風そよぐ部屋

ウォーキングと映画の無味感想ノート

映画/思秋期・ミラノ、愛に生きる

2013年03月30日 | 映画

原題は、Tyrannosaur=ティランノサウルス、恐竜のテラノサウルスですが、これでは何のことかわかりませんよね。
ジョゼフの妻は太っていて恐竜のようにドスンドスンと歩いていたので彼がそう呼んでいました。
初老のジョセフは妻を数年前に無くし、今は一人で暮らしています。
彼は生前妻を馬鹿にしていましたが、失って初めて彼女の存在感を思い知らされました。
失業中の彼は、日々の些細なことに怒りを破滅的・暴力的に爆発させています。
その危うさに私たち観客は、はらはらしています。
彼は、ある日、偶然ハンナという女性のリサイクルショップに入ります。
ハンナは、ジョセフに優しく声をかけます。
彼女は、ジョセフとは対極にあるようなまさに「聖女」のような女性でした。
しかし、私たちはどこか彼女の危うさにも心が揺らいでいます。
実は彼女は夫の家庭内暴力に苦しめられているのです。
物語は、とてもシンプルです。
ハンナは夫からレイプされ、そして彼を殺してしまいます。
神が支えであった彼女が、「何見ているのよ」とキリスト像めがけて物を投げつけるシーンは鮮烈でした。
映画の前半と後半とでは、ジョセフとハンナの立場がすっかり逆転します。
彼女の店で買ったスーツを着た穏やかな表情のジョセフが、刑務所にいるハンナを訪れます。
現れたハンナは信じられないほどの美しさに輝き、穏やかでした。
初めは、"ファック"という言葉がやたら多過ぎて不快でしたが、最後には心が洗われたように穏やかになりました。
佳作です。

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原題は、Is sono l'amore=「愛している」でしょうか、こちらはちょっと退屈でした。
私は、ミラノの町並みがたくさん登場するのだろうと大いに期待していたのですが、
ドゥオーモの屋上シーンだけで、スフォルツァ城やエマヌエーレ2世のガッレリアも登場せず落胆でした。
ロシア人女性のエンマは、ミラノの資本家・富豪に嫁いで何不自由無く暮らしています。
突然現れた、息子の友達を好きになってしまうというお話です。
最初の半分ほどは、何人もの召使いが準備する大富豪家の食事風景をこれでもかこれでもかと言うほど撮します。
息子の友人は、そうした食事の対極にある、オーガニック野菜を自分で育て、GパンにTシャツで料理する、髭もじゃの青年でした。
有閑マダムの「火遊び」映画かと少々うんざり気味でした。
セックスシーンは決して過剰ではありませんが、其の最中に花や昆虫や草を延々と撮し、独りよがりで興ざめでした。
後半も長い食事シーンで始まるのですが、今度はその途中から物語は急展開します。
豪華な家も食事も「虚」でもろい物だと言いたい暗喩なのかもしれませんが、長すぎで退屈でした。
エンマという名は彼女の本当の名前では無く、呼びやすいようにとイタリア風につけられたものでした。
彼女は、そのエンマと言う名と家族を捨て、飛び出して行くのでした。

映画を続けて二本見るのは難しいです。
二本とも佳作というのはまれですから。一本目が退屈だと二本目はより良く感じます。     【3月25日】




第79回ピースボートに乗ります。

2013年03月25日 | 79回ピースボート・現地発
第79回ピースボートに乗ります。
2013年4月1日午後1時横浜港を出港し、西回りし、7月12日午後横浜港に帰港します。103日間です。
今回は、残念ながら赤道を横切らず、南半球には行きません。
ピースボート乗船は2回目です。前回、スエズ運河・パナマ運河を陸上から眺めて通りました。
今回は、運河を通ります。
日程は、次の通りです。


