違和感がありませんでした。
また、ローマの町並はCGでしたが、この技術がなければ制作費が高すぎてこの映画を造ることは出来なかったでしょう。
充分楽しみましたが、映画館はガラガラで笑い声が聞こえなかったのは残念でした。
阿部の筋肉はイラストほどで立派ではなく、ちょっと貧弱でした。日本人を「平たい顔」の民族は、言い得て妙でした。
時には、このように下らない映画も楽しいものです。                             【終わり】