私は、5年前の第63回クルーズに初めて乗りました
外国旅行が一人でできるための訓練、予行演習のような思いで参加したのですが、
何と、船の故障で1ヶ月も旅程が伸び、新年を船上で迎えるなどの思いがけないサプライズに喜びました。
以来、飛行機やホテル・観光スポットなど全て自分で行う外国旅行を楽しむことができるようになりましたが、
この度、かなりの期間のんびり過ごすことのできるこのクルーズをもう一度したくなりました。
それは現在の私の普段の旅のスタイルとは異なりますが、65歳を迎え少しずつ体力が衰えてきたので、今がいい時期かなと思いました。
初め、妻も同行する予定でしたが、三ヶ月は長すぎると断られ、前回同様一人で旅することにしました。
三ヶ月間の旅は、やはり短くはなく、それなりの気力や体力が必要です。
クルーズは、数日間洋上、ひたすら航海だけと言うこともあり、乗客を飽きさせない色々なイベント等も企画されますが、
私は、ひねもす何もしないで海や雲や星を眺めたり、本を読んだり、ただぼけっと時をやり過ごすことができます。
インターネットはできますが通信事情も悪くお金も高いです。
新聞は数日遅れでヘッドラインが掲示版に紹介されます。
陸に近いときは室内のテレビに現地のテレビが映ることもありますが、後はビデオが上映されるだけです。
つまり、インターネットも新聞もテレビも携帯も無い生活ですが、生涯ずっとでは無いので私には全く困らず、問題ありません。
私はわがままなので、四人部屋・二人部屋での共同生活は難しいので、割高になりますが、一人部屋にしました。
キャビンはとても狭いです。ビジネスホテルよりほんのわずかだけ広いだけです。次の写真は船内見学会で。

バスタブはなしですが、シャワー・洗面台・トイレ・テレビ付きです。

さて、今回のクルーズの特色の一つは、北欧四カ国とバルト諸国の二カ国そしてグアテマラ・メキシコの中米二カ国の訪問です。
私は、ガラパゴスやアフリカや南極などの自然はテレビで見る方が好きで、それらへの特別の思い入れはありません。
バルセロナやモンサンミッシェルなどは、私は訪れたことがあるので、ナポリでクルーズを離脱し、単独行動を取ることにしました。
それはちょっと冒険です。というのは、ホテルや鉄道はやはり事前に予約しておいた方がいいからです。
船が遅れること無く予定通りで進んでくれないととても困った事態になります。
ナポリからパリへの直通電車は数が少ないので、ミラノで一泊して、チューリッヒを経由してパリに行きます。
パリには1週間ほど滞在し、モンサンミッシェルが近いル・アーブルでクルーズに合流する予定です。
パリでは、私の普通の旅のスタイルで近郊のいくつかの都市を電車で訪れたり、
セーヌ川クルーズや乗り捨てレンタバイク[ヴェリブ]に乗ったり、歩きたいと思っています。

クルーズは、概ね一つの寄港地を夜出航し、3~4日ほど航海して次の寄港地に早朝着きます。
つまり、寄港地では約15~6時間しか滞在しません。
滞在時間が短いので、単独での市内自由散策・行動はとても制約されます。
また、港と市街地は離れていることもあるので、行動はさらに制約されます。
従って、効率よく観光するには、どうしてもオプショナルツアーに参加するのが便利です。
横浜に入港し、"はとバス"に乗って都内観光をするような感じです。
その他、クルーズを2、3日~数週間離脱する「オーバーランドツアー」と言うオプショナルツアーも数多くあります。
ピースボートも以前と比べだいぶ様変わりして、このオーバーランドがとても多くなったように感じます。
すべてオプションするとほととんど船上での生活が無いほどで、そうすると多額のお金が必要になります。
ちなみに、今回のオーバオランドツアーには
 4/6~4/11、カンボジア地雷問題検証ツアー[9.6万円]、
 4/6~4/11、香港・アンコール遺跡・シンガポールを巡る6日間[12.8万円]、
 4/6~4/11、自然遺産・張家界と武陵源をユク日間の旅[12.8万円]、
 4/11~4/16、スリランカ・セイロン島の世界遺産6日間[11.8万円]、
 4/16~4/29、ケニア・ワイルドサファリとエジプト14日間[34.8万円]、
 5/1~5/6、負の遺産・強制収容所アウシュヴィッツへ[13.8万円]、
 5/2~5/4、ローマの旅3日間[11.8万円]、
 5/6~5/12、バルセロナとパリ&モン サン ミシェル観光7日間[17.8万円]、
 5/25~5/27、オスロとフィヨルド列車3日間[9.5万円]、
 5/30~6/11、ベルファスト・ホームスティ体験13日間[26万円]、
 5/30~6/11、ガラパゴスとキト(エクアドル)観光13日間[38.8万円]、
 6/12~6/15、カナイマ国立公園(エンジェルフォール)観光[17.8万円]、
 6/11~6/15、クスコとマチュピチュ遺跡5日間[28.8万円]、
 6/15~6/20、マチュピチュとグアテマラの旅[31.8万円]、
 6/22~6/24、テオティワカン遺跡観光[14.8万円]、
と盛りだくさんです。決して安くはありませんし、可能なツアーを全てチョイスするとその料金は莫大です。
日本での世界一周クルーズは、ピースボートの他に『飛鳥2』があります。さて、そのクルーズ価格ですが、
ピースボート(PBと略)は一人129万円~393万円、飛鳥2は396万円~2550万円とすごい違いがあります。
PBは四人部屋がありますが、飛鳥は二人部屋が基本のようですが、5割ほどの割り増しで一人利用もできるようです。
一番の違いは、飛鳥はドレスコードがあり、夕飯はネクタイ着用です。映像を見るとなんとタキシードです。
PBはその点気楽で、Tシャツ・ゴム草履でOKです。
また、PBはそもそもはPeaceについて考えるのが目的で発足したのですが、現在はそれはほとんど無関係です。
洋上で、平和についての講演会がたくさん催されることに今もその名残は残っていますが、ほとんど観光が目的です。
講演会の参加・不参加はもちろん個人の自由で、私はほとんど参加しないつもりです。
前回PBの印象では、約60%がシニア世代でしたが、若者も多数参加していました。
私は、飛鳥2に乗ったことは無いですが、こちらは若者は本当に少ないのでは無いでしょうか。

三ヶ月の船上生活の一番の問題は運動不足です。
船内には小さなジムがありますが、ランニング・ウォーキングマシンの数は1~2台、筋トレマシンは無く、ダンベルがあるだけです。
 
プールもあるようですが十分な運動になるほど広くは無いようです。
そこで、私は、スポーツジムでマシンを使わない筋トレを教わり、備えました。
ダンベルを使った上半身の筋トレ・自重による下半身筋トレと甲板のウォーキングの組み合わせです。
船の長さは200mほどなので、甲板を歩くことは何とかできそうです。





船の長さは200mもあるのに船の幅はわずか26.5mしかありません。
それはパナマ運河は、長さ294m・幅32.3m以下の船しか通れないからです。
現在行っている拡張工事が完成するとそれが、366m・49mになるそうです。
通行料は1トン当たり1ドル39セントで、待機時間を含めて24時間かかるそうです。
前回撮ったパナマ閘門運河

インターネットは衛星を使うそうです。無線LANで接続するのですが、電波はとても不安定で、速度も遅いです。
その上、料金はなんと100分4200円とべらぼうな値段です。
とてもブログなどをゆっくり書き、発信するのはできません。
従って、至極簡単なブログを週一回ほど発信できればなと考えています。
しかし、私は今回の旅のためにノートパソコンを買いました。
これまで使っていたモバイルパソコンは、画面が小さすぎ、使いかってが非常に悪かったからです。
WEBを使う機会は少ないですが、写真の整理とメモの作成はぜひ必要です。
そうしないと、3ヶ月後に帰国したとき、どこで撮影した写真か皆目わからなくなってしまいますから。
携帯電話・新聞・テレビ・インターネットの無い日常も3ヶ月ほどなら全く問題はありません。
もちろん、インターネットが安い料金でせめてADSLレベルでできれば最高ですが。
最近は、普段すっかりを読まなくなった私ですが本も少し用意しました。
塩野七生さんの『ローマ人の物語』のカエサル編をもう一度、ローマ後の地中海世界の物語などを読もうと思っています。
また、有料の英会話クラスも申し込みました。1時間半30回ほどのクラスです。
英会話の勉強は続けているだけと言うレベルですが、上達はしなくても外国語は日々触れることは大事だと思っています。
クルーの多くは外国人ですので、彼らとの日常の二言三言の会話も楽しみです。

さて、食事ですが、以下は前回のクルーズの印象ですが、朝食は日本食・洋食のビュッフェスタイルで、申し分ない量と質でした。
ランチもビュッフェスタイルで、こちらも不満はありません。
夜は、前菜・メインデッシュ・デザートの和洋等のセットメニューです。
夕飯は、時間が限られているので、早・遅の2グループに分けられるのが難点です。
私は、全くグルメでは無いので、食事については全く不満はありません。
モーニングコーヒー、三時には無料のお菓子付きティタイムがあります。
ビュッフェスタイルの朝食とランチは食べ過ぎに注意しなければなりません。
お酒の持ち込みはできませんが、たくさんのバーと日本風居酒屋もあります。しかし、飲み過ぎは禁物です。
お酒を飲んでの失敗だけは絶対にしてはならないと肝に銘じています。
ワイン2グラス位までにしておきましょう。

日本発のクルーズは西回りが多いです。はじめ、風の影響かなと思いましたが、違うようです。
赤道周辺では東向きの貿易風が、それより南北は西向きの偏西風が吹いていますが、
それらはかなり上空なので地表では航行にはあまり関係ないようです。
西回りの一番の理由は時差に関係しているようです。
地球の円周は約40,000キロですから約1,666キロ西に行くと1時間戻ることになります。
一日の時間が短くなるより長くなる方が体にはずっと楽です。
朝6時に目覚めると5時、これが逆回りだと朝6時に目覚めるともう7時と言うわけです。
飛行機の場合は、時差が8時間とかですから、非常に困りますが、船の西回りは1時間得した感じです。
最も一周して日付変更線を超えるときは丸一日進んでしまうのですが。
それでは、行って参ります。

映画/あの日 あの時 愛の記憶・それでも、愛してる

2013年03月15日 | 映画

反戦・反ナチの映画ではありません。
ハンナとトマシュはナチスの強制収容所から脱走します。
ハンナはユダヤ人、トマシュはポーランド人で反ナチレジスタントで捕まり、収容所の囚人監守の補助をしています。
二人は恋人同士ですがその経過の説明はありません。
脱走劇はテンポ良くまとめられていて良いのですが、ナチスがあまりに間抜けに描かれリアリティ感は無いです。
また、二人が運良く脱走し追われ、必死の逃亡の最中にセックスするなど緊張感も希薄です。
二人は偶然の、些細な出来事でお互いに死んだと思い込み、以後生き別れます。
ハンナは、今はニューヨークに住んでいます。彼女はテレビからの声に驚きます。その声は元の恋人だったからです。
半世紀もたってすでに死んだと思っている人の声を人は覚えているのか私には極めて疑問ですが。
そこは映画ですから良しとしますか。彼女は、彼に会いに行きます。
映画の最後のシーンは、良かったです。
トマシュはバス停の反対側で待っています。ハンナがバスから最後に降りてきたところで映画は終わります。
二人は、目を合わせることもなく、ハグも無い終わり方は、気に入りました。
昔の彼は背も高くかっこよかったのですが、最後の彼は風采がありませんでした。

映画としては、秀作とは言えず普通です。
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ウツ病を扱った映画ですが、シリアスでは無く、ほとんど喜劇です。
何しろ、メル・ギブソンがウツ患者を演じるのですから。でも映画としてはそれの方が正解でした。
日本でも、テレビと映画で『ツレがうつになりまして』がありました。深刻がらず良かったです。
ウォルターは、突然ウツ病になるのですが、ビーバーのぬいぐるみを左手にはめているとウツを脱するのでした。
まさに、それは左手は躁、右手はウツという象徴のようです。
ウォルターの妻は、「元に戻って」だけで、ちょっとステロタイプ過ぎて残念でした。
一喜一憂したり、オロオロしたり、ずっこけたりした方が遙かによかったと思います。
こちらも、秀作ではなく普通のできです。                         【3月4日鑑賞】


映画/リンカーン弁護士

2013年03月07日 | 映画

先日いんちきアカデミー賞で話題になった、スピールバーグ監督の"リンカーン"とは、別の映画です。
高級車リンカーンを乗り回す弁護士・ミックの話です。
ミックはやり手の弁護士ですが、かなりやばい手腕も使っています。
猟奇的殺人事件の容疑者から弁護の依頼を受けます。
ミックはかつて依頼を受けた無実の被告を有罪にしてしまった経験を持っています。
実は、今度の依頼人は、そのときの真犯人なのです。
弁護士は、職務上知り得た事実を明かせないことを元に真犯人はミックを追い詰めて行きます。
可もなく不可もなしと言った映画でしょうか。
筋が単純すぎました。             【2月4日鑑賞】
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いんちきアカデミー賞と書きましたが、"ARGO"が、アカデミー賞作品賞を受賞しました。
以前にこのブログで感想を書きましたが、映画としては決して第一級とはいえないのにです。
私は、今また改めてアメリカ映画界とアメリカ社会のとてもイヤな面を見ているように感じます。
アメリカの侵略や傲慢さを擁護・宣伝するCIA物や戦争物の映画が大手を振って闊歩しています。
特に、ARGOなどはCIAの活動を大喝采しているのですから。
そのうち国家による「テロ」、ビン・ラ・ディン暗殺の映画もドラマチックに英雄的に描くのでしょう。
もっともらしく戦争の「悲劇・悲惨さ」を少しは描くのですが、
それは侵略・抑圧する側のそれであって、アメリカによって苦しんでいる人々に寄り添っての物では決して無いのです。



岐阜7/美濃赤坂・大垣市一部を歩く

2013年03月02日 | 国内旅行
16日、この旅行の最終日です。岐阜から東海道本線で西にある大垣市を歩きました。
美濃赤坂という町は知りませんでした。大垣市の地図を見ていて、
偶然美濃赤坂という魅惑的名前を発見し行くことにしたのです。

9:00岐阜駅発の電車に乗り、大垣に9:11着、コインロッカーに荷物を預けて、
9:24のJR美濃赤坂線に乗り、美濃赤坂着は9:31、わずか二駅、単線で、ワンマンカーでした。
 
私は、美濃赤坂駅を降りてびっくりしました。無人駅だからではありません。
「何かとんでもない辺鄙なところに来てしまったのでは」と思ったのです。
駅前には狭い広場があるのですが、タクシーも店もありません。
喫茶店がたった一軒あるだけなのです。
降りた乗客は二人だけでした。私の頭をよぎったのは、昼ご飯どうしようかと、と言うことでした。
その上、ひとひら、ふたひらと雪が降りてくるのでした。
太陽は照っていて、決して体が濡れたり、積もる雪ではないのですが。
不安な気持ちで、南下して安楽寺を目指しました。

安楽寺(浄土宗)
 
 
お茶屋屋敷跡[中山道沿いにある信長の休泊所]
 
 
手入れがされていて、私に「とんでもない所と」よぎった思いは少し消えていきました。
正安寺(真宗大谷派)
 
聖徳寺                                 子安神社
 
秋葉神社                                明星論寺への案内
 
弘法寺(真言宗)
 
八王子神社 
 
観音寺(浄土宗)                            商店
 
妙法寺(日蓮宗)                                                                お寺の中に日時計が
  
ここまでの道のりは、かなり狭い場所なのですが、よく手入れされ、人々が日常お参りしていると思われる
神社やお寺が軒を重なるようにあるのです。駅前の辺鄙さが嘘のように民家もあるのです。
そして少し広い道に出て出て、徐々にここは、昔の中山道の宿場・街道町であることがわかって来ました。
立派な脇本陣跡[飯田家・現榎旅館]
 
赤坂宿:(東:美江寺2里、西:垂井1里)                民家の軒先で
 
この案内板を見て、私は「辺鄙な所」などと失礼なことを思ったと思ったのでした。
相変わらず、食堂らしきものは相変わらずありませんでしたが、ここから少し北に行くとスーパーがありました。
都会のそれとは比べようはありませんが、何とか食べ物が手に入りそうと入りました。
お握りやお弁当はなかったのですが、保存の利くパンがあったので買いました。
本陣跡・所郁太郎(勤王の志士)像
   
浅間神社                                赤坂港会館
 
赤坂港跡                                ここにも日時計が
 
火の見櫓                               杭瀬川はきれいに穏やかに流れていました。
 
赤坂宿御使者場跡                           赤坂本町駅跡
 
正福寺(真宗大谷派)
 
東光寺(浄土宗)、塀には格式が高いといわれる五本の線がありました。
 
八重垣神社                              天清院
 
天清院仁王門                                                          馬頭観音
   
天清院本堂                              石引神社
 
修善寺(浄土宗)
  
法泉寺(真宗大谷派)
 
さて、時刻はたしか、11時半頃、明星輪寺に行くかどうか迷いました。
美濃赤坂線は、11時台の電車はなく次の電車は12:59、1時間1本以下で、乗り遅れると次は15:43なのです。
明星論寺は、向こうに見えるあの小高い丘の頂上に違いないと思うのですが、定かではありません。
どんなお寺かも知らないのですが、再び訪れることはないだろうと、意を決して登ることにしました。
もの凄い急勾配の道ですが、1.3kmと言う標識を見て、安心しました。
晴れているのに時折雪が一片二片舞う寒さなのですが息を切らし、汗をかいていました。

明星輪寺に行く途中にある金生山神社                     
  
金生山化石館
  
金生山化石館から美濃赤坂の街を                明星輪寺参道
 
明星輪寺(真言宗)
明星輪寺入り口                                             芭蕉句碑
  
仁王門
  
観音堂                                                         子安地蔵堂
   
不動明王
  
本堂
 
 
本尊お前立ち                  阿弥陀如来
  
大日如来
  
  
私も鐘を撞かせてもらいましたが、軽く撞くだけで、低音で良き響き渡りました。
境内では、大きなたき火がありました。        参道入り口付近で
 
ここからの景色
 
明星輪寺は来て良かったです。本尊は、日本三大虚空蔵の一つだそうで秘仏ですが、お前立ちが目の前にあり、
本堂内も写真を撮ることが許されています。
電車の時間があるので、ゆっくり参拝はできませんでしたし、スーパーで買ったパンを慌ただしく食べ、
駅に向かいました。帰りは、下り坂なので楽です。
帰り道を間違えてしまったのですが早めに気づき引き返し、12:45頃駅に着き、12:59の電車に乗ることができました。
駅には券売機がないので、電車で整理券をもらい大垣駅を降りるときに支払います。
来るときはスイカで入場してしまったので美濃赤坂駅で運転手さんに現金(確か180円)で支払い、
そして運転手から下車証明をもらって、スイカでの入場料は大垣駅で払い戻してもらいました。
あぁ、これが外国だったらどうするのでしょう。相手が言うことも理解できず困ったことでしょうね。
でも、私にはなにかほのぼのとした時間の流れで楽しい経験でした。
帰りの美濃赤坂から大垣に向かう電車は学生がたくさん乗って、ほっとするやら、うれしくなりました。
都会では、たった三分後に来る電車を待てないで駆け足乗車します。

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数分で大垣駅に着きました。帰りの電車の時刻表のメモをなくしてしまったので、少し慌てましたが、
大垣→名古屋間の電車は、10分おき位にありますし、新幹線の本数も多いので問題はありませんでした。   大垣駅
 
冷たい風が吹いていますし、だいぶ疲れて来たので、初めの計画よりうんとはしょって駅周辺だけ歩きました。
浄専寺(真宗大谷派)                         大垣八幡神社
  
大垣大神宮                              常葉神社

戸田氏鉄像                              大垣城(石田三成が居城とした城の一つ)
  
大垣城東門                               金森吉次郎(明治以降の治水家)像
 
濃飛護国神社                              願宗寺(真宗大谷派)
 
大悲禅院                                全昌寺(曹洞宗)
 
全昌寺本堂                               大垣城堀跡
   
住吉燈台                                無何有荘(幕末の勤王の志士小原鉄心の茶室)
 
 
奥の細道むすびの地記念館(奥の細道の最後の地)      奥の細道の最後の句:「蛤のふたみに別行秋ぞ」
 
常隆寺(日蓮宗)                            善教寺(浄土真宗)
 
善念寺(真宗大谷派)                          徳秀寺
   
浄覚寺(真宗大谷派)                          等覚坊
 
等覚坊門と本堂                            大橋翠石(虎を描いた画家)像
 
天神神社                               浄圓寺(真宗本願寺派)
 
浄圓寺本堂                              乗蓮寺(真宗大谷派)
 
予定ではもう少し歩く予定でしたが疲れてきまし、大垣の再訪はそんなに難しいことではないと思い、帰ることにしました。
大垣は、決して大きな町ではないようですが、昔から交通の要衝であったと想像できます。
松尾芭蕉の名前は、日本各地でよく目に入ります。本当にすごい人で、良く歩いたものです。
幕府の隠密だったという一説もあるようですが、その真偽はさておき、
江戸時代になるとごく一般大衆も伊勢参りなど人々の往来は本当に手軽にできるようになったようです。
名古屋15:43発の新幹線、東京駅着17:23、自由席はほとんど満席でした。
今回の旅も十分楽しみました。
今回の旅には、旅の楽しみの他に別の目的もありました。
4月からピースボートに乗ります。
そのための準備というか予行練習を試みたのです。
一番は、スニーカーです。新しいスニーカーを買ったため足に慣らすためです。
ジムで何度か履いた時は何でもなかったのですが、今回は長時間歩いた性でしょうか靴擦れができました。
試しは必要でした。
二番目は、パソコンです。これまで旅行用に、モバイルパソコンを使っていたのですが、使い勝手が良くありませんでしたので、
この度思い切ってそれより少し大き目の13.3型を購入しました。
ウインドーズ8が新発売され、ウインドーズ7のアウトレットが少し安くなったからです。
私には不要なソフトが入りすぎているのですが、モバイルパソコンより断然使い勝手がいいです。
私としては、7も8は不要で、ウインドーズVISTAの方が使いやすいのですが、もうほとんど手に入らなくなっています。
おかしなことです。

さて、岐阜は楽しみました。
アメリカの無差別空爆がなければ、きっともっと豊かな歴史的遺産が残ったでしょうが、本当に残念です。
それでも、いくつかのお寺は残ったようです。
最初に訪れた妙興寺、そして最後に訪れた明星輪寺はその数少ないお寺ではないでしょうか。
見応えがありました。岐阜の中心から離れていたことが残った原因でしょうか。
長良川、木曽川、揖斐川などの急流は豊かな穀倉地帯を作りましたが、
他方、それらの氾濫は多くの被害ももたらしました。治水・治山の重要さは容易に想像できました。
岐阜城天守閣からの長良川を見るとよくわかります。

岐阜城は高い山ではないにしても、これらの川を天然の防御堀とし、急な山道の上に築かれていて、
おそらく攻め落とすは決して容易ではなかったはずです。
斎藤道三、織田信長を生んだ土地という私の思い入れはひとしおでした。
今回は訪れませんでしたが、墨俣城の立地も面白い立地と想像します。
これまで関東と関西では交通機関カードが別々でとても不便でした。
最近、スイカも西日本で使えるようになったということでしたが、近鉄は使えませんでした。
また、岐阜バスも使えませんでした。
新幹線の自由席の数は、絶対に少なすぎます。
東京~名古屋間の指定席料は自由席より500円ほど高いだけですが、指定席にすると確実に座ることができるのですが、
時刻が大きく制約されるのは、非常なデメリットです。
新幹線は、約10分おきに走っているのですから、細かい時刻を決める必要は全くないのです。
新幹線は座席がゆったりし便利なのですが、値段が高すぎ、自由席などの利便性はきわめて良くないです。
座席がゆったりの格安航空機の便数が増えれば、飛行機の方が利用されるでしょう。
最近では、飛行機のチケット購入はオンラインでとても簡便となり、チェックイン時間の制約も緩くなり、
その利便性はとても増し、以前よりずっと手軽に利用できるようになりました。
岐阜市内のレンタサイクルは1日100円と安いのですが、自転車は古く、ブレーキ音が大きかったり、
サドルがすぐ動いてしまったりと、整備はいまいちでした。
市内数カ所にあるサービスステーションへの乗り捨てもできるそうですが、今回私は、利用しませんでした。
越美南線のアシスト自転車は三段ギア付きで500円で良かったです。
美濃市は山間の町なので電動自転車でないと難しいでしょう。
関市は遠出しなければ、自転車は必要ないでしょう。[いずれも予約は必要ありません。]
越美南線の電車の本数がもう少しあれば、途中下車ももう少しできたでしょう。
雪が降るほどではないのですが、ちらほら舞う寒い季節に旅するなんて、寒さが苦手な私は昔はできませんでした。
加齢で寒さを感じるのが鈍くなって来ているのでしょうか。
蛇足ですが、万歩計を忘れ、手袋が切れたので、100均の店(名鉄一宮駅)で買いました。
指先が出る高い毛糸の手袋の片方をなくしてしまい残念でした。              【終わり